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一匹のからすが
あおあお鳴いている
小さな子供が歩きながら
あおあお
あおあお
声に出して真似している
雑木林の中から
鈍く光った黒いマントが見え隠れする
前を ....
冬の終わりです
雪です
女を埋もらせています
深さ九十センチ
春ともなると
シャベルがやってきて
雪を掻いたり
女を掻いたり
シャベルも
女も
シャベルも
女も
みんな ....
月のような陽が
雨の奥から見つめ返す
白へ白へ
流れ込む青
冬は冬を巻き
隙間はまたたき
足首の渦 山への径
白く踊る日々
悲しい嘘が
空に咲いて ....
舞台
晴れやか
うなぎ晴れやか
はがねもうららか
研いだしせんに
切断されずに
ひらひら、ひらひら、
だぶるおだやか
みゃーはなごやか
からりとこけるこうせんは
宇宙からも知覚から ....
この眩しい青空と比較してみる
かもめを探す
敢えて口にしない哀しみ
沖に流されては潮/騒
に引き戻され
わたしには縺れあう術がない
風またつよく、 荒い波
そして、
一 ....
悪魔の森から
ギターがきこえる
お前は
言葉を
やめたほうがいいと
あなたの
骨に
刻む
エピグラフ
かわろうなんて
おもわないほうがいい
ひとはうまれてしぬまで
かわっていくからだ
ゆるやかに
むりのないように
しぜんにかわるように
できているからだ
男どもよ、
おまえたちは、何なのだ。
おまえたちが女の子から
とくべつの親愛の情がこもった微笑みを向けられるのは
男どもよ、
それは、おまえたちが他でも無い
男であるからだ。
男ども ....
空中で笑う骸骨の口から臓物が溢れ出る
宙に浮いた体はその重みで地へ落ちる
立ち上がる頃には
人間になれるだろう
そんな事の繰り返しかもしれない
....
一分一秒も休まずに
詩を書いているわけでもあるまいし
詩を書いてる時間なんて
書いてない時間の何分の一
何十分の一
それなのに
詩をやめた
なんてことがあるだろうか
詩を書いて
....
降り続いた氷雨の残り香と
幽かな血の臭いがたちこめる
その日の屠殺小屋は静かだった
赤い肉がまだ少し残された
一頭ぶんの、豚の外皮だけが
壁にだらしなくぶら下 ....
身体を吊るし上げることから始めなければならない。女の足に縄をかけていくとき、彼女
は彼女なりの必死な表情をして、逃れようとする。形作られた表情自体、酷く歪んだもの
だ。嫌気がさして鞭打つ。注射した ....
栞が見つからなかったので
小さな紙片を代わりに挟んだ
モノクロの海の挿絵がある頁だった
砂浜に栞が一枚うちあげられていた
巻末には幼い字で父の署名があった
いこう
いこうと
わたりどりがなく
そらたかく
はるのそらをわたる
いこう
いこうと
わたしにきこえる
ひとつしかない
わたりどりのことば
玄関先に
雪が積もってた
足跡をつけないように
外へ出た
銀色の球体を遠巻きにして
心臓のない子供たちが
エネルギーを待ちながら
停止していた
草原に同じ大きさの椅子が並ぶ
たぶん同じ人が座るのだろう
換気扇を回す
他にも回さなければいけないものが
たくさんあるはずなのに
草や空気を掻き分け
秋の虫たちが涼を告げる
人間のまとうものも厚さを増して
いつになく曖昧さを好む
陽だまりに転がる生き物
人懐っこいフリしちゃう奴
羨みつつ蹴飛ば ....
雲一つないと言い切れる空
有終の美を飾る紅葉樹に
ただ僕はみとれるばかりだ
全身で思い切りつかんで
高いトコロから降りられないし
足の裏がやたらと心地よい
やわ ....
闇夜の風景の中
自分が生まれて初めて見た月光は
生家の隣の空き地に聳える
土手の上の屋敷の樹々
梢の葉の茂る隙間から
サーチライトのように照らされた
幼い自分の心臓を鷲掴みにす ....
よぞらのなかに
じぶんをさがした
みつけたのは
ひとりたくましくひかる
いっとうせいばかり
まるでわたしみたいに
つよがっている
このよぞらのなかに
すばるとい ....
sekai-kan
おっさんの射精みたいに
希釈された
sekai-ken
ワイシャツの首絞める、
感触
世の中はきれいごとだ、っていう了解に
意味もわからず袖を通す
....
わたしたち
同じ目的を持つもの同志
名前を偽ってでも
こうしてみんな
集まったね
小さな情熱を
灯しあい
ぽつり、ぽつりとだけど
飽きることなく
話をしたね
ひとりひと ....
はるはだれにも
ひとしくおとずれる
きってもきれない
はるのきずな
いつかとおりすがりの
だれかとかわした
はるのかいわ
またどこかから
きこえてくる
あ ....
待合室を浮遊する粒子
そして、その沈殿
順番に名が呼ばれ、人は減っていく
女の子が母親と手遊びをしている
ひそひそと西日が射し込む
理不尽よ
瓦礫のなかに誘われて
ぼくらは死者と対面する
あらゆる執着を
与えて奪い去った
理不尽よ
あなたはぼくらを全否定した
そこを真面目にさ迷った
....
うろおぼえの夜に
指を差し入れ
震えを聴いた
波に従い 従わぬ線
脚の動きを
讃えるまたたき
岩のはざまから
空を視る刃先
曇りと筆
曇り時計
器を ....
ざっく ざっくと土を掘る
今日も明日も土を掘る
まだ見ぬ{ルビ敵=かたき}にであうまで
ざっく、ざっくと土を掘る。
墓穴の道連れは多いほうがいい
銃剣の先を
じっと ....
軽くなった背中は
じぶんの骨格をおぼえているかい
あいつを鷹を
しばらく見ていないんだ
形づくっていた骨
いっぽんいっぽんの組み合わせ
こうやって生きていたのに
眠ったら ....
べんりなので
コンビニにいった
ねむらないひとが
わたしを
まっているのだ
よなかにしごとの
でんわがなった
わたしは
ことわるりゆうを
うしなっていた
....
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