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こんばんは
こんばんはといえば夜ですが
夜になってもまぶたの裏が痛みます
きっと蛍光灯のせいでしょう
蛍光灯はしろっぽくってあおっぽくって
だからやつのせいでしょう
そういう ....
きみのオデコはとがっている、おやすみと言うたびに、やだやだされて、それはちょうど夏の虫だったから、掛け違えたボタンが蝉のように、ポックリ病だ、ぼくはきみを目覚まし時計と間違えていた。
縞模様 ....
よくわからないとこでよくわからないことが階段を降りてくる。よくわからないとこは時間でよくわからないことはないがよくわからないことはしなやかだ。焼き魚のにおいがする。母ちゃんが砂場にいる私を呼びにくる。 ....
叔父が息をひきとり、ちょっとだけかける。
バスケットコートにうみがたまり、1999年の、夏のあいだじゅう、ひどく早口の母とぼくは、スコアラーとして過ごしていた。あの黒人選手はスラムダンクをき ....
けさは水平線が凍っている
長い足を折って待つ子
ひたむきに駆けまわる子
ただ下手くそに眠る子らが凍っている
おとつい死んだ叔父さんへあなたの骨はまずかった
おとつい死んだ叔父 ....
その日記のタイトルは
タイトルなし。
彼はふざけていたし、
彼の日記は辿られる
ことを待っていたように
少しめくれている
空の東を飛んでいる
鳩の、羽ばたきが
止まって見える窓 ....
指の味がしそうな塩水というはなしを書きはじめると、たばこ屋のシマさんが居酒屋おかるの前で足をとめる。月面にでもロシアにでも辿り着けそうな路地を、がに股で歩いているような男が、でてきて、着ている ....
平凡な服を着て、平凡な食器で食事をする、くつ下にいれる足もいたって真面目、
それらをおしこめておく革靴も、
どこにでもありそうなドアノブをまわし、いつものところに鍵を置いて、アパートのむかい、 ....
入道雲の浮かぶ
背丈ほどもある草むらの
風の抜けていく
ふかみどりに、時折
沈むようになった鉄条網
(U地区)と
わたしが、そう
呼びつづけた街の住人
たちが、みなで立てた
鉄の ....
僕らは毎日、夕方に海の絵をかいて、すごしたりするけど、海の見えない町に
住んでいたりするから
このままの僕らで、かき続けたら、いつか、この海だって、線だけになってしまうとは思わないか?
くろがね ....
真っ白い、って
乾いた石で造られているベンチが一組、砂地の広場に置かれていた。
祝日の歩道と砂地との境目に、たましいが死んでおり、黒ずんでいる。
ゼラチン状の日差しが、座り込んだ膝を包ん ....
きうわおじいちやんと
いつしよにつりにいた
いぱいつれたのれ
よかた
たのしかた
きうわおかーさんとおねいちやんとしらないしとれ
らどんせんたーにいた
きもちよかた
またいくよ
....
ひだまりを一人占めしている僕が、また、おかしな事を言ったと、
お姉さんは、にっこり笑い、手元の林檎を持ち上げた。赤々と、滑らかそうな、肌の林檎を、包みきれない、女の手、はだの色
どこか他所では花見 ....
わたしのベッドが
まだ、暗い空に
飛んでいきます
頭から夜の続きに
衝突して
夜が砕けていく
「すみません。さむいからおろしてください。」
ささやかな願い事にも
毛布を巻き付けていた
....
車に乗って
通勤をしていて
最近は下半身を
意識する事が
少なくなってきた
歩くとか走るとか
多く、なかったのに
下半身が家出しました
お風呂に入っていて
何かの昆虫のような足を ....
父と母が愛しあって
墓まで一緒なのか
私にはわからない
あいしあう、
響きだけで、どこか
あたたかな国で
糸や針を使い、あいと
しあうは繋がれて
いるのかしら
抜糸、される事はなく
....
あの子が
シャボン玉を抱えて
わたしがみちみちと
はえている歩道に
立っている
唇の薄皮を摘み取って
よいことばを
鈴に詰めてしまった
火曜日の光景です
あの子は
三週間おきの ....