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雪の噂に
膨れ上がるセーター
長いマフラー四重巻き
ふかふかのミトン

降り零れたのは 噂
雪の結晶は午前で消えて
暖かな午後
剥がれた細い人たち
踊らされた事実に
明るく笑う
 ....
東京の夜空は明るい
坂口安吾の描いた
戦後の静謐など嘘みたい
昼と夜を履き違えた植物は
花を咲かすことを忘れてしまった
人は偉大なる太陽を忘れてしまった
見て
人工の星がきらきらと瞬いて ....
人間看板のオヤジさんは
いつも胸を誇張させている
ヌードダンサーより
度胸もサービスも上だ
行く人来る人見せ放題

人間看板のオヤジさんには
いくつかの亜種がいる
胸に広告入りのゼッケ ....
停車禁止区域の車はドアを破られ
搭乗者は引き摺り下ろされ
窓ガラスは粉みじんに割られ
点火され爆破

異民族の若者たちがついに立ち上がる
お前は納得できるのか
生れ落ちた地が飛行機一日分 ....
車道に転がっている
ロッテリアシェーキの紙コップを
カラスが口ばしで突いて咥え
飛び去り
ポプラの樹の幹の間に置いた
ヒナの巣にするつもりらしい

ポプラの樹は撤去されると
近くの電柱 ....
森の奥で一輪の花と出会う
落ち葉道に紛れ
ひっそり咲いている
慎ましく透明な花に

この感動を伝えたくて
スコップで根を掘り起こし
花瓶に生けて持ち帰る

机の上に置いて眺めた
不 ....
浴槽に
すだちを浮かべ
涙を肩位置に溜めて
点火
点灯せず
湯冷め浴

果汁の混濁
吐息の白靄
曇りゆく記憶

湯上り
底へ伸ばす腕
栓を引いたなら
渦描いて消えゆく
悲 ....
長方形のコンクリート枠を重ねた上から
等間隔に鉄板を差し込んだだけの
チープな巣箱のために
サラリーマンは給料をつぎ込む

妻と目の開かない赤ん坊と
南向き五階のフロアを借りて
楓の巨木 ....
目の前の僕に
メールを送る君

いつしか
筆跡も足跡も思い出せなくなる
誠の微笑みより
丸かっこの笑いが欲しくなる

場所の概念が失われる
北海道だろうが
ヴェネツィアだろうが
 ....
妖精が見えるという
塗り薬を瞼に塗って
赤から黒に濁りゆく
暮れの森へ出かけた

不可視
青年の瞳が捉えたのは
影絵の集合
寂しい墨色の森

ざわざわざわ
木の間を流れる風が
 ....
空からまっすぐ垂れた
雨の糸
大地に織られ
数多の模様を描きます


縒り合わさって森となり

縒り合わさって海となり

縒り合わさって国となり

土に染み渡るまで
浮 ....
駅前のタクシープールに
老いた男と猫が
向かい合わせに座っている

餌の缶詰を猫が喰い
空き缶は物乞いの貯金箱となる

毛刈り前の羊のような
油色の毛を
肢体しならせ
舐める猫
 ....
千波 一也さんのkwさんおすすめリスト(12)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
雪の噂- kw自由詩205-12-7
永久白夜- kw自由詩505-11-16
人間看板のオヤジさん- kw自由詩305-11-13
怒りの炎はじわり燃え- kw自由詩5*05-11-7
ポプラ撤去- kw自由詩2+*05-10-28
花の咲く風景- kw自由詩7*05-9-26
湯冷め浴- kw自由詩6*05-9-15
先住民の心を思い出せ- kw自由詩4*05-9-8
受信しました- kw自由詩6*05-9-7
見つからない妖精- kw自由詩7*05-9-1
雨織り創世記- kw自由詩4*05-8-26
老人と猫- kw自由詩9*05-7-22

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