すべてのおすすめ
01
私の世界は
私自身の 過去として
私の言葉は
私自身の 映像として
02
木の葉は
それ自体の 皮として
白の色は
それ自体の 一日として
....
梅雨の晴れ間に猫がひなたぼっこ
じめっとした空気の中で
さらっとした表情で
陽だまりの
あたたかい記憶を抱いて
梅雨の晴れ間に猫がひなたぼっこ
小さく動く前あしで
水のない空 ....
シュガーコートされた沈黙が、幾重にも重なる
通りはまだ
騒ぎ出すことを知らない
カーテンが染めた光
部屋はまだ埃っぽく
朝が染み渡っていない
寝床は生暖かく
体は必ず汗ばんで
意識 ....
日も月もない白い空と
ただ静かな灰色の地
その地平を 巡礼のように
椅子たちが列をなし 何処かへと進んでゆく
引き篭りがちの臆病ウサギ
外には狼がたくさんいるんだ
臆病者は孤立するって
錯覚が頭を支配するんだ
網膜に張り付いた鮮明な記憶
高性能レンズで切り取られた恐怖心の断片
いつから私は ....
{引用=
黒が似合うようになりました
白はちょっと 気恥ずかしくなりました
女になったのはいつ頃でしょうか
どんなふうにしてでしょうか
化粧が上手くなった頃でしょうか
愛するからで ....
がんの疑いがあったころから
しだいにあたしの
食欲はうばわれて
いった
たんに食欲がない
状態から
食に対する
欲が
なくなってしまった
食べる意欲がそぎ落ちた
....
「こんにゃくゼリーの会 発足!」
ある日突然
それはひとつのテロ、いや革命だった
「老人と子供にはあげません」
と貼紙をして
こんにゃくゼリーたちが檻の中に閉じ籠ってしまったのだ
....
わたしたちの考えた春というのは
玄関すみでは
魚のかげがうごめく4時半のことだった
羽のあるもののように
わたしもそれの中に入ったり
あるいは
絵を描いている
ゼリー状の
青いこれがわ ....
昔の言葉に生き
昔の言葉に死ぬ
情報が古くなる
最新情報に移る
いつ適応するか
わからない。
いつ必要なくなるか
わからない。
モノの価値判断は
誰にもできない。
幻の平均 ....
冷えきった鼻先を掠める空が笑う
リノリウムの白いカーテンは地球の鼓動に合わせて動いている
一体になって、私たちの繰り返す細胞分裂はねじ巻き式
降り注ぐ科学が理解している
言葉は知性 ....
天の川 A train crossing
渡る列車 the Milky Way
is
ふぉがとん forgotten
ふぉがたん forgott ....
木の上にもたれかかった
過ぎていく空気を手に入れる
ノートと消しゴムは教室だろう
教科書など 泣いているのかもしれない
うち捨てられた コウモリ傘に
灰色な 鳥の ....
悲しんでばかりいてはいけないと
だれもが教えてくれる
だけど みんな強くない
弱いからがんばるんだと
本で読んだけど
がんばったらどうなるのか
人それぞれと書かれていた
真っ直ぐ ....
一昨日の夜
近所の ジョニーという名のパピヨンが
久方ぶりに 姿を見せた
よたり よたりと
おぼつかない足取りで あるいていた
飼い主の 笹本さんは
いつも つけているはずのリードを
今 ....
私は明日を考えることなく立ち続けるだろう
今日としての景色さえ私の体には 明確には 存在しなかった
スーパーマーケットの中で 果物を 口にしながら 私は
見えないものを 思っている ....
自分が切れ者であると
主張したい男が
受けるテストが
下司風テスト
(ゲス・フー・テスト)
そういうの
自分が切れ者であると
主張するたびに
落雷があって
死ぬべきなのに
....
微動だにしなくても
噴き出した汗は止まらない
デブにとって
死の季節がやってきた
お願いです
室温は15℃にして
冷え性の方は
防寒具をご用意下さい
でないと
僕は
みなさんの想像 ....
ぞろぞろぞろぞろぞろぞろ。
客足多くして。
ぞろぞろぞろぞろぞろぞろ。
動物博覧会に。
ぞろぞろぞろぞろぞろぞろ。
回腸を満足させ。
ぞろぞろぞろぞろぞろぞろ。
蝸牛の機嫌を ....
ワキを剃った私に
エライ別人やなぁと
あなたは妙に粘着質の
視線を投げ掛け
「少しだけ
剃り残しが
あるのがいいんだよねえ・・げへへ」と
変態コメントを発する
そういえば
あなた ....
道の歪みのそこここに
溜まって出来る水たまり
昔の雨にはつきもので
道行く人の迷惑で
車が通れば泥をはね
人が踏めば靴汚し
道の歪みの性格を
そのまま見せる水たまり
そのうち道 ....
ここから見えるのは緩やかな勾配と
奥行きのある青い空
越えられぬ丘と誰かが呼んだ
そういうものがあるのだと
そういうこともあるのだと
例えばパレードを追い掛けていく子供が
その浅いふも ....
ゴールデンウイークはパチンコ三昧にした
お盆をとらない代わりに休みをすべて貰えた
市内のホテルにユキオと合宿をはりそこから毎日パチンコを打ちにいった
ちいさなころ町じゅうのパチンコ屋にお母さ ....
飴玉みたいな夕陽が部屋に転がってきたので
思わず拾って口に放り込んだ。
外は真っ暗になって黒い川が佇んでいた。
静かだ。
水面は、毛羽立ちながら揺れて揺れている。
....
あなたの部屋よりも
この檻は狭いのか
広いのか
私には
あなたの首に
鎖が見える
あなたが首に巻いているのは
自由というのか
私に
自由はないのか
昔は私も
草原を彷 ....
あなたと私の魂の頬ずりは
凝り固まった二人の心を解かしていく
それは氷が解けて板の上を流れていく
そんな さらっとした風ではな ....
多摩丘陵に仁王立ち
学生ズボンを脱ぎ捨てる
ついでに
パンツを膝まで下ろしゃ
風に吹かれて
プーラ、プーラ揺れる
あぁたまプラ
東たまプラーザ高校
久かたぶりに訪れた渋谷センター街
取り壊し中の建物とかあったりして何となく余所よそしさを覚える
平日の昼間ってこともあるのだろうけど
チーマー、ガングロな人びと
そして神話の国の神話な ....
言葉は正しく
ついでに思想も清廉に
身支度も整えて
こうして
うそだらけの僕が一人
出来上がりました
すすけていじきたない
普段の僕は
きれいな繭に
おしこめちまおう
車椅子になった息子の為に
車椅子ごと 乗り降りできる
車を買った
ほとんど 即決でマツダのデミオに
なった
それまでは ずっと中古の
普通車だった
その車は まるで
あたし ....
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