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大仏のある
奈良東大寺本堂
入り口に
その大仏を
護るように立つ
木彫りの像一体
これが
今から
およそ1500年前に
オスカープロモーションによって
半ば強引に作られたと ....
父の母が亡くなり
その後しばらくして
父の兄が亡くなった時
父がぽつりと言った
「今度は俺の番だな」
その順番の通り
父は亡くなった
四十九日が過ぎた時
母がぽつりと言った
....
俺が検査技師なら
左腰を浮かせて
そのまま一回転して
もう一回転して
更にもう一回転してみて
はい、最後に
ワンって言って
って
ゼッテー
考えてるから
おまえの
言 ....
{引用=
御控えなすって
御控えなすって くださいませ
さっそく御控えくださり ありがとさんで ございます
軒下三寸 液晶一面 借り受けまして
失礼さんに ございます ....
信号を渡る時
音楽もなく思いついた言葉
色彩の間をはね回る人間たちのシルエット
恋愛は駆け引きなのか
しかし誰もが心の底では純粋でありたいから
一夜限りの朝を過ごすのだろう
僕も衝動に ....
{引用=―M・T君に―}
「てんぎゅうをとりにいこう」
きみがそう言った夏休みに
ぼくらは残忍なハンターになる
もくもくと青空に湧く入道雲
稚魚の群れが回遊する島の海を
ぼくら ....
五月のまんなかにライオンがいる
銀のたてがみが揺れている
ライオンのまわりを
光と風と緑のチルドレンが
回る回る 幾重にも回る
ライオンは深い瞳だ
そして静かに微笑んでいる
....
知らん間にこわがりになってもうてたわ
しゃぁないやんって、言うてぇや
なぁ、なぁ、言うてぇや
シロブタ!バシッ
ぶひーっ
シロブタ!バシッ
ぶひーっ
シロブタ!バシッ
ぶ、ぶひーっ
シロブタ!バシッ
ぶひーっ
シロブタ!バシッ
ぶひーっ
シロブタ!バシッ
ぶひーっ
この ....
・
夏のはじまりの声に
奪われた鼓膜は
透明の
セロファンに覆われた
巻貝の中で浮遊する
・
白い花びらの波に
さらわれた遠い渚で
掠めとられたくるぶし は
薄暑の縁ど ....
ぱたぱたとひるがえるちいさな二足のズック靴
幼稚園への近道で
つないでいた手を離し
走ってもいいよというと
かならず笑い声をあげながら
細い坂道を駆け下りていった
その弾む後ろ姿を
おぼ ....
死ぬまでお屠蘇気分
いろいろとくやしい
わかってもらえない
わからない
くやしい
せいいいっぱいくやしい
夢中でくやしがって夜になってしまった
だからこそ生きている
そんな気さえしてくる
だれかを ....
見慣れた街の風景の一角
ブルーシートに覆われた遊休地
住宅街の一角に
ブルーシートに覆われた非日常
何らの標識もない
危険マークもない
青空を地上にへばり付かせた
痰のようなものを覆う
....
娘の担任の先生から突然メールが届く
件名は娘の名前
かすかな心臓の高鳴りを覚えながら
本文を開ける
文字が目に飛び込んでくる
“She had an accident!”
アクシデント!? ....
いつでも買いたいけど
フッカフカの少し甘くてオレンジの混ざった焼き立てパン
そうはいかない貧乏生活
いつでも同じ服を着て
雨でも雪でも頑張って仕事してる でもグチは言わない
笑い話で励ま ....
なんとか記念日に
なんとかのことに
ついて考えて
なんとかのことを
書くなんて
やりたいやつは
やりゃいいが
ホントに書きたきゃ
なんとか記念日の
十日前と四十九日後にでも
書 ....
私は何でも食べる
例えばあなた
あなたの息を
あなたの足跡を
食べる
見上げる空を
闇の奥に見る夢を
私は何でも食べる
例えばわたし
わたしの ....
脳ミソの全体使うより
ほんの一部を使った方が
おしゃれでクールだと
マジで思ってるんじゃねえだろうな
おまえが一部だと思ってる脳ミソ
実は全体の85%ですから!
元々ネズミくらいしかないで ....
雨上り
雲はほっそり
ゆく道に
タイムマシンに乗って同じ過ち
太陽と月を結んだ線が俺座
病室に眠る人の腕に滴下する液は
機能を失った腎臓をすり抜けて全身を潤し
枯れた膚に青く透けるような艶と張りをみなぎらせた
目で合図を送って廊下に出た医師は
一緒に出た家族に覚悟 ....
父が商人になったきっかけは
一本のから芋の蔓だったのです
長男だった私は
そんなことを弔辞で述べた
そばで母や妹たちのすすり泣きが聞こえた
その前夜
父はきれいに髭を剃ってねた
どこ ....
山奥の沢
大きな石の上に寝転がっていると
こんぽろりん
こんぽろりん
遠くの方から小さな
木琴の音色が聴こえてくる
私は少し調子の外れた
しかし心地の良いその音に導かれるように
....
モアイにエクボ彫る
3択問題です
人妻を見ると
こんな淑やかな
顔しているけれど
夜な夜な
ダンナのポコチンを
こねくりまわしてるんだなと
ちょっと引き気味に
なってしまうのは
あたしに問題が
....
カテゴリーに加えられて
気持ちいい僕と
喋る影の猿たちに
マシンガンが夜を裂いて
語りかける
朝が来るまで
朝が狂うまで
狂った時計が
緑色に光る
前時代に作られた
優しい ....
僕の言葉はいつだって核心をすりぬける
誰かの胸に届けたいっていつでも思ってた
みんなに僕のことをみて欲しいのに
僕の姿形は恥ずかしいな
いっそ誰もいない国へ行って
作物を育てて暮らそうかな
....
結婚前
付き合い出した頃の
写真を見ながら
今のあなたは
呪いをかけられている
と妻が言い出した
何の呪い?と聞くと
豚の呪いと答えた
私がその呪いを
解いてあげる
口づけ ....
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