すべてのおすすめ
桃源郷に誘われて行ったら
そこには何もなくて困った
二人で顔を見合わせて困った
帰りの車内が気まずかった
雑踏を行くと
路上で演技をする人を見かけることがある
今日は渋谷で
黒人がドラムを叩いていた
バスドラの前に置かれた
あれは何だったか
脱衣カゴのような目の粗い ....
紅い花は枯れてゆく
いつまでも咲いて
いたかった
けれど
夏の匂いは空のなか
夏の匂いは夢のなか
葵い双葉はどこまでものびてゆく
枯れてゆくこと
など
....
彼女は染みだらけのバナナっす
こりゃもう駄目かな
いやいや
そんくらいの時期が
かえって一番いいもんなんすよ
シュールレアリスムは嫌いっす
けどダリの時計みたいな裸婦 ....
いつか今を笑えますように
いつか光が射しますように
その光が本物でありますように
どこまでも誠実でありますように
絶え間ない雨が静けさと共にやってきて
見下ろす街路を濡らしていた。
ガス灯は霧にかすみ
木々は風にゆれていた。
音もなくわたしは窓に触れ
祈りの言葉をそっと呟いた。
ストーブの薬缶がコ ....
街角ごとに違う風が吹いている
蜃気楼の街灯をぼうっとひらめかせて
サーカスが来るまでに子供たちはベッドへ
サーカスが来るまでは子供たちもベッドへ
どこからたどり着いたのか知らないが
気が ....
なぞはすべて解ける
だが振り出しに戻っているのが気に食わない
俺は宇宙が気に食わない
人間と宇宙の関係のあり方が気に食わない
宇宙ったって
何なんだ?
星が動いてるだけだろ
ほとんどは空 ....
いくつもの音階なのだ
テーブルの上にある 声は
落とされていくその言葉として聞かされた
その言葉として そこで 転がった
言葉の響きを聞いた
テーブルの上にいた 僕は
今はもうすでにな ....
頭の周りの何処かで 蒸気機関のクランクが回り出して
ぼくの記憶を巻き上げる
だから
虫が泣いていると感じるのかい?
眉間の奥の小さな場所で読取った 過去の懐かしさに? こじつけて?
....
篠突く雨の肌寒い日を過ぎて
惨い風に揺さぶられては砌を過ごし、
未だ、未だ幾日かの――
いつとも知れぬ散りぎわを
華やかな夜の影に埋もれ
ふたたび音もなく舞う、桜吹雪
いつか濃い朝靄に ....
カニの甲羅に
雪が降り積もる
ブランコは揺れる
誰かの言葉の
力を借りて
食べ飽きてしまったね
紙の形は
自分の目を覗き込むと
動いている人の
背中が見える ....
国境には
別に線など引かれてはいない
インドとネパールには
ただ歓迎のゲートがあった
トルコとギリシャには
白くほこり立つ
コンクリートの橋があった
....
平淡な 板上の 安定した 金属の 丸い 群れ
平淡な 板上の 安定した 金属の 丸い 群れ
平淡な 板上の 安定した 金属の 丸い 群れ
平淡な 板上の 安定した 金属の 丸い 群れ ....
喫煙ルームから猛スピードですぎてゆく町並みを見つめていたら町がミニチュアのようになっていた
いきものたちのいないのどかな光景だ
シートに戻って車窓から町を見つめてみても町はミニチュアのよう ....
本が友達
知識が恋人
聖書が先生
それしか私には
残されていない。
仕事は生きがい
もう自然とも別れ
散歩で見る花が彼女
食事は生きがい
砂の柱を
鳥は巡る
灰の声 遠い
雨の光
空に倒れ
曇は起ち
飛沫は器
唱うものの目
わたしは横たわり
あなたは横たわる
草になる日が
またひ ....
ミニバラ、カスミソウ、トルコキキョウ
ある揺らぎが産み落とされた、
この日
このよく晴れた日をふちどる、
あざやかな
あざやかな
モノクロの葬列
/今日も大量の薬を飲む。てのひらから ....
あ
声にならないひとこと
君はテーブルに突っ伏す
修学旅行で撮った百数十枚の
写真をテレビに映して
得意げに/楽しげに
拡大したり縮小したりして
鑑賞していた時のことだった
....
習ったばかりのルートの記号を
少年はノートに書きました
丁寧に書いていたはずなのに
最後に記号は壊れてしまいました
わずかな隙間から覗き込むと
自分が幼少時を過ごした町の海が見え ....
またぞろ、首都に恐竜の骨が現れた。
しかも泡の抜け殻で
唸りを上げて
ブロントザウルスの首の骨は
子供達の学んだ校舎を
子供達の遊んだ公園を
今は髭の生えている
今は化粧の香 ....
阿呆が口をあけてひと言「お豆まめまめ
泣けてくる ああ 涙なみだの足の裏」
大きい立派な屁をこいて鼻くそ耳くそほ
じって湯冷め、うんとこどっこい坂道を
声を出 ....
南西
紅い沼
ヴェントリン
秋色
誰かの禁断症状
不潔な針
バスタブの汚れ
落葉色の血
アスピリン
惨酷な唯識論
震える轍
美
シリンダーヘッド ....
嵐の夜である 怒号のごとき轟音をおかし、風神が迫ってくる
木々はざわめき 雨粒が塵界を激しく撃つ
石が転がる トタンが舞う 風見鶏が忙しくはばたく
血気はだえに迫るいきおい
カンカンカンカ ....
上京してまもない
夏のあるひ
一夜を共にした男性に
マルボロに火をつけたとき
背中でポツリと言われた
付き合う?
うれしかったのに
あぁ、その気なかったのかとその時気がついて
....
夢の世界は
無くなったのかもしれない港に
言葉の存在を追い求めた つぶやき
水の粒たちだった
暗闇のひとつすらなく
思いを似通う声などなかった
そうではなく
それは 人の体などで ....
君の目に写るのは
赤い満月か
蒼く光る新月か
目に写る
それは大抵見えている
目に写らない
それも
昨日わたしは恋をした
日没の背に
その向こうにある
朝の胸に ....
桜が大勢で騒いだので
その周りで年寄りがころびました
電車もゆっくりめに走っています
窓の中の人もみています
新入生も新入社員も研修で
桜の中にはいってゆきます
どうしたら花になれるか ....
やさしいひとの
やさしくあろうと
どりょくしているひとの
たましいにふれた
それはなにより
やわらくて
ここちいい
しごとができるとか
くちがうまいとか
おかねがある ....
自分は土井晩翠の「星落秋風五丈原」を全文暗誦できるんだけど、文中に「蛮触二邦 角の上」と出てくるので、カタツムリを思い浮かべるのだが、カタツムリは常に粘液ばかり出していて恥ずかしくないのかと思う。 ....
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