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休日の午後4時、
大きな鍋にぐらぐらと
日々のあれこれが沸騰する時間
きっかり2分
それ以上でも、それ以下でもない
....
ぱちん、ぱちんと
爪を切る
飛んだ爪を拾ってみたら
さびしさだった
腰をかがめ
切りにくくなった
足の爪を切る
....
見る影もなく
下垂の一途を
たどっています
この両の房の中にある
喜びと寂寥、
この歳になればそれはもう
....
かごめかごめを
するときは
逢魔が時をさけなされ
かごめかごめに
囚われて
ひとり残され
....
朝起きて顔を洗うとすぐに
台所へと向かう
目覚めのいい朝も、悪い朝も
遅刻しそうなほどぎりぎりでも
必ず台所へ向かう
....
まっしろなカップに
夜が満ちる
からっぽなわたしは
真っ暗な部屋で
夜を見つめてすごす
安堵のなか
ごくり ....
夕飯に缶詰をあける
100均の鯖缶だ
閉め切った部屋に
さかなの匂いが充満する
ろうそくの灯りの中
....
うす汚れた魂を
夜更けに洗う
洗面器に冷たい水を張り
ひとつまみの塩でもみ洗う
不信と後悔がにじみ出て
....
星がみえぬと
嘆くのならば
夜ごとまぶたを
くちびるで塞ぐ
それは塩辛く
わたしは夜に
海をみる
....
明滅する赤や緑の光を浴び
暗闇にしまうまは横たわる
静けさの中でざわめきだけが
息 ....
きゅうりに背骨は
ないけれど
きみの背骨は
きゅうりの味が ....
毛布の中で
顔をうずめた
汗と熱のこもっ ....
さくらの花びらにあなた宛ての
手紙を書きました
そろそろ、そちらにつく頃でしょう
花びらが散りましたら
したためた詮無き ....
横たわる男のひげは春を待つ
閉じられた青白いまぶたの奥で
なにを夢にみるのだろうか
弥 ....
あの豆腐屋の
角をまがったら
朝がくる
豆腐屋の朝は早く
....