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流すというよりは
こぼれるという感じ
涙が線を
引いていく
まるで上から下へ
潤いを運ぶ川のように
一筋の流れがかすかに伝い
(ぽ、と)
....
見つめ合って私ではないのがあなたです
目が覚めて一言目
やさしく囁いた
青い夢を見ていた気がする
一日の始まりに飲む苦いコーヒーが
私の中に少しずつたまっていく
あなた ....
優しい顔の朝は嫌い
やるせない正午の空気が嫌い
やがてくる夕刻のわざとらしさが嫌い
夕焼けの終わりに
ゆらりと一瞬揺れる炎は少し好き
酔ったように戯 ....
ランプを灯して路上駐車
ラヂオを聴こうか休憩中は
楽にしてチューンを合わせると
ライブ盤の熱情
ラッパーの凶状
ライオンの鳴き声の慕情
ららら、なんて口ずさみながら聴こうか
リ ....
短い冬が終わりを告げる頃
街並みの全てが水平となり
凍り損ねた思い出たちが
空気の底に溜まります
両手を器としてそれらをすくい
私の体温を少々与えてから飲み干すと
薄氷色の街並みが
私の ....
この間から
ヘッドフォンで括った僕の世界は
なんだかひどく不安定で
1日1回
揺れる
大体震度2ほどの
初期微動
あれ
今揺れませんでしたか
....
昔から僕の家では朝は紅茶で
それも普通のティーバッグで作るやつなんだけど
僕はそれが好きだった
透明なお湯に少しずつ漂うように染みていく
あの色が好きだった
自分の世界が少しずつ広がるよ ....