なんとかかんとか
りこ

梅の散る季節にも触れないで
びんの底にひとりよがりを沈める
こうして漬けておけばと月日が過ぎてゆく
手に入らないもどかしさに
焦がれてほんとうは気づき、身勝手に苦しむ
おんなだとかおとこだとか
付きまとう性別に応えきれない
わたしの震える声帯
伝わって、
膝を折るポーズ
あなたを思うだとか、
割りに合わない思想

単純なつくりをしているせいで面倒くさい
おんなというかたち
おとこというかたち

わたしにはない
身につけたくとも
割りに合わない曲線
丸みを帯びたおんならしさ
たぐり寄せてもたどり着かないやわらかさ
たまらなく欲しいと思う

内緒の思想を展開させて
割に合わないうたを口ずさむ
片思いとかなんとかかんとか


自由詩 なんとかかんとか Copyright りこ 2014-03-24 22:59:52
notebook Home 戻る