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いつだって
逃げ出したいのは
空の彼方
まぼろしの国

そこに住む住人は
みな穏やかで
過去を問わない
未来も尋ねない
お元気ですか
から始まる会話は
今日あった細やかなことを
 ....
目玉焼きごはんを食べる
半熟の目玉焼きが
上手に創れるようになったから
とろっとした黄身としょうゆが最高だ

おかかごはんを食べる
お徳用のかつおぶしだから
ごっそり掴んでぜいたくに
 ....
「滑稽」
全く全貌を知りもしないで
自分だけは全て知ってる
自分は正義だ
そして見知らぬ他人を断罪する
ああ、滑稽だ



「下劣」
知ったかぶりの
野次馬根性全開の
嫌味なヤ ....
雪がふるふる
雪が降る
茫漠の孤独の上に
雪が降る

泣いているのか?
泣いているのか?
私よ
あなたよ

まっさらな雪原に
足跡をつけても
すぐに覆われゆく孤独よ
歩みの道 ....
冷たい雨が降りだした町に
冷たい夜がやってくる
夜明けはいつも遠い
トーストの微笑みも
紅茶の雫も
珈琲の湯気も
夜明けの向こう側にある
手を差し出しても
触れることができない幻を
 ....
もしも百円が
部屋の隅から出てきたら
何に使う?

給料日はあした
財布には12円
今日は休日
そんな状況で

百円では何もできないって
財布にしまうかい?
百円でできることって ....
憎んだのは
あなたがたじゃない
夫と花の名前を持つひとだ

憎んだのは
有り難いことに
過去の話だ

誰も
私自身にさえ
歩き始めた陽のあたる道を
邪魔させやしない

過去の ....
あなたがたは
私を一方的に犯罪者扱いするが
あなたがたに
罪はないというのか

忘れていた

私はあなたがたに
何ひとつ害を与えていないというのに
集団で
ことばの{ルビ私刑=リン ....
クリスマスフラワー
緑と赤が
なぜ、クリスマスの色なのか
知らない
(ツリーとサンタ?)

師走の浮き足だった時期に
真っ赤に燃えているように見えるポインセチアは
どことなく厳粛な楽し ....
生きていたくないひとが
生きているだけで
エライと思う

死にたいってことばにするのは
ことばにしなきゃ
本当に死んでしまいたくなるからだ

死にたいって
ことばにするのは
本当は ....
おいでよ
ここへ
何か一緒にうたおう
なみだが溢れるならば
もっと泣きながら
嬉しくて舞い上がりそうならば
喜びのままに
あるがまま
あるがまま
誰もこころに嘘をつかなくていい
そ ....
あなたがほかの{ルビ女=ひと}と
仲良さそうにしていると
ざわめきが立つ
これは嫉妬と呼ぶのだろうか
所有欲なのだろうか

愛。
ということばは
書くはしから安っぽく穢れてしまうので
 ....
また帰ってきたぞえ
ひさしぶりやね
元気にしよった?
お母さんと仲良うやりゆうかえ
約束通りに
わかばと土佐鶴のワンカップ買うてきたき
まあ、ゆっくりやりや
そうやねぇ
一年でいろいろ ....
自然と目が覚めた

夜明け間近でまだ暗く
暗闇に揺蕩いながら
明けゆく空に
身を任す

誕生日
私が生まれたことに
意味はあったのか
なかったのか
たったひとりの自分に戻り
問 ....
降りだした雨は悲しかった
いつもの道に咲く花々も
項垂れている
朝は洗濯物が
どこのベランダでも賑やかだったのに
急に閑散として
残った洗濯物は何も言わない

こんなことを悲しいと思う ....
ありがとう
優しいひと

宛先のない手紙を空に向けて飛ばす
風が想いを運んでくれる
逢いたいと願うだけでは
足らなかったの?
自分が自分を邪魔するように
伸びすぎた前髪が視界を遮るから ....
南向きの陽当たりの良い縁側で
母は新聞を読むのが好きだった

そこは
冬でも小春日和で
いつも長閑で寛いでいた
母もまた然り
これと言って趣味がなかった母だが
いつもの厳しさはどこへや ....
恒星がブラックホールに飲み込まれ
押し潰されるとき
太陽100兆個分の輝きを放つ

そんな終わりが良い

時の螺旋に屈服し
今しも最期を迎えようとするならば
ひときわ強く
輝いてみせ ....
月神は灰塵を踏む
死者たちの骨灰が
静かの海に降り積もり
夜を呪詛するように
祝福するように
鳴く月の砂漠を歩く
風もなく
極寒も灼熱も
容赦なく巡り廻る月に
音だけがある

1 ....
この恋に
いのちを賭けても良いのだと
あなたは笑う

紅の薔薇のようなひと

ジプシーの女王様みたいだ
情熱的で奔放で
風と共に生きる流浪の民
安らうことなく憩うことなく
男の腕の ....
今日、外に出て
あまりにも風が冷たかったので
とうとうオバシャツに手を出した
着込みながらゲンナリ
なんでオバシャツって
何をどうデザインしても
セクシーさの欠片もないのか
保温とセクシ ....
新しい住居は
川のほとりだ
川と言っても濁ったドブ川の色をしている
生き物の気配はなく
夏は悪臭を放たないか心配だ

近所のスーパーまで2キロある
コンビニと薬局が側にあるだけましか
 ....
この街は
ずいぶん私に親切だった
適度に田舎だけど
不便なほどではない
この街が好きだった

春はヴォーキングコースが
桜の花ざかり
満開のトンネル
散る桜の吹雪

夏には
西 ....
今のお米は汚れてないから
研ぎすぎると旨味が流れる
昔は精米技術が未熟で
糠が米に残っているから
水が澄むまで研がないといけなかった

米を研ぐように
感覚を研ぐ
お腹が空いてない時は ....
そらの水槽を
ゆっくりと魚たちが滑空してゆく
僕たちの教室は
まるでへばりついた岩影みたい
どこにも行けない窮屈さで
ぶつかり合う金魚たち
尾鰭や背鰭がひらひら
揺れ惑う
こころだけ狂 ....
やさしい詩を
夜に編みたい

たとえば
晩ごはんのポトフが
美味しくできて
舌を火傷したこと
たとえば
昨日は晴れてたのに
朝、洗濯をし忘れて
また晴れの日を待っていること
たと ....
私の中に少女がいる
おずおずと
引っ込み思案で
傷つきやすく
繊細な
少女がいる
私は少女を護るため
必要以上に
がらっぱちで
豪快で
猪突猛進
積極的
大胆に
空気を無視す ....
私たちは
軽く口唇を合わせたまま
呼吸を繰り返し
徐々に溶け合っていった
あなたは私で
私はあなた
腕が溶け合い
胸が溶け
腰はひとつになり
脚は絡まったまま溶けた
そうやって光合 ....
不意に
呼吸が苦しくなった
喉元に赤い茨が込み上げて
胸を焼く
どす黒い嫉妬
選ばれる公平と
選ばれない不公平が
黝く全身を侵す
希望などない
このまま息絶えるまで
冷たい褥に横た ....
現実は
私を疲れさせる
作り笑いを引っ込めて
素に戻る
良く喋るひとは嫌いだ
一緒にいるなら
沈黙が心地好いひとがいい

気がつけば
夢想して微笑んでる私は
此処に存在してない
 ....
こしごえさんのりつさんおすすめリスト(75)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
桃源郷- りつ自由詩7*25-12-18
ごはんの時間- りつ自由詩4*25-12-16
五行歌_「滑稽」- りつ自由詩2*25-12-15
墓標- りつ自由詩6*25-12-14
夜と雨- りつ自由詩10*25-12-13
百円の使い道- りつ自由詩4*25-12-13
我が道- りつ自由詩6*25-12-11
私刑- りつ自由詩2*25-12-11
ポインセチア- りつ自由詩4*25-12-8
そのままでいいんだよ- りつ自由詩8*25-12-7
うた- りつ自由詩5*25-12-5
祈り- りつ自由詩4*25-12-3
墓参り_2025- りつ自由詩4*25-12-1
ある朝に- りつ自由詩9*25-11-29
沈黙の聲- りつ自由詩7*25-11-27
ちっぽけなラブレター- りつ自由詩7*25-11-25
縁側- りつ自由詩5*25-11-18
ブラックホールフレア- りつ自由詩4*25-11-11
月神- りつ自由詩5*25-11-8
紅の薔薇のひと- りつ自由詩5*25-11-5
オバシャツ- りつ自由詩4*25-11-3
徒然- りつ自由詩12*25-11-2
グッバイ所沢- りつ自由詩6*25-10-31
研ぐ- りつ自由詩4*25-10-27
水槽- りつ自由詩7*25-10-26
よしなしごと- りつ自由詩6*25-10-25
私の中の少女- りつ自由詩8*25-10-24
- りつ自由詩5*25-10-23
10分間の絶望- りつ自由詩5*25-10-19
夢想- りつ自由詩9*25-10-18

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