すべてのおすすめ
バカは場数を踏まないと直らない
本当のバカはずっと踏み続ける
バカには二つあるんだと
バカなことをしていたオレに
父は言っていた
オレは仕事バカの父に
バカは三つある
三つ目はバカを ....
キャッチャーがサインを出す
マウンドでは扇風機が首を振っている
サインを変える
それでも扇風機は首を振る
そうしているうちに
野手も打者も応援団も実況席も
夏の暑さに溶けていく ....
人の顔を撮るのをつい忘れるので
フィルムが10枚くらい余ると
必ず猫を撮る
しっぽだけ黒いしろねこ
を
撮ることに決めていた
実際のところ
それしか撮る物はな ....
腕の足りない分に
被せたシャツのボタンホール
くるぶしをすりむいてわらうあなたの
小指をほどけば
青梅のかたさを思い出すような八月
どこまでも
だらんとのびていく足の白 ....
それは 透明な砂だった
すこし おおきな石は ふたつあわせて叩くと 火花が散った
そんな 透明な砂の上に
あなたの フィンがあった
瑠璃の穴を飛ぶ鳥のように
泳いだ証の あなた ....
{引用=
おまえを失い汽笛が呼んだ
あの海に下りていけばよかったと
願う僕の果ては悲しい
炎天下
糸の切れた凧のように漂う
なあおまえ、笑ってくれよ
こんなにおどけた僕の毎日を
文 ....
窓辺に置いた
籐の椅子(エマニエル夫人みたいな)にもたれ
あなたはM字開脚してた
挑発的でエロエロな気配を
全身に漂わせ
わたしの視線は
当然のことながら
その部分に注がれ
目を凝 ....
――大丈夫です
マニュアルがありますから
この通りに話せば問題ありません
私は詩人ですよ
詩人の言葉に
マニュアルなんてありませんよ
――いえいえ、
みなさんマニュアル通りに
....
今年の夏は暑い
一つだけ
君に言っておきたい
この世で最も静かなものは
薬缶だと思う
こんな部屋の空気でも
胸いっぱい吸いこんだら
涙をとめるくらいにはなったようで
あんなに泣きたかったのに
涙の な の字も出やしない
我慢しなければならないことが
次から次へとあふ ....
OPAのアパレル勤務のジ ....
うだる夏
蔓をのばし 背をのばす
巻きつく ぐるぐる
行き先はどちらですか
天ですか それとも天国ですか はたまた地獄
我が家は関東と東北の血筋が強いもので
ゴーヤなんてそんな ....
ワタシの心は
東京ドーム2個分ぐらいあるから
許してあげようかなぁ
でも、入口は狭いから
入れたらだけどね
ここはでんわのくに
でんわのくにではきょうもみんながくらしています
....
{ルビ涯=はて}を{ルビ悟=し}っている靴はさいわいである
変態は
ああ
私の趣味
おお
それを許さないのは
あんたの罪
エロかった
ああ
何もかもが
おお
あのストーカーを
もう忘れたかい
昼間のストーカー
見つからないよう ....
奪いたかったのは
肉体ではなかった
きみの内側にひそむ
薄暗く丸いものでもなかった
それは概念だった
女だった
ぼくが
命をかけて奪い ....
―炎天
いつからか父母の面影もなくなった顔の輪郭を撫で
枯れた景色を見すぎたせいかむず痒い目を二、三度こする
何処にも行きとうなくなった
もう何処にも行きとうないんです
陽射 ....
マ、マママ
マ、マママ
アンタナニイッテンダカワカンネエ
ホレミテミレッテイッテモナニモミエネ (I love it)
ダッテオイラスンゴクアツクテサ
イツモヨリモットボウットシテンダ
....
いつの間にか
背中の子どもは静かな寝息をたてていた
スーパーのレジ袋を下におろし
あたしは 一体どのくらいそうしていただろう
電柱には 黒い紙に 金色のマジックで
『キリストは必ず来る』 ....
大塚のベーカーズは静寂に満ちている。
パン屋とイートインコーナーが隣接するその店は、むかしロッテリアだった。
幼かった私は、子供のいない都会のファーストフード店で心ぼそかった。
ホームレスが ....
夏
あぢ
なんか、快晴ではない
曇っていて
空気がじめっていて
あぢ
あぢい
君と別れるとさ
俺はもう
切なくて
切なくて
なんか、夏祭りらしいんだけども
俺、見学も参 ....
汚れた布を剥ぐように一日が終わろうとしている
最後に君は精一杯の化粧をするみたいに
うろ覚えの心を駆使してそうだ
うたを、うたを、つくるんだ
ギターの弦は錆びていて
....
陸地では使われなくなった文字が
水槽に降り積もっている
僕はエスカレーターから
その様子を眺めている
前の人の袖が
風のようなものに揺れて
明日になれば
おそらく別の人の後ろ ....
でんわのくにではきょうもみんながくらしています
くろまるじいさんに
....
奈々子さんが亡くなった。交通事故死らしい。
奈々子さんは、人懐っこく暖かい笑顔が印象的な清楚系の美人さんだった。
彼女は兄の友人で、私が最も好意を抱いていた女性であっただけに
彼女の死は ....
ちーちゃんの誕生日の朝
いつものように洗濯機のスイッチを入れる
昼前には電話をしよう
生まれてきたことをお祝いする日だ。
ぽかんと夏空がおおいかぶさり
蝉は式典に関係なく鳴き ....
あなたが
あんまりにも
潔く笑うので
わたしの胸に
轍ができた
そうしてそのうち
深い森になった
虹が美しいのは
雨のあとだから
虹が美しいのは
光の さしこみ
すると
虹に向かう力は
その盾は
どちらさまの
しわざなの?
広島はいつも晴れ
八月六日 ....
題名が長いと
目につきやすいでしょ
それだけよ、それだけ
現にホラッ
あなた、読んでるじゃない
そう、そう
あなたの言う通り
何の意味もないわ
題名ともまったく関係ないし
無駄よ、時 ....
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