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きょうそとは
キンモクセイの匂いしている
それだけが湿気のように
こすれあう肌が
お花屋さんの冷蔵室の匂いだ
植物みたいな悲しみに
ふたりはじゃれあい
た ....
苔生した石の階段を滑らないように注意しながら、八月の名残にべっとりと濡れた九月初旬の山道を僕らは登り続けていた。装着して三ヶ月になる義足の感触にも君はずいぶん慣れてきたみたいで、隙を見つけては ....
いつまでも泣いたり笑ったり出来るよう
二人で一緒になったはずなのですが
歳月と私の怠惰のため
君の目許には苦労の色が溜まり続け
随分と皺が多くなっているようです。
それでもとても奇麗だと
....
ヒグラシが鳴き始めた
雨は降ったり、降らなかったり
時々、知らなかったり
フラスコ売りの兄は
すべてのキャベツを刻み終えると
沈まない潜水艦に乗って
埼玉に帰っていった
....
メゾピアノから入る旋律を
僕はとても気に入っていたんだけど
どうしてもイメージ通りに弾けなくて
いつも最後には
鍵盤をぶっきらぼうに掃除しあと
それでも静かに蓋を閉めた
あのころ優しく ....
恋人よ
ぼくはすぐ立つ
スケスケのパンティ見れば
ダークな街の
アダルトショップで
君への贈りもののパンティ
探す、探すつもりだ
いいえ
あなた
私は欲しいパンティはないのよ
....
嘘をついてはいけません
命の尊さを知りましょう
他人を悲しませてはいけません
人権を守りましょう
復唱
復唱しろ
テレビ新聞政治家おまえもか評論家
嘘をついてはいけません
....
る の形の漏斗へと滑り落ちていくように
ぼくは明るい駅へと吸い込まれる
窓に青蛙が張り付く
濡れた松葉が張り付く
滲むいくつかの家の灯りが
黒い木立に十字を掛けて
すいと横に流れたかと見る ....
はじめて
おそらに
なりたい って
おもったの
そうしたら
みんなに
あいされると
おもって
だから
おそらに
なりたい
思うことの全ては
何も語られてはいない
きっと この街の中で
目にしてきたものとして
*
私が 捨てた夢を
人が通り過ぎていく
遠くに見えた横断歩道から
一体どこに向かうのだろ ....
悪くなったアイスコーヒーみたいな街の小さな川で
潰れた空缶が溺死している
ずっと昔のことを思い出す
買ってもらったばかりの
ソフトビニール人形をバラバラにして似たような川に捨て ....
冬は冬に臥せ
川を見る
灰のうしろ足に咲く
花を見る
滴を追いかける
滴の靴
一閃の
緑の爪
光は光を踏みしめる
氷の上に燃える青
海へ海へむかう道 ....
ちか頃では
傷ついたほうが
えらいので
みんなずたずた
わたしは
Tシャツに
「まんこ野郎」
と
プリントして
まちをあるく
(猫)
おれが歩き始めた港町
鴎が去って、鴉だけがうようよいる
古臭い歌しか唄わない詩人たちが
古臭いことこそ正しいことだと
言わんばかりにおれたちの居場所で寛いでいやがる。
....
失ったものはあまりにも大きい
そう 俺は気づいていた
ニューヨークの薄暗い地下鉄にもたれながら
いつも 俺は 思っていた
きっと帰るべき場所があったはずだった
終わりのない連日の度重なる ....
ぼくはずっと、
ぼくという人間が、夢見たことや、
苦しみが報われたり、
いつか救われたいと願うことが、
すべて、
恋愛によって明らかになるものだと、
信じてきたようなところがある。
....
今回、日本エロジジー党代表選に
立候補いたしました
道玄坂源一郎です
チェリーボーイです
好きなお酒は芋焼酎です
私、道玄坂源一郎はその名の通り
茨城県は坂東市で生まれました
別名、 ....
押入れに入れられて
もうずいぶん長くなる
ときどき遊びに来るねずみに
爪をかじらせてやったり
みかんを潰したりしているうちに
骨の浮いた老婆になってしまった
これではいけないと思う
これ ....
パスタは絶対にフォークとスプーンで食え
ワンスプーンの上にくるくる巻いたらそれがルール
それが一口の定義だ
....
世界中の猫飼いのために四つ足でにゃあとなくいきものたち
世界の不手際なんてお構いなしでにゃあとなくいきものたち
いきものたちはごはんをたべる
いきものたちはひざのうえでねむる
いきもの ....
今日買った命の類の幾つかを
家計簿に記入し冷蔵庫にしまい込んだ
冷蔵庫の中には
買い置きしていた命の類がまだ残ってはいるが
あっという間に日替わりするから
大安売りの命の類であっても
家計 ....
また朝が巡ってきて
僕らは波打つシーツの海から
再び生まれる
自分が何者か知ることもない一瞬が
シルル紀の珊瑚虫の記憶から始まって
母の乳房の感触まで辿ってゆき
白く洗い清められた光が
....
ある日あなたは月だった
僕は宇宙飛行士になった
ある日あなたは歯車だった
僕はそっと時計をばらした
ある日あなたは数式だった
僕はチョークを折りまくった
ある日あなたは風だった ....
フォッフォッフォッフォッ
ワタシはデマゴギー星人だ
地球の子供たちに誤った情報を与え
混乱しているうちに
この星を征服してしまうのだ
フォッフォッフォッフォッ
子供たちよ
よく聞くがいい ....
水か影かわからぬものが
器の底を囲んでいる
円の一部を
喰んでいる
またいつか会おう
会うより速い別れを
くりかえし
くりかえし
見えると見えないのはざ ....
午前中 遠くから響くから
苦にはならない掘削機の音
午後になって 近くで聞くから
苦になる草刈機のうなり
距離をおくのは いいもんだ
なにごとも・・・・・
昼めしまえ ....
この詩を読もうとしてくだっているかたに はじめに 申し上げておきます。
この詩には 少女の自殺がモチーフとして 扱われております。
そのような内容のものは、精神的に負担がかかるという自覚のある方は ....
乾いた笑い声
抜けたままのプラグ
真っ昼間、踏切の側で
女は胸に手を当てている
子供達が足跡を消して走っていく
夕暮れ、街灯の側で
老婆は胸に手を当てている
黙っているけどみんな ....
きれいな指でしごかれても
立たなかったよ
その唇にも
その胸にも
反応しなかったのさ
(ひょっとしたら足なら・・・
いや、ワキなら・・・でも、それは言えない)
こんなにステキなレディが ....
目の前のあなたは
私の目を見ることもなく
その場しのぎの空気を纏う
息苦しさから逃れるため
私は砂糖が溶けるように
問い詰める
問い詰める
問い詰める
馴れ合いから逃れるため ....
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