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だきあうとき
ぱずるがはまったように
わたしはかれのなかにおさまる
しんぞうのおとがきこえる
せっけんのにおいがする
きすやせっくすはしていても
こんなにしっかりと
「だきあう」こと ....
沈丁花から紫陽花まで
わたしの一番すきな春をきりとって
そのひとは去っていった
つぎの春には待ち合わせ
さらさらと
つかみどころのない夏を
どうにかすくいあげて
秋の夕暮 ....
彼らのこの一瞬は 灯火は
わたしたちの何年分なのだろうなど
小難しいことは皆かんがえるふり
わたしはわたしで
手をはなさぬよう
刹那を噛み締めるよう
必死でした
ひ ....
どこからか
うまれた
しあわせは
てをつなぐように
であって
すなをくずすように
かわっていった
わたしがきらきらの火花に歓声をあげているあいだ
そのひとは
灯かりのむこうの景色をみていたというのです