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草のなかにレールをみつけた
錆びた鉄の平行な二本線が
弓なりに
ここから延びていた
または
この草のなかで
すっぱりと裁断されて尽きていた
あおぐらい記憶 ....
小豆色のバスに乗る
車体の気配があまりしないバスだった
既に乗っていた人たちは
みんな別々な方向を見ているのに
誰なのかよくわからない
信号待ちをしている間に
道端の枯れた草花 ....
* 肌色を 少し開けば ピンク色
人間って不思議ですよね
人間に限りませんが
外側と内側って 随分と違う
普段は見えない自分の中身
中身って言うと性格を連想しますけどね
体としての ....
人生には 中間地点と 中途半端な 時期が有る
大人か子供か 男か女か 真面目か不良か
孤独か天然か 生か死か 悪魔か天使か
二つの言葉を 思い付く度
相反したり 造反したりの 繰り返 ....
世界の果てに 椅子を二つ置いて
暮れつづける夕暮れと
明けつづける夜明けとのあいだで
いつまでも 話をしていよう
横はいりなんかしてないのに
ちゃんと並べと咎められたことがある
トラウマになってしまったのか
また文句言われてしまうのではとオドオドしてみたり
私って気が小さいのかな
それからは ....
・
午後四時
青の上から
橙や赤や紅色が
塗り重ねられてゆくのを見ながら
大急ぎでベランダのシーツを取り込む
あのうつくしい仕事をしている人が
どんな人だかは知らないが
時折
ゆるめ ....
{引用=
音源:http://youtu.be/-JXshprSPpg
}
原始、女性は太陽だったと
どっかのだれかがえらそに言った
今は女性は月なんだって
ひかりを集めてふわりと笑う ....
誰もいない国の
サッカー場の真ん中に
ボールがひとつ置かれている
誰もいないスタジアムから
歓声は上がることもなく
ボールは蹴られ
試合がはじまる
もちろんピッチには誰も ....
ショーウインドゥの中にはド素人の描いた
ローランサンの贋作が飾ってある
どんなに遠くから見ても錯覚すら起きない
紫と赤の花弁の中で白い少女が
脂蝋化の死体さながら微笑んでいる
車のフロントグ ....
午後 4時44分
見上げると
東の高く
薄い青空に
少し欠けた
白い月が
浮かんでいた
立春もとうに過ぎたのに
しばらく
引きこもっていた
たまっていた
所用 ....
わたしたち
もうこんなところまで
きてしまった
はるのおがわをおよぐ
こぶなのむれをみて
ひとりつぶやいている
かつてこぶなだったという
かくしょうはないけれど
み ....
うたうりゆうもしらずに
ぼくらはうまれた
うたうことが
うまれたりゆうであるかのように
マイクをわたされたけれど
うたうべきうたがみつからない
テレビのむこうには
か ....
耳を澄ますと何かが聞こえる
遠くで何かが聞こえる
近くで何かが聞こえる
透明な糸で繋がってる
たくさん繋がってる
たくさん{ルビ解=ほつ}れてる
辿れば辿るほど 道は険しくなるばか ....
こんなに手を伸ばしているのに
届かないままひそやかに
眠っている呼吸音
方々で
下駄箱の開いては閉じる音が
心臓の音に重なってまるで戦場
上履きが音をかき消していく
ブリキの下駄 ....
歯が折れた
親から
もらった歯だ
わたしは
気づかれないように
ちり紙にくるんで
ごみ箱に捨てた
まだ丈夫な歯だった
なぜ折れてしまったのだろう
歯だけなら
....
休日の昼下がり散歩道
いつも見てた筈なのに
見えてなかった景色達
空き地の小さな畑や
柱の影に隠れた古看板
見える物は 見る者の
速度で変わるのだろう
速く動けば彼方の物を
....
人生なんて冗談でしかないって
お偉い先生が言っていますが、
そんなことは地平線まで見える丘に立ちすくんでいる下々の者である僕らにはとんと実感がありません。
大きく言えば人生って今生きていることな ....
地図上の大部分はおだやかな晴れ
真ん中に私のこどもが立っている
雪が降って嬉しい、と言う
もやしを育てる
かびくさいキッチンは粘土のようにつめたい
つまり
息はしていなかったとおもう
....
私がよく行くインポート専門のブティックがある。
ショップ名は「armoire caprice」
(アーモワール・カプリス)
もしかしたら御記憶の方もいらっしゃるかもしれないが、
以前この現代詩 ....
男の子が欲しがる
それには
モザイクがかかってます
でも女の子には
ちゃんと見えてます
それを食べる
男の子の様子も
ほろ苦くて
とても甘い
それが心臓だったとは ....
「わたしのこころはサーモンピンク」
そのフレーズを見出したのは
確か「りぼん」誌上であった
もしかしたら「なかよし」だったかもしれないが
「少女コミック」や「プリンセス」や
「花とゆめ」 ....
亀のレストランに入った
亀たちが食事を楽しんでいた
メニューにあった
「亀肉のソテー○○○風」
(○○○が何であったかは失念)
を注文した
料理名の下には
不慮の事故で死んだ ....
気がつくと
インスタントラーメンを食べている
雪で 食材が底をついた
はい ラーメン
昼食 何にしよう
はい ラーメン
ちょっと 小腹が空いた
はい ラーメン ....
産んで下さい
増やして下さい
出生率は1%
私達は足りていません
後継ぎがいないと困ります
産めよ増やせよ
富国強兵
お国の為に尽くして下さい
....
怒りよ
悔しさよ
あたしの中に
ぐすぐすとくすぶっている
未開なるチカラに
火を点けよ
生まれたときからそうだった
双子は片割れと
比較される
両親の愛を
奪い合う
....
おひさまの光
たくさん 浴びて
今年もまた
たんぽぽの花が咲くよ
あげるものが何もなくて
慌てて摘んだ たんぽぽの花
最後にあたしがあげたもの
ねぇ
今年もたんぽぽが咲 ....
たしか死んだはずの父が
逆上がりをしている
たしかに死んだはずなのに
まるで昨日のことのように見える
うまくできないのだろう
年老いたからだでは
それでも負けず嫌いの父に
も ....
彼の名は確か太郎といった
そうではないかもしれない
宏だったかもしれない
武だったかもしれない
なんにせよ
平凡でいい名前だった
そんな気がする
彼は足が速かった
かけっこをすれば ....
ずっと受け取っていない郵便物がある。私はその中に何が記されているかしっている。
―タイミング
雲と雲とが重なる。煙と煙が混ざってゆく。
存在を認識していた人とやっと出会える瞬間があった。 ....
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