すべてのおすすめ
たてものの一番高いところから
真っ逆さまに飛び降りる
陽の光が足裏にあたって
全身が温かく包まれていく
下の方を見ると
あなたはすでに飛び降りている
足裏にちゃんと土踏まずがあ ....
豊かなくにの人々は選り好みをする
もともとは貧しかったものだから
それを遠い昔に捨てるため
それとともに
薄れてしまったものが在ることを気付きもせず
豊かなくにの人々は
ある気 ....
男女の蜜月は4年も続けば上出来で
後は想い出の時を刻んでいれば良い
社会的基盤がペアで行動する事を
定めてあるからか
結婚という契約は惰性というからくり
乗っかっていれば安心でらくち ....
海を眺望するために
首筋の汗をタオルで拭き、
どこまでも蝉の声に染まる山道を、
ふたり まだすこし歩く。
水気を含んだ草の色にさわぐ虫たち
土の匂いの蒸す、マテバシイの並木がつづくと
....
明日はホリデイ
自転車で全力疾走
後ろには彼女が
居眠りこいてオレにへばりつく
みせてやる 神の領域
ローリングサンダーツイスト・ロケンロール
おっぱいのふくらみが温かくて
とても幸せだ ....
ひかりをふところに浸す、
みどりのまるみが、いのちの数式を
一面につめこんだ、
萌え上がる、眠れる森に、鬱蒼と、
うすきみどりを染め上げて。
満たされた隙間を、みずいろの風が、繰り返し、
....
雨粒に濡れる蜘蛛の巣
行き交う車のワイパーは
静かに動いている
食べ残しのとうもろこしを卓に見
私は夏の訪れにについて
思いを巡らす
齢を重ねても
全く同じ夏は来ない
ただその ....
右腕には枷があった
ふと気付くと
左足にも 右足の薬指にも
枷があった
そっと噛むと
鉄の味がした
....
ラクダの描き方ばかり
練習しているので
わたしの動物園はいつも
鳴かないラクダで
いっぱいになってしまう
園内を一周する小さな乗り物に
お父さんがぽつり
乗っているのが見える
....
喘息
熱
白い天井
保健室
泣きたいけれど
泣けない身体
思い出す
風邪をひいて ベッドに横たわると
音だけもれてくる
清潔で淡い色合いのカーテンの壁
....
?.
ああ
オルテンシアがほんと楽しそうだ
あんなの日本語だとね、てんこ盛りって言うんだよ。
ひひ、てんこ盛りだって、おかしいね。
まあ、要するに、昨日の俺たちのパスタだ。あれが ....
さざなみが月を潤ませて
消してゆく二人の名前
ゆうなぎは心の糸まで
もつらせて切ってゆくのか
灯台も暮れ馴ずめば影にまみれ
境をなくす浜辺と海
こわれた砂の城に波が
さよならを塗 ....
{引用=一、くじらヶ丘
口に出してごらん
うるおい、と
その
やわらかな響きは
途方もなくひろい海の
すみからすみまで
満ち満ちてゆくようなものではない
干 ....
水が
光のように満ちる
その上に折鶴を浮かべ
はるかなその波紋を数える
いつか
鳥になろうと
思って
空飛ぶイメージトレーニングをしたら
低空飛行しかできない
雀になった夢を見た
いつか
遠泳をしようと
思って
目的地を探したら
そこは遠浅の海
....
青ざめて
心臓がドクドクする
そんな体験を
過去にもした
体は小さくて でも受け止めなきゃって
世界は広すぎて
反抗するだけ
無駄だった
今もそう
大人なのに
怖いものは怖くて ....
バスに小川が乗ってきた
どこにも流れることのできない小川は
だらしなく床に広がった
立っている人は足を濡らした
座っている人は足を濡らさないように
座席の上に膝を抱えた
大学病院
....
缶コーヒーを手の中で温めた
缶コーヒーを手の中で温めた
沸騰する前に プルトップをカシャッと開けて
ぬるい 缶コーヒーの液体を飲む
公園のベンチで飲む
頭の悪そうな子供らが駆けながら ....
じいちゃんが夕涼みしてる
静かに 静かに 黙って 黙って
ぼんやりと煙草を吸いながら
縁側の無くなった都会の隅で
ガードレールに座って
車道を眺めながら
時折道端の排水溝辺りから
....
空は青く澄んでいた
雲は白く大きかった
鳥は軽く自由だった
木々は柔らかくしなっていた
草花はたくましく美しかった
大地は遠く円くたいらだった
海は穏やかに荒々しく
....
女にふられたので、
祖国へ行って死のうと思った。
だが俺は日本人なので、
ここが祖国だった。
それはちょっと困るような気がした。
日本は大好きだが、
祖国は遠くになくてはならん。
日本の ....
海を見たことがなかった
見え隠れする光
あれがそうだ、と無骨な指で示された海は
たいして青くなかった、が
軽トラックが、ギシギシとカーブを曲がるたび
輝きを探して、車窓にしがみついた
....
約束だよ
毎日
ほんのちょっとでも
いいから
私のこと思い出して
できれば
あなたが誰かほかの
女の子と話す時
ちょんちょん、って
肩をつつく
そんな気配を感じてくれた ....
遼原に
かぜが吹いても
僕は魅惑する午睡である
泥炭の午後
巨大な軋れおとをたてて 目蓋があく
午睡である
鳥
は地平から近づく囀りの
沸き返りの
天秤の
朱のいのちは青銅 ....
低い雲が覆い隠す
放牧場のある丘には
みっつの風車が立っている
ぎゅおん、ぎゅおんと
海にむかって唸って
いるはずの刻
{ルビ霞=かすみ}のように薄い雲が
まわっている時間を
見えなく ....
僕の職場には黒猫さんがいた
黒猫さんの本当の名前は町田さんというのだけれど
何故だか誰もが黒猫さんと呼んでいた
僕はどうして黒猫さんが黒猫さんと呼ばれているのか知りたくて
社内の先輩た ....
あれほどの時間
費やして
あなたの
何を理解したのだろう
幾千の言葉
重なるくちびる
繰り返す夜明け
あなたという一個体に
内在する真実は
ついぞ私に
とどかなかった
....
初めて指輪を贈った人は
彼女ではなくて
母だった
『ビューティフル・リング』
僕は7歳で
母に連れられて
縁日の夜店を廻っていた
ふと
屋台に並んだ
ガラス玉の指 ....
空耳のどしゃぶり
ガード下にこだまする
立ち止まる黒猫の
瞳はブラックホール
目が合えば僕は
吸い込まれていく
夜を開く赤のカーテン
その向こうへ黒猫は走り出す
加 ....
今朝のおまえの目が
あんまり緑だから
どうしたって聞くと
やっぱり風邪だ
普段体調がいい時は
緑に茶色が散っている
水の底に見たブナ林のような
おまえの目
それが濃い緑に張 ....
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