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東から西へ
クリークのような商店街の上を
滑空する
コンビニの角を南に曲って
コソコソとパチンコ屋へ向かう
八百屋の若旦那を左目で見ながら
西から北へ
生易しい北風を切り裂く ....
ぽこっと開いたコンクリートのくぼみに
しとやかに雨粒が埋められてゆく
雨粒はくっついて水たまりになり
ごうごうと吹く風に水面を泳がせている
ほら この大きな木
わたしよりもうんと ....
動物がほとんどいなくて、すきっ歯な林だけがあるような
そんな植物だけが林立する場所にも、空き缶は捨てられていた
その缶を水が徹底的に錆び付かせ、風が土に埋葬した
泥に溺れそうな缶詰の、淵が顔を覗 ....
クラッカーが鳴らされた
遠い船旅への出航にも似て
さまざまな色の
無数のリボンが流れては
黒い羅紗の床を汚してゆく
ひとつの別れなのか
祝うべきことなのか
知らない
どこへ ....
まだ名づけられていない、
連続する瞬間で構成された時間を
拾い集めつづけても
綴じるためのすべを、忘れてしまった
わたしたちは、かわるがわるに
世界を四角く切り取ったり
はが ....
夕暮れの水位は
さざなみ
浅い胸に、さざなみ
空白で埋めたはずの
小さな画布が
素朴に満ちてゆく
海面に浮かぶ
危うい杭に
うずくまる鳥の
膨らませた羽から
零れる文字のやさし ....
シャボン玉のなかの、人気の無いシャッター通りを
くぐりながら、眠れない半分の顔は暗闇の書架を見上げた。
玩具の戦争が終わったら、地平線のうしろに隠してある
重油の山を売り払って、腹が裂け ....
白梅も微睡む夜明けに
あなたしか呼ばない呼びかたの、
わたしの名前が
幾度も鼓膜を揺さぶる
それは
何処か黄昏色を、
かなしみの予感を引き寄せるようで
嗚咽が止まらず
あなた、との ....
お前が汚れていくのなら
俺はお前の石鹸になってやる
お前のためにどんどん身を削ってやる
消えてしまいたいなんて言うな 俺が代わりに消えてやる
お前にとって俺は泡のような存在でもかまわないけど
....
父さん、殴れ
瓶がばかばか落ちている
どろっとした内容物は
ふくらんでいる
覗き込んでは
ぱんと破裂する
太鼓をたたく
父さん、殴れ
棒がぼろぼろ落ちている
虫がたくさん食っている
....
錆びた自転車がペダルをこぐたびに
ぎいぎいと耳障りな音を立てる
右足でライトを点ける
ぎいぎいの上に
ライトの点くぐんぐんとした音が加わる
太陽の出ている時間に外に出ていないと
....
ふゆの匂いがする
ほわり、
冬のお喋りをしよう
たくさんのきらきらするものが
眠たそうに待っているのは、きみの春
あの頃の小さな息吹が
ほわり、と手さぐりしながら
追いかけてくる ....
いつか大きくなったら
でっかいお城をたてるの
一日中パイの焼ける匂いがして
一日中パーティーをする
男の子は馬小屋に追い出しちゃう
きっと花束を持って戻ってくる
小さいお花の花束
そ ....
それは
砂糖一袋分の時間だという
いったい何のことだか
あなたの言うことは
時々なぞなぞみたいで
私にはよくわからなかった
息が苦しい
100対3で、塩の負け
なんの勝負だ ....
朝から起きられない
なんとか薬だけを飲み
また うとうとと眠る
昼近くに遅いブランチをとり
また夕方まで眠る
長い長い眠り
何日も何日も眠りの日々は続く
その眠りの中で
私 ....
「 いってきます 」
顔を覆う白い布を手に取り
もう瞳を開くことのない
祖母のきれいな顔に
一言を告げてから
玄関のドアを開き
七里ヶ浜へと続く
散歩日和の道を歩く
....
*
その声はとても高いところから来た
雲より発し、雨滴とともに地上へ降りてくる
その声にすこし遅れて雲が降りてくる
山肌を滑り降り、谷間を霧で充たす
立ちならぶ鉄塔が山肌を刺繍する
鉄 ....
オレンジ色の色鉛筆だけ
削るのはなんだか勿体無いから、
ピンクのコードとグリーンのヘドフォンを
水溶きしてキーボードに塗ろ(うそ)したら
バナナは皮だ、けみかるウォッシュの(ジーン)ズ
さか ....
野菜スープを
朝食と同じように,出す
雨は止み、妻帰り来る
夕食時
木曜日は絵を描く日
薔薇を四輪
妻にはまだ見せぬ
二人で外へ、傘をさす
雨の木曜日
木曜島という ....
物に感情移入してしまうのは
馬鹿げているのかもしれないけれど
その物に関わったひとの心は
つながっていると思う
あの自転車を見るたび
泣いてるようにしか見えないから
三年以上
電信柱に寄 ....
ぬっぺふほふ
脂身 から にゅるんと 手と
煮凍り から ぬらりんと 足が
新月の 夜道を ぺたりぺたり 歩いて
軒下の 薄明かりに ぐんにゃり うずくまる
こらあげん の 垂れ ....
悪戯がからだに忍び込む
その悪戯がうるさいのだよ
うるさいのは…なんというか
空を満たす透き通った布切れだとか
電気の波だとか
話し声
それらに押し流される私の意思
意思なんかカケラ ....
自転車に乗って
切り裂く無限がいとしい
風と共に過ぎ行く人の
寂しげな拒絶がいとしい
どこかへまっすぐに突き進んでいく
私のありあまる馬力がいとしい
どこかへ行き着くために ....
夜になったらねむくなるのはすてきだ
きもちいいだるい感じなんだ
もしイライラして空気がビリビリしているなら
そのささくれがしおれるのを待つことだ
ただそのささくれが治まらないなら
そ ....
アルミニウムの針を薄暗い雨の中に投げる
眠りから覚めようとせず朝のぬくもりを忘れる
無機質な生命線の上を滑り落ちて重なる偶然のパズル
淡々と過ごす日々自分の影にウィンク
すんだ空気を切り裂くよ ....
駅のホームに
四葉のクローバーのペンダントが
落ちていたので
思わず拾い、ポケットに入れた。
幸せというものが
一体何なのか・・・?
未だに僕は、わからない。
四葉 ....
遠い 遠い 空の 空の 下
あなたはどうしているのでしょうか
ただ胸にポカリと開いた穴から
静かにトウトウと流れ出していくようで
酩酊して
街の片隅のコンクリートで忘れ去 ....
1月1日や
2月14日や
12月24日が言いました
すいません特別っぽい日ですいません
わたしたちなんかがいるせいで
なんかちょっとしょんぼりさせてすいません
いいんです
普通の ....
ニッキー・クヮイェット
ひとこともしゃべらず
命綱
金槌で固定
僕たちの前世を占って
僕たちの明日を葬った
君が見つけた隠れ家に
僕をかくまおう
正義の定義
僕たちは
....
それはいったい
どんな
かたちなのだろう
まるみをおびた
それと
さきのとがった
それの
いまそこに
あるかのようにしてる
それも
かたちのあるものと
ないもの ....
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