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麦色の夕方に
夏は死んだ
その致死量の傷口をさらに広げるため
強い風が吹く
夏の屍骸
それは輝くことのなくなった横断歩道の上に
反射することのなくなった水たまりの中に
横たわっている
....
七月の雨、
アルバイトの休日、
自らの髪をかきあげる。
爪から指の間に、流れる。
部屋には、青い光の点滅がある。
わずかに開けた窓からは、水の音がする。
身体を曲げて、寝返りをうつ。
手 ....
絡まった糸を ほどこうと
深夜の疎水沿いを 静かに歩いた
流れていたのは川
流れていたのは星
流れていたのは時
流れていたのは涙
流されていたのは 僕
見上 ....
少しだけ、冷たい風が吹いてきたのは
とても遠い場所からだった
人はいなくなる、ということが出来るらしい
世界はいつも通りに明るくて
僕らは同じように電車に乗り込む
乗り継ぎ駅で世界が追い ....
夜、
白い、
薬局の袋を、
脇のテーブルに置き、
ベッドで、
眼鏡をかけて、
サティのピアノ曲を、
BGMに、
月が映し出される、
ビデオを観る。
海の、
おだやかな波を、
....
わたしは みにくい獣だ
鋭利な刃物を知っている
(わたしの爪はいつも)
鋭利な言葉を知っている
(やわらかな皮膚だけを)
鋭利な視線を知っている
(傷つける)
みよう ....
真っ白なキャンパスは
昼にはご機嫌だったのに
夜になると ぐれていた
何か話しかけて
寂しさを埋めてもらおうとしたのに
口も聞いてくれません
たぶん キャンパス ....
振り返れば
手の届きそうで届かない
「昨日」
に責任の全てを背負うかのように立っていた両足を崩して
独り誰からもかばわれることなく
地に身を伏せている私がいた
幻想の友情に終止符が打た ....
くにゃ
腕を預けておいた小さな棚がくたびれた
おおい、私のことは置いていくの
ストラップシューズのあいだから水玉の靴下をのぞかせ
のぞかせして今日も公園へ寄り道
はとを従えて行進 ....
夕飯を食べたあと
タバコを吸っていると
ささと風がふいた
まぼろしにささやきかけたように
近くでおんながくしゃみした
僕の物思いの雨の中を
通りすぎた
あれら透明な命はなんだった ....
あなたを 美しいと 思った 秋の日
秋の日
あなたは ものごとを わたしの肉に
染み込ますように わたしを 叱るのでした
わたしは 朝露を 飲むように
あなたを 識る
遠くに 近く ....
赤錆の目立つ時刻表のバス停に立ち
来るか来ないかの
微妙な時刻にバスを待ってみた
進路の前にバスは無い
順路の後ろに気配も無い
行く先も馴染みの無い駅の
名前の書かれた ....
季節はずれの花粉のせいなのだと
説明する僕のことを
受話器のむこうで
君がくすくすと笑っている
きのう雨の中でけんかして
雨なのか涙なのかわからなく濡れたふたりが
いまはこうして傘 ....
駅
プラットホームの端っこで
小さく手を振る人がいる
今
動き出す列車の背中には
きっと誰かの
そう
見送る視線のその先には
きっとそんな
夏の終わりが ....
天神で評判のラーメン屋でとんこつラーメンを2杯食い
満たされた腹をふくらませて夜の{ルビ那珂川=なかがわ}沿いを歩いていたら
遠くに並ぶ屋台のぼんやりとした明かりが見えてきた
橋の傍らにひっ ....
越前海月 VS 越前蟹
そもそも彼らに戦う気など、ないだろう。
…でも、仮に、もし仮に、戦ったとしたら、
べしゃ。
じゃきーん。
互角かも。
さらに合体 ....
パコパコと言う
それは変の支柱
何故
ならば刃先の出すぎた折れ
ラガ積み上げた運
ページの階段に
キーンと宙を舞い
クルクル
落ちる 光る
フォークリフトの爪が ....
ある時、何にもしない時期が
けっこう長い間、続いてしまって
ヤバイ、金がなくなる、と思って
バイトすることにした
別に
不景気だったし
フリーターとかニートとか
いろいろ社会問題とか ....
毎年几帳面に
庭で鳴く虫たちも
ただ手をつくねているのではなく
住みよいほうへ
住みよいほうへ
移動しながら
運を天にまかせて
鳴いているのだろう
こんな十五夜の晩には
月のおもてを みがいたのは
ウサギではありません
神さまに供える詩を たべてしまい
途方にくれているのも
ウサギではありません
いつまでも
置き忘れられたような
宿題のような生活だ
いつまでも焦っている
逃げるように眠る
鳩が鳴いている
静かにメスを入れられる時間
過去はえぐりだされた
歌います
感情 ....
H
\
ながれるべきものたち ながれ
そよぐべきものたち そよぎ
ひかるべきものたち ひかり
うたうべきものたち うたい
H
\
....
眠れない夜は 僕は数を数える
友達の数 幸せの数 苦悩の数 罪の数
とどまる事を知らない 僕の心の渦潮は
紫の夜の中で 体温を上げてゆく
何もしらない 恋人は不思 ....
もう一度
その無数の紅く小さい花々を闇に咲かせたシャツの下に
酔って赤らんだ白い背中で
僕に{ルビ凭=もた}れてくれないか
なぜ
君の背中のぬくもりを
もっと素直に感じなかっ ....
ねぇ見て 不思議よね
こんなにちっちゃいのに
ちゃんと爪もあるのよ と
満ち足りた母親の顔で彼女は
小さなこぶしをを開いて見せる
アキアカネが飛び交う夕暮れに
生まれたから 茜
はい ....
泣きながら
見上げた雲は果てしなく
二人の影を映してる
空の青さが辛い日は
君のために歌を歌おう
さよならと
微笑む君の細い肩
翼が生えているようで
....
夜空にはウシが瞬いていた
草原では干しが干からびていた
もう一つ出まかせを言おう
この袋には伝えきれないほどの
星が詰まっている
飛行船のように女は笑った
銀版をおおった北斗七星はちいさくまるくよぞらにひかっていた。この光景を誰かとみたかったろう。おそらくせかいが終わるころはじまる頃あなたとあのとむそーやのように屋根であなたとみたかったそういやはっくるべ ....
パーティーは散々だった
おやすみ、のあいさつの方角へと
だいだい色のシロップが
ゆっくりと流れて
しだいに
粘性を増してゆく、
夜の
水の底で ゆうべ、まき散らされて
わたし ....
こんこんこん。
と、
扉がいったので。
とんとんとん。
と、
返しました。
外に出る。
と、
誰もいませんでした。
....
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