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水面を
揺らさないように
しずかに
飲み込んだ
息を
止める
息を
こぼしてしまえば
瞬く間に
揺れ打ち
歪む満ちてゆく月
赤い花を摘む男の指に見惚れてしまった
ゴボウ色に染まっている自分の指先を見つめながら女は赤い花を積む男を見ていた
男は何事も気にしないまま赤い花だけを摘んでいる
ゴボウ色の指をした女は自分に向け ....
キミをミツメテルトキ
キミはあたしをミツメテナイ
ね
キミをミツメテイナイトキ
キミがあたしをミツメテル
の
....
君は彩りのある口付けをする
時折ゆれるのは風の悪戯
やさしい音色は僕の耳を擽る
誰も見てなんかいないさ
瞳が青く遠ざかっていくのを
夕日が赤く遠ざかっていくのを
黄色い波が揺れていくのを
....
浴衣着て髪をゆって会いにゆきたい
慣れない下駄は足をきりきりひずませ
夏の暑さが心地よくなる
柔らかい心が潰れてきりきり悲鳴あげて
あの日一人で見上げた橋桁の花火
....
彼を見たとき
彼の声を知っている
そう
思ったんだ
彼の睫がとても冷たいことも
知っているし
彼の鎖骨が氷のように冷たいことも
知っているし
知っているし ....
背中合わせに君の奏でる音を伝う
絡めるのは小指だけで構わない
僕を歌って