すべてのおすすめ
線描画のような街
おびただしい数の
妖精めいた小さなものが
家々の窓から
わらわらと現れては
空に溶けていく
遠くから煙の匂いが流れてくる
人が消えるのは
こんな夕暮れだ

背が伸 ....
 雪が解けて木々がいっせいに芽吹く。地表の下は地下だ。すべてが地下だ。
湿った落葉が陽に照らされて、ゆっくりと乾燥していく。その下は陽の届かない
地下だ。 

 耳をすますと、小さな音が聞こえ ....
大人は判ってくれない
どうでもいいような深刻な悩みと
爆走するハートを抱えたまま俺たちは
夜の待つ街へといつもいつも
それには理由がある
夏の朝まだ明ける前に飛び出していくフルーツたちを
 ....
歩きつづけていればいつも風のなかにいられるのに
立ち止まればいつも後悔ばかりあふれ出す
そんな思いを振りはらいながら地下鉄の駅まで
強い日差しに照らされて歩く

明け方に見た夢のなかで傷つけ ....
夏草に息をつまらせながら
とぎれとぎれのたよりない光跡を追いかける
光跡は小さな流れに出会う
同じ場所で僕たちも出会った

滝のしぶきがかかる地下道を通り抜ける時
すれちがう幸せな記憶をた ....
はじまりがあって終わりがある
風が生まれる場所

猫がくしゃみをする
風が生まれる

かもめが羽ばたく
風が生まれる

君がためいきをつく
風が生まれる

彼女がまばたきする
 ....
二十一時 十月最後の木曜日
初夏のように澄んだ夜
湖面に映るオレンジ色の灯火は
一列に波紋にふるえ
果てしなく星へと続く道でした

サクリファイス 山と渓谷
地上にて想う
アス ....
草原をバトルフィールドに見立て
匍匐前進が一時間以上続いている
周囲から仲間たちの気配も薄まり
冷たい月と数えきれない星々の下

体重の半分近い装備を背負い
身長ほどの銃身を両腕で抱え
 ....
彼や彼らが死んで
しばらく経ってから
君は埋葬する
そして理解する
人は死んでも星になんかならない
人は死んだら死体になる
そして記憶になり
いずれ忘れ去られる
埋葬される者はまだ幸運 ....
俺たちはもうそんなに遠くへは行くことができない
俺たちにはもうそんなに力が残ってはいないし
それにもうじゅうぶん遠くまで来てしまったから

石段を降りた水面の高さから
今度は二段昇った水の上 ....
世界は二頭の象が支える巨大な円盤ではなく
真空に浮かぶ球体にかろうじて貼りついている
ざらざらとした薄い膜に過ぎない
と知った日から君は
旅に出る必要がなくなってしまった
それなのに
果て ....
*
ぬくい雨とつめたい雨が交互に降る
六月とジューンのあいだの青い溝
雨が上がった朝
夏至の朝、光について考える

前を歩く女が引く
空のキャリーバッグのキャスター音が低く響く道
その ....
*
その声はとても高いところから来た
雲より発し、雨滴とともに地上へ降りてくる
その声にすこし遅れて雲が降りてくる
山肌を滑り降り、谷間を霧で充たす

立ちならぶ鉄塔が山肌を刺繍する
鉄 ....
 出会ったのは夏のこと。それから、秋になるまで歩きつづけた。何も持たずに僕らは歩いた。夕暮れから夜になるまで。砂を踏む足音はやがて、乾いた枯葉色に染まっていった。 

 荷物を持たずに歩く僕ら。足 ....
都バスの中から見ている
外はみぞれまじりの雨(とても寒い)
信号で止まるたびにエンストしている
86番のバスは日本橋三越行き
いつも右側の席
東京タワーがよく見えるから
その輪郭はあまりに ....
 加速中の一歩は、減速中の一歩よりはるかに重い。忘れることはたやすいが、思い出すことは更に容易だ。
 地下鉄を歩く。 

 離島をイメージする。
 ほぼ真円、全周三キロメートル、最高標高百メー ....
POETRY CALENDAR TOKYOは、詩や小説の朗読会やワークショップのスケジュールを掲載しているフリーペーパーです。2000年9月創刊、隔月で1万部印刷し、都内を中心に書店、CD店、映画館な ....
あおばさんのカワグチタケシさんおすすめリスト(17)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
線描画のような街- カワグチ ...自由詩315-10-24
森を出る- カワグチ ...自由詩215-5-23
ANGELIC__CONVERSATIONS- カワグチ ...自由詩314-3-14
新しい感情- カワグチ ...自由詩613-11-30
- カワグチ ...自由詩613-6-29
風の生まれる場所- カワグチ ...自由詩513-1-30
山と渓谷- カワグチ ...自由詩212-10-19
星月夜- カワグチ ...自由詩411-10-14
Doors_close_soon_after_the_mel ...- カワグチ ...自由詩1911-3-13
水の上の透明な駅- カワグチ ...自由詩1110-8-22
無題(世界は二頭の象が〜)- カワグチ ...自由詩1210-2-11
ガーデニア_Co.- カワグチ ...自由詩609-10-12
- カワグチ ...自由詩609-1-24
無題(出会ったのは夏のこと〜)- カワグチ ...自由詩507-10-14
クリスマス後の世界- カワグチ ...自由詩506-1-29
離島/地下鉄を歩く- カワグチ ...自由詩6*05-4-17
POETRY_CALENDAR_TOKYO_特集記事アーカイ ...- カワグチ ...おすすめリ ...804-11-21

Home
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する