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090427
アマが駆ける
アマが
山の端に
月が出て
物語を始める
悠久の時を
お椀に装って
しゃなりと
口に運ぶ
運送屋のフデさん ....
79/08/25
天才的なるもの
静かな海
....
080509
神経質な男がいた
体温計の目盛りが
37℃を越えたと
大騒ぎする眼をなだめ
再測定を促すためにも
新たな予兆が期待される
男は毎夜壁を抜け
....
素麺を啜りながら東の空を見た
月消えて
すみそにあんかけうまかろう
そらに女のささやきが
ゴアゴアした風にも油断ができた
すみそにあんかけうまかろう
提灯で電気花火に火をつけた
撥撥 ....
2007/04/25
木漏れ日の郷
足軽の猫たち
群れをなして
ミャウミャウ
みゅうみゅう
みゅーみゅー
MewMew
mewmew
ミ ....
2007/04/19
切り刻んで
切り刻んで
切り刻んで
切り刻んで
切り刻む
鶏の餌にするつもりで切り刻む
鳩の餌にするつもりで切り刻む ....
春の空は水色にあかるい
真綿のような白い雲が
浮かんでいるぞ
白い雲はなぜ白い
無彩色透明の問いかけに
毅然として答えてやる
私の宇宙のまんなかに
悠々とお日さま耀いて ....
豆腐
生揚げ
雁擬き
大きな荷台に大きな木箱
プーーポーー
のんきな音してバイクが来たよ
カブのエンジンとろとろと
とろとろ走る路地裏を
トーフーのラッ ....
ごごっ!
と
大きな声で吠えたんだ
犬の
コロちゃんのような
声だから
声だから
午後の声だから
空間に消えるのだ
周波の跡を手探りで追って行く
空間だから
届かない
波の無い ....
世界のかたちを考える。
世界のシクミをかんがえて
ネコノココネコノコノコと
カタクチイワシを追い求め
ワレタイロシタガケップチ
月夜の仔猫は行き止まる。
打ち砕け!
壊れた色 ....
水鉄砲を空に放つ
夏
リアス式海岸を
走る
気動車
機関車
各駅停車の
車両達
それぞれが
異なる
ジョイントの音を立てて
走る
水鉄砲を携えて
....
がちゃん
ものの割れる音がする
ごとん
ものの落ちる音がする
どんどん増える音
増えすぎたので
耳を塞いで居る
ガチャン
ガラスの割れる音
ゴトン
電車の繋ぎ目から
重た ....
買い物バイク(副題 アーマオールかけて)
現在、バイクカバーの下で、眠っていますが、数年前までは、買い物バイクとして、働いていました。
ところが、走行中急に変速機から擦るよう ....
つるかわ
つり革の下には
振動する幽霊の手が
ぶらぶらしているよと
嫁のもらい手がないよと
節だらけの拳を振る
明治生まれの大伯母に
呼ばれたような気がして
リノリウムの床を
....
許してくださいお星様
お花の欠片に銀のさじ
私の欠片が食いついた
モーツァルトのセレナーデ
美味しく戴く春の宵
銀の色したお月様
夜の夜中に目を開けて
お腹がすいたと
食べられた
食 ....
百年間に一人も生まれなかった
小さい色したかえるの子
百年間は長くて短い
言葉の留まる時間もない
小さな木の葉が地面に落ちる間に
過ぎてしまった
緑色の葉が褐色に変じ ....
巨大な円板が大地を切断する
半円を描いて回転し
二つ三つ 軸を直角に交差して
回り続ける真鍮色の無機性に
平らに土を露出した大地はなすすべもなく
うめき声もたてぬ
バットから生まれ
....
春に見込み生産した思想が腐って
生臭い匂いを残して冷凍された
夏の記憶を持たぬ子供の眼が
暗い海を見つめる
冬の陽のあどけなさ
日溜りに春をもたらし
猫の子はしゃぐ
初春や羽根つ ....
硬質発泡スチロールの塊を
子供の頭位に丸く削り
光を混ぜる積分球の
内室の雄型にする
球体を紙やすりで磨き
眺め透かす
良い感じになったので
焼き石膏に水を含ませ
球の上に厚く塗ってゆ ....
やまねの親子は毬が好き
雪の山道人気が途絶え
歩く人影消えたので
やまねの親子が顔を出す
寒い朝だとおとうさん
冷たい朝だとおかあさん
明るい朝だと子供たち
冬眠醒めたら遊ぼうね
....
にゃんこの目
かまいたちの爪
きたきつねの背中
ぴかりと光る稲光
みんなみんなまぶしくて
なまこのまなこは目をつむる
浜から揚がったお地蔵さんは
ぐっと一息飲み干す定め
辛口の ....
ギタラ ギタラと鳴り響く
緊急 住民集会 泰山木を撃て
の声
怖い小父さん
舟が出る
乞食の小母さん
骨しゃぶる
北から来た娘
爪を光らせ
恥を塗る 木
北風
....
小さい色したカエルの子
小さな瞳で恋をして
一億年が過ぎたけど
健気で綺麗な心映え
心はすこしも変えないで
透き通る小さい瞳で見つめては
小さい色に恋をする