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白雪に落ちる一輪 寒椿 その紅に近き死思う
云いかけてそのまま飲んだ赤い罪 胸刺す棘をいつか君にも
欲しかった物がひとつ
縁日で買ったラムネ瓶の中で
からから回るビー玉
何度も取り出そうとしたけれど
出来る筈もなく
ただ瓶を透かし見ては
溜め息一つ
割ってしまえば手に入るのに
....
君があの子の話をする度に
僕の胸の奥底に一輪
黄色い薔薇が咲く
全て君に
摘み取って欲しいと
思うけれど
云える筈もない
咲き乱れる
薔薇の香りで
噎せ返りそうだ
今宵も
....
午後の日差しに翻る白いスカート
柔らかな髪
思えばあれは初戀だった
名前も知らぬ年上の彼女
消え入りそうな細い躯を
ただ目で追っていた
古い映画を観て、ふと思い出す
もう顔すら ....
夕暮れに
繋ぎし指は頼りなく
僕らこれから
何処へ行かうか