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ともした線香の香りが連れて行く
どこかへ行ってた盆の夜
鏡を見れば どことも言えず
いとしい人の面影がよみがえる
今生の人よりも はるかに多い
過去の死者と 未来に生まれてくる者 ....
悲しいほどの平和
それでも 涙は流される
カラスの鳴き声は 相対的に風に流れて
歌になったり 罵声になったり
鉄の扉を閉ざして
こころを磨いている
金属の鏡のように 水晶の玉の ....
きれいな人が 大きな昆布の束を抱えて
ピアスの石が イルミネーションに煌く
街のざわめきの中で 抱えなおした昆布の音が
雪が舞っている 北の海の潮騒に重なる
あたしは帰りに寄ったス ....
気まぐれな風が 鏡の水面に木の実を落とす
広がる波紋は 臆病な栗鼠の目に少しの不安を
それでも 冬支度の手を 休めることなく
すぐに静まって 平穏になるとわかっているから
羊飼いの ....
花吹雪舞う道を ひとりで歩いた
分かれ道で手を振って きみは去った
あたしのことは すぐに忘れる
夏が来れば 陽の光に夢中になって
花びらは風にのって どこへともなく
青い月夜の ....
夏の終わりに芽が出た
タネなしスイカの芽
「おいしい! タネなしスイカ」
なんて表示してあったのに
割ったスイカには
遺伝子の反乱で 何粒かの黒点
「過剰表示やんねえ」
なん ....
夕焼けが一滴
グラスのソーダ水に落ちる
オレンジ色の泡が 壊れて跳ねて
テーブルに無数の 黒い点を残した
その夜
洋燈の芯は燃え尽きた
実りのない会話は 肌に
染み付く灯油の 匂 ....
なだらかな丘を映した 湖はのどかで
ラズベリーのいばらに 縁取られた小径で夢見た
ふと目で雲を追う詩人のこころには
気の遠くなるような 循環が刻まれていただろう
自然などという言葉が ....
お水を待ってるの
大きなトラックで
お水をくれるから
ずっと待ってるんだよ
水瓶はこわれちゃったし
鍋はぺちゃんこだから
こんなタライしかないの
ちゃんと持って帰れるか不安
....
息を詰めてTVを見た
息を詰めて
TVを見るなんて
子供の頃のアニメ以来
演技は完璧だった
涙がぽろぽろ零れた
深夜のソファの上に
ティッシュの山ができた
TVの画面から
....
自分の骨を見た詩人がいた
群れると空気が支配する
集団の最大公約数は愚劣である
集団の最小公倍数はサロンである
詐術をかけて誑かすのは容易
いともたやすく右に倣い左に靡く
風にうね ....
真夜中にピッチの着信音
どんな目覚ましよりも効果がある
気がつくと白衣を引っ掛け
廊下を小走りに駆けている
おとなしい茶色い目の
奥さんを思い浮かべる
父親に似て意志の強そうな
....
城に上っていく石畳に夕陽が反射する
あなたがこの瞬間を見たのはいつの頃?
使い古したカメラのフィルムに残されていた
あなたの鼓動が聞こえてくる
あなたから聞いたピヴォの名前にひかれて
日 ....
丘をのぼる石だたみの坂道でうずくまっている
ベレーをのせたあたしの夢 ただの酔っぱらい
指にこびりついているのは絵の具じゃない
細かい灰色の砂ぼこり 指の間から零れおちた砂の残骸
こんなと ....
Lucyさんの藤原絵理子さんおすすめリスト
(14)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
送り火
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藤原絵理 ...
自由詩
6*
21-8-18
病院
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藤原絵理 ...
自由詩
3
17-1-9
グルタミン酸
-
藤原絵理 ...
自由詩
13*
15-12-2
あたしの平和
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藤原絵理 ...
自由詩
13*
15-9-24
春を送る
-
藤原絵理 ...
自由詩
8
15-4-22
西瓜
-
藤原絵理 ...
自由詩
6
14-8-13
Peace
-
藤原絵理 ...
自由詩
5
14-7-14
ピーター
-
藤原絵理 ...
自由詩
8*
14-6-16
シリアの水
-
藤原絵理 ...
自由詩
10*
14-4-14
往復ビンタ
-
藤原絵理 ...
自由詩
4
14-2-21
スミレ
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藤原絵理 ...
自由詩
7*
14-2-11
スイセン
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藤原絵理 ...
自由詩
8*
14-2-3
ネルドヴァ__−BWV534
-
藤原絵理 ...
自由詩
3
14-1-13
ロンサール
-
藤原絵理 ...
自由詩
4
14-1-6
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