飛ぶ空
狸亭

プーケット島であそびつかれて
男たちはミニバスによこたわり高鼾。
たおした座席に足をなげだして
ふとめざめて窓越しにみあげるとき、

ああ空がとんでゆく。雲がながれて
刻々と色をかえる熱帯の空をよぎる樹。
ぼんやりとすぎてゆく幸福のヴァリエテ
明日からまたはじまる戦士たちの、つかのまの息ぬき。

日本語をわすれて、とけてゆく脳
海のずっとむこうには、さわがしい中庭
はて、なぜだ、ぼくの頬をつたう涙は。

はたらいて、くって、くそたれて、ノー。
手紙にかくと愚痴ばかりなのに、電話では
大声だして、元気よく、どうでもよい雑話。

 (押韻定型詩の試み 31)


自由詩 飛ぶ空 Copyright 狸亭 2004-01-06 09:04:38
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