すべてのおすすめ
三丁目二番六号付近の路上に林檎を置いた
いつか君と出会うための魔術だ
御堂筋を渡る、四丁目のあちこちに足跡を残す
南船場四丁目をさらに巡回する
反復は呪われた想いだ
破れた地図の ....
粗末な哀しみを夜に浸し、
柔らかくなった端くれを口へ運ぶ
牛脂の付着した鍋に、
豆と小麦粉、
岩塩を加えてシチューを作った
焚き火に、美しい魔女が裸で踊っていた
火のそばが母の ....
ぬけられます
と、
白い戒律の剥がれた板に
赤錆びた日本語が
合法を装ってしがみついている
飢えと寒さのために、
大勢の煌めくことばが死んだ
ただ夢を叶えるために、
「嘘だ」
....
青く発光する塊が、
美しい水で鎮められる
影のない真昼、
明るい夢の瓦礫から
神々の失敗のかけらを拾う
穢れた土を、
いくども水で洗い流す
その水がふたたび海へ還る
....
任侠とロマンは、
彼らの得意分野だった
つまり人買い、
産地偽装、
海と陸の物流、
そして廃棄物の処理など
コンテナの積み上がる港から、
数多の流通店舗まで
関わる人と物流、
リ ....
「籠モル化」という言い方はまだ一般化していないが、ここでは詩の現場で見られる閉鎖的な相互評価の力学を指す仮称として用いる。語源は特定のグループに「籠もる」ことを強調した俗称で、少人数の内輪に作風や価値 ....
まるで涙の川ね
ルイ、リバー
わたしの胸に、
水音がせせらぐ
白い河原と、
仄かなことばが残した
透明な軌跡
ひとり、
揺らめく水に姿を映し、
零した、
哀しみの、 ....
ガス燈の灯る、
光の街は
地図にない
ヴィヨンの橋影が
夜の流れに
揺らめいている
街行く人も
名を伏せた仮面のまま、
濡れた石畳の道を
忙しく
通り過ぎた
裏通りの女も ....
犬の名前を並べる、
タロー、ルル、ブンタ、シロ
そのことを悔い、
喉元にキムチの色を塗りつけて、
俺たちは、見つめあった
北の城壁が高く聳えていた
たぶん、高さは、
喉の渇きで測った ....
白く浮かんだ綿雲が涼しげな影を作り、
緑の斑は噴煙のように大地を盛り上がらせた
いつもは動かない巨きな山たちが
突然、立ち上がって天空を掴みそうだ
現実と、非現実との見分けがつかない
遠 ....
地平線の彼方まで丸焼けだった
瓦礫と錆びたトタンで作った
家族でさえ疑って暮らすバラックで
卓袱台に載った、芋粥と悲しみ
ヤンキーに{ルビ集=たか}ってチョコをせしめた
空地で捕まえた飛 ....
夜をすぎて混ざりあった
イエローとピンク、
パステルカラーの朝が
たなびく空に滲む
満ちた潮の香りと
膨らんだワンピース
裸足になったキミは、ひとり
貝殻の残骸を数える
砂浜 ....
揺れる楕円がことばを塞ぐ
甘い香りと露出した果皮が目前に迫り、
獰猛な括れと若い膨らみが
荒い呼吸とともに 静寂を犯した
仮面を剥いだ匂いを指がなぞる
然も危険な場所を呼び覚ますように
....
幾つもの街を壊し、
平和な村を焼き払って
異臭に鼻を抑え、
黒焦げの死体を踏んで
やっと生き延びた
どうかお願いだ、
火薬の匂いがするボクと、
朝までいて欲しい
嘘でも良いから
....
鼾がやたら五月蠅くて
ふと目が覚めたが、
身体はまだ眠っていた
どうやら幽体離脱したようだ
真夜中の瓦屋根はよく冷えていた
窓から自分の鼾が聞こえる
空をボクの同類たちが飛んでいた
....
1平米714万円付近の幹線道路を
100万円から2千万円がスムーズに流れる、
たまに赤い3億円が走ったりもした
君は頭から足の爪先までが7万円だった
下着はたぶん8千円くらいと思う
カフ ....
郊外にあるダイソーで
紙で作った三角帽子を買った
すでにアマゾンでは
大きな音のするクラッカーや、
笑いを誘う白鳥パンツとか
ザビエルのかつらも買ってある
――今日は息子の誕生日――
....
流線型のトースターから
褐色の食パンが飛び出した
珈琲と目玉焼きとシーザーサラダ、
トーストには人造バターを塗る
今日からはボクも宇宙人
立派な宇宙人として社会に貢献したい
家を出ると ....
おまえとビバークしたい
花粉の舞いとぶビルの屋上で
段ボールを敷いて、
テントなんか張らずに
星空を仰いで夜を過ごしたい
ポケットにはウイスキーもある
柿の種とかっぱえびせんだってある ....
ある日 机の上にぽつんと
見上げる空に 小さくぽつんと
夕食のときに突然、妻がぽつんと
揺れる吊り下げ広告にも なぜかぽつんと
──見知らぬ──
「新しいことば」が
そ ....
水と夜の境に小舟を浮かべ、
満天の煌めく星々を灯りに艪を漕ぐ
海の風が星からの歌声を運び、
甘く幽かなソプラノが船べりを撫でる
銀河のうねりが船を揺らした
艪の先の海を覗くと、
青く耀 ....
ラ、
ララ、ラララーン
高級食材が半額になる
奇跡の瞬間、魔法のシール
ら、
ら ら ら
シールが貼られるまでの
ワクワク タイム~♪
グルル、グァオウ!
飢えた 猛獣 ....
夜中に目が覚めた
真っ暗な部屋に夜がひとり
しんと静まり返った夜が
ぽつんと立って、
なにも言わずにずっといる
朝まで立ちつづけたら
きっと疲れるだろ
よかったら、
ボクのそば ....
三つの色、
一つの終わり
声と息が重なり、
いのちを紡ぐ
春、
菜の花が咲き
夏、
青い夜に
秋、
幾度もの口づけ、
瞳に映るのは
紅蓮の炎
めぐる季節と
想いは ....
赤いウインナーに、
十字の切れ目を入れて
四本の足を作る
さらに一本づつ 内側から
四回、切れ目を入れて
八本の足を作る
油を引いたフライパンで
コロコロ炒めると
足が開いて蛸ちゃ ....
寂れた町の匂いのする
季節外れの席でビールを飲む
砂粒だらけの赤い足で、
板張りの床を踏んでいた
濡れた髪の女の子が
ハンバーガーとポテトを運んだ
台風が去った跡の景色が、
そのままこの ....
食べることは生きてる証し
我が人生は、食べることが目的
──でもないけれど、
事実は、かなりそれに近い
さて、今日は何を食べようかな?
中華そば大好き
煮込みハンバーグ激ウマ
....
母ちゃんの作る
貧乏な焼きそばが好きだった
ソース色の麺にまぶした
深緑のアオサと、
麺にちょこっとだけ乗った
紅い千切りの生姜も
それはそれは綺麗だった
豚肉じゃなく、
海老でも、
....
絡みつく蛇たちの螺旋の夜
巧みに縺れあう虚無と/いのち
淫らな匂いのする、耀う肌の粘りに
虹色の鱗は冴ゆる星の瞬きを映す
やがて消失する碧暗い空にむかって
聳える漆黒の怪奇な木々は
だらし ....
こしごえさんのatsuchan69さんおすすめリスト
(29)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
恋する林檎
-
atsuchan69
自由詩
17*
25-12-19
焚き火
-
atsuchan69
自由詩
17*
25-12-10
ぬけられます
-
atsuchan69
自由詩
15*
25-12-1
呪われた宝石
-
atsuchan69
自由詩
17*
25-11-1
レシートの亡霊
-
atsuchan69
自由詩
15*
25-10-1
詩壇における「籠モル化」とは何か_―_閉鎖性がもたらす評価の ...
-
atsuchan69
散文(批評 ...
13+*
25-9-8
ルイ、リバー
-
atsuchan69
自由詩
19*
25-9-6
ヴィヨンの橋影
-
atsuchan69
自由詩
27*
25-8-1
犬の名前
-
atsuchan69
自由詩
24*
25-7-1
virtual
-
atsuchan69
自由詩
13*
24-9-4
私たちは食べてきた
-
atsuchan69
自由詩
13*
24-7-21
海の風
-
atsuchan69
自由詩
12*
24-7-7
夜の鍵音
-
atsuchan69
自由詩
9*
24-6-8
畔の家
-
atsuchan69
自由詩
9*
24-5-17
真夜中の丸太切り
-
atsuchan69
自由詩
12*
24-5-10
2024年6月_Osaka
-
atsuchan69
自由詩
10*
24-4-27
誕生日
-
atsuchan69
自由詩
8*
24-4-19
スタート
-
atsuchan69
自由詩
14*
24-4-11
星空のビバーク
-
atsuchan69
自由詩
7*
24-4-1
新しいことば
-
atsuchan69
自由詩
8*
24-3-28
潮風の路
-
atsuchan69
自由詩
9*
24-3-14
半額ゲッター
-
atsuchan69
自由詩
12*
24-2-22
夜がひとり
-
atsuchan69
自由詩
12+*
24-1-31
3+1
-
atsuchan69
自由詩
11*
24-1-2
三匹の蛸ちゃん
-
atsuchan69
自由詩
10*
23-10-31
幽霊たちの砂浜
-
atsuchan69
自由詩
18*
23-10-24
世界の果ての卵かけご飯
-
atsuchan69
自由詩
13*
23-10-15
焼きそば
-
atsuchan69
自由詩
13*
22-12-22
「_」
-
atsuchan69
自由詩
10*
06-10-3
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する