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ざつざつと
黙々と
私達が進んでゆく山の頂
....
どこ
外の風も
とおり抜けていくんだ
かすめとっていく世界を
どこ
見えない空を
盲目で描く絵の具はまっしろで
飛んでいく京都のアパート
ここ。
高速道路のうえに月が照っている
喫茶店なんかもうやってないだろう
コンビニでホットを買って
クルマんなかでじぶんを愛してみよう
光があたっているだけなのに
光のかたち ....
久々に実家に帰省したのだった
父は朝と晩にサプリメントを大量に噛んでいた
母は髪が抜けて
いよいよレディースアートネイチャーが必要なのかもしれなかった
「おめ、売れでんのか」
父が言 ....
誰かを踏み台にするなんてこと
あの頃の俺は考えもしなかった
「誰にも縛られないし
誰も縛らない。」
尻の青いロックンローラーの常套句を
恥ずかしげもなく仲間に話したっけ
時は流れ
....
九月のグライド
青過ぎる空と
落とされたアラベスク
耳を塞ぎ
瞼、閉ざして
聴いていたのは
それだけ
私が殺した父母の名は
何度も産み直そうとした起源
月が満ち止め木が外れ流れ出す
無数の零の残骸
反芻する昨日の
無限に続く今日の
家族を殺して先へ先へと
何者にも成れぬまま
アプリ ....
大海原を望む丘の上。
さらさらとそよぐ風に吹かれて。
耳をすませば聞こえてきます。
波の音。海鳥の声。風のささやき。
幸せを感じる一時は思いがけずやってくる。
思いがけずやっ ....
誰もしあわせにしなかったが
わりと多くの人間を不幸にした場合
世の中への影響力という点で
まさる
おばあさんがだんごをなくして
穴の中へころがしたばあい
中から鬼が出てきて
勧善懲悪 ....
愛人を入れ替えて 同棲中だった 近所で
弟一人の時間など いやになる
息子と娘は遊び場に出かけていた
いつもひとり考えあぐねている
その情報を たどる
嵐の中で病気がちだったが
娘 ....
えら呼吸の真夜中が
あぶくを出して歪んでいる
行き先を決めてなかった足が
交差点前で立ち止まってる
ひとしきり吹いたさみしい風も
許せるくらいになれたらいいね、と
そんな台詞を路地裏に ....
この子誰の子
気になる子
見たこともない子ですから
見たこともない人の子なのでしょう
「ちょっと、あんた!なに無責任なこと言ってんのよ!
この子は、紛れもなく、あんたの子よ!
(気 ....
ぼくはこどもの老人ホームみたいなところにいた
親と暮らせないこどもは
この世に多いような気もしていたし
周りがそんなふうな子ばかりだったから
そう思っていたのかも知れない
....
ベランダで
入道雲に向かって
指揮棒を振るおかあさん
白いシャツはヴァイオリン
大きいシーツはティンパニー
弟のズボンがフルートで
私のワンピはトランペット
晴れた日の
洗濯物 ....
ひもとくこと
ひもとくことを おぼえよう
ねこのみみ鳴り
蜘蛛の巣のひかり
淡くて せつない
綿菓子のような
こはるびよりの
あさひを浴びて
わたしのしっぽは
大きくふれる
幹をい ....
窓辺からずっと虫の音がしていた
部屋をくらくしてそれを聴いている
目を閉じているのか
目を暗やみに開いているのか
もうわからなくなるくらい
虫の音につつまれていた
....
学校のかえり道
キミはいつも
あたしに
宿題をだした
それは
2次関数だったり
パズルだったり
次までにがんばって
キミはいつも
白い歯をみせて云う
理数系の苦手 ....
あと何分
同じ事 話し続けるんだろう
向かい合わせで
喋るなんて
テーブルを発明した人はデリカシーが足りない
雨に叩かれる窓
明かりが強すぎる店内
雑然と
雑念が
入り交じる ....
かみひこうき とんだ
ゾウをのせて とんだ
キリンのくびに ひっかかり
かきひこうき おっこちた
ゾウはキリンの つののうえ
ノッポのしいくいんも とどきやしない
+
....
*
面影に
蝋燭が淡く
拾う貝殻は
潮に消された
砂浜にねむる白ユリ
風に剥がされ
おちた
化粧箱の螺鈿
あなたは
アルバムのなかで微笑む
ちぎれた月の真珠
少 ....
よこむきになって
泣いていたら
右目のなみだが
左目にはいって
はんぶん魚で
おぼれていました
どうしようもないことばかり口にしてしまう
虫の声さえ聞こえない熱帯夜
最終電車もとっくに過ぎていってしまったのに
私は今夜も寝付けずに
見えない星を探しながら考えてしまう
私はこの世に生まれ ....
あかい血だ
血は
いう
生きている
おまえは
生きているのだと
生きてる・・・
まだ
いきている
あたしは
血を流している
カラダじゅうから
あたた ....
臨月でお腹の大きい妻が呼んでいる。
僕はいつもの公園で二日酔いの頭を抱えながら、
三歳の息子と遊んでいる。
繰り返し繰り返し
同じ砂山を作っては壊し作っては壊し、
何回作っても彼の作 ....
こわがらないで、どうか
時代がどんなに残酷で 悲惨で
心を破滅させるものであったとしても
きみにはいつだって、辿りうる帰途があるね
ここに、き ....
高速バスに揺られて
レモンチューハイをお前は口に含んだ
すぐに
朝焼けみたいに
お前の喉元から顔にかけてが
赤く
紅をさしたみたいになった
「まるで祭りの御稚児さんだ」と僕が笑うと
「 ....
朝五時になれば
二階の廊下を軋ませて
起きていた
早起きの父が
祭壇の裏でまだ寝ている
ひさしぶりに
子吉川に
鯉釣りに連れていって
父に話しかけても
眠ったまま
....
坂のある街は
景色の綺麗なところが
多い
シアトルもそう
リアス式海岸があり
流木が流れ
ちょっとフリーウェイを
車で走れば
そこは
緑に埋もれる
森また森
高台の高 ....
1、
夜は
君をこわがらせないように
ゆっくりと夜になっていく
君は
君をこわがらせないように
ゆっくりと老いていく
2、
しろいくもに
しろいペンキがついている
....
あなたが噛んだ
アソコが痛い
あの日の夜の
行為の結果
小指ほどの
アソコがまだ痛い
テクニックのひとつと
軽く噛んだにしても
尖った犬歯ではだめだって
あれほど言ったのに
....
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