すべてのおすすめ
傷つくほどに赤は流れ
与えることなく緑は枯れて
見上げることを忘れ青は沈んだ
いろいろを手放しても透明は訪れず
白い紙に黒い文字を並べれば
溶け出した灰色に
埋もれ ....
牛乳を飲む
ジェームス・ディーンのように
世の中は甘くない
だから牛乳を飲む
アメリカのようなボトルの牛乳はないが
紙パックの牛乳でたくさんだ
....
煙る空の
灰の深く
空は、どこか深くに
航空機を押し殺している
その、灰色の腸の痛みが
低音部に、轟く
その下で
タンポポを
想像妊娠した人たちの衣服だけが
黄色 ....
しあわせ村の村長さんは
昨日のことをすぐに忘れる
村の人口は減少してるのに
新しい学校をつくり
新しい文化会館をつくり
そんなこともすぐに忘れて
今は道路をつくることに夢中だ
....
Blue Sky
僕らが愛と呼ぶもののすべてが真実でありますように
僕らの幸せが誰かの不幸のおかげでありませんように
僕らのパズルはこんがらがっていつまでも解けない
このまま解けな ....
煙が這っている
吸殻 だとか 灰 だとか
抜け殻 だとか カス だとか
置き去りにして
きれいに消えてみせる
そんなふうに居なくなるなんて
ずるい
ただただ ずるい
儚さだけを ....
深夜シフトのコンビニ店員は
今日も、自動ドアの向こうにいる
23時から8時まで
これ以上にないほどダサい
緑とオレンジのうわっぱりを着て
レジを打ったり、品出しをしたりする
とても、と ....
真っ白
頭の中
言葉になるだろうことが
あるはずだけど
たとえば
あなたを心から愛しているとか
あなたを心底、憎んでいるとか
でも
それは
「ヴィンテージカー専門ショップ ....
アンドロメダの人よ
時折、
喧騒が吹き過ぎた
ほんのつかの間に
あなたの姿が
淡く とどきます
ともすれば
見落としてしまいそうな
線は
星星をつなぎながら
のびて、の ....
なにか?
とあまりにも
涼し気に微笑む君
のせいで
僕はとりあえず
牛乳飲んで
落ち着こうと思う
確か僕は
君の肩に手をまわして
さりげない愛情と
そこからなにげなく続 ....
一
「柴又ぁ〜、柴又でございます」
京成の電車を降りて{ルビ瓦=かわら}屋根の駅を出ると
前方には旅に出てゆくとらさんの像が{ルビ凛=りん}と立ち
柴又の町を振り返り、みつめている
....
その道は
街灯の小さな明るみの中に
白く浮かび上がっていた
様々な思いが通り過ぎていった
その白い舞台の上を
今日は
消え残る足跡がひとつ
闇の中に後ずさる
風が
粉雪と共に ....
早朝フォーラムを開くと
17通の私信が届いていた
びっくりした
こんなことは初めてだった
うれしかった
選挙の当選者と似ているのではないかと思った
なかにはしょ ....
江ノ島の砂浜で、
少年だったわたしは、
父とカイトを、飛ばした。
父の、大きな背の、
後ろで空を見上げる。
埋まる足元と、手につく砂。
潮風に乗って、
黒い三角形のカイトは、
糸をはり ....
朝 起きてくると
窓越しに
遅く咲いた百合の花があって、
君はガラス越しにそれを見ていた
こちらを振り向くこともなく
台所では
しじみが口をあけてことりと音をたてる
僕は煙草 ....
風に吹かれ
アルミニューム
薄い地面の中に
突き刺さってみた
ボクいつも
抵抗ははかない
だので無抵抗主義で
砂埃に身体を浮かせ
ボクには光はまぶしく
いつのまにか
四角い部屋 ....
幼い頃に言葉を喰らいすぎたのだろう
ジャンキーであると気づいた時には遅かった
わたしのなかには茱萸の実に似たかたちのものが棲みついており
それが私を満たしがんじがらめにする
わたしは哀し ....
今朝テレビで観たけど
そっちはすごく寒いみたいだね
戦後最大級の寒波ですって
アナウンサーが興奮気味に喋ってたよ
いま戦争の真っ最中なのに
戦後だなんてなんだかおかしいな
ちょっと遅くなっ ....
川原を歩く
黒くてつややかな石を探す
びんぼうぐさ片手に、これは黒曜石だと騒ぎながら。
そんなはずはないのに
そんなはずはない、と
一番わかっている連中が、騒ぐ
これは黒曜石だと。
つや ....
覚えてる
迷ったときの指先のちょっとした仕草とか
暑い室内でむっと漂ってきた身体の匂いとか
正午、君がサイレンの口真似をすると
僕らは作業を中断して
いつも小さな昼食をとった
今日 ....
白の終わり
マラソンコースが変わった後も毎朝堤防まで走る
その道程の 掻き曇るどころじゃない
レモン臭い息たち
ゆずの終わり
できたばかりの新しい大きな橋が
デートスポット扱い ....
一年に一度だけ、
わたしと母は、海草をとりに、
江ノ島に向かう、
その途中に、枯れ木の門がある。
昔、「厚生病院」と呼ばれた場所の前を、
母の運転する車で通る。
信号待ちで、助手席から、
....
空を
どこまでも飛んでみるということを
振り返った視線の、端のほうの夢の中
ほんの少しの香りで、漂っている
今、この辺りで
いつのまにか、梯子がなくなっている
あの木の ....
しゃぼんだまふくおだやかな日
ベランダへと長い優しい風
息を 吹きこむ私、から私 を
駐車場一つ向こうの昼寝してるおじいさんにも
広場で太極拳してる団地のおばさんにも
公園で笑う子達にも ....
地へ
冷たい雨として
雪終えた空が
地へ
雪終えた空が
冷たい雨として
を
黄色く丸く
眺める
ショーウィンドウの
ウールの子供服の
釦
の方角、の ....
なんだか重いな寝苦しいなと思うと
大きなわけのわからない生き物が
胸にのっているんです
そんなことが毎日です。
ふうっと煙草の煙を吐いて
彼女はティーカップにくちびるを寄せ
とつぜん苦 ....
真昼の冬空
風は片っ端から雲に形を与えていたが
僕は言葉に出来ず 見つめる視線は気絶した
灰色が潰れた雲の上でジェット機が飛ぶ
ぼろぼろとなった空の鼓膜は 僕の声はおろか
トラクターの ....
花がさいたよ
どこか 風の中で
そんな声を聞いた
五月
娘はぼくの手を引いて
お歌をうたう
元気よく帰ろうね
屋根裏部屋には
消しゴムの標本があるって
かりふぉるにあおじさんが
声高々に自慢してた
その中に
砂消しもあるんやろかと
梯子に右手をかけると
親指がちょとだけ(約1cm)
....
娘が補助輪無しで
自転車に乗ることが出来るようになった
それは昨日のこと
最近左手がきかぬと
父がペットボトルの蓋を人に開けさせた
それは今朝のこと
僕は時のパズルと戯れながら ....
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