間違った
dendrocacalia

切なさをもっとたくさんください
君のお父さんとお母さんは
中途半端に愛し合っていて
ほんとうは 友達だったけど
セックスも何だかなまぬるくて
彼はずっと壁を見ていて 彼女は天井を見ていたので
そのとき間違えて出来た君は 
壁と天井に戻りたくてよくバラバラになった 肉 バラ肉
壁の中に雲の中に雲の雲が雲の曇るクグモル 小さく
小さく なったら
そこで夢が見れるよ
うそだ
ヤス君からまたすごい葉っぱもらったんだろ
足元を見てごらん裸足で赤黒い湿った大地をしっかりと踏んだ冷たい それは 写真の
それは雑誌の切抜きの一部 バスルームの湿気で恥ずかしくめくれあがったそれはまるで
ドキュメンタリ、と写真にしたいあの日の暴力。
切り取って大事に飾りたい微笑ましいエスエム。
君は間違っているのを知らないで
まわりが違うと思って
小さな自尊心で今まで暮らしてきたけど
目を閉じたら今やっと
空の上の雲が雲の苦も、苦も、苦も、雲雲曇った おちた
落ちて 落ちたら
そこで恋が聴こえた聴こえなかった
聴こえなかった?
聴こえなかった。
それは君が集めたレコードやなんかそんなの
よく見た映画やアダルトビデオです。


自由詩 間違った Copyright dendrocacalia 2004-01-05 22:59:11
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