すべてのおすすめ
道路を歩いていると
クワガタが一匹転がっていた
手のひらに乗せて眺めると
綺麗な姿は無駄がなく音もなく
生きているのか死んでいるのかわからないので
こつこつ指先で叩いてみると
ギザギザ ....
石で打たれるような
犬に追い立てられるような悲しさに
居ても立ってもいられなく
ただただ早く帰りたかった
日没に向ってひたすら走り続けた
貝のように固く握りしめている
決して手放し ....
今年のピークは過ぎ去りました、祖父は同じようなことを言っている。天気予報士の、ながいサラダはよく噛んで食べるのじゃよ、だったっけ首がキリンのように傾いて耳たぶの辺りからやさいは、遥かな山の麓町 ....
朝、君のおでこにキスをする
そのまま頭蓋骨にかじりつく
前後逆だよ、と言うので
前後正しくかじると
痛い、と言う
僕はきれいな犬を飼って
周りの人に自慢したいと思った
わたしは
時々
星になる
星になって
{ルビ盲=めしい}の
黒蜥蜴の歩む道を
照らしたいと思う
わたしは
時々
風になる
風になって
見えないけれど
触れることを
証明し ....
海岸沿いをレンタカーで走った
波しぶきが空にあがってゆくのが見える
それが雲になって風を待ちかまえている
すべての雲が
そんなメカニズムでできている訳ではない
でも二 ....
{画像=120705001029.jpg}
小さい頃の僕は
捜している物はいつも
手の届くところにあって
幸せだった
それが一段背が伸びた頃から
少しづつ遠くなった で ....
春が来るたびに
色が褪せて行った
女はテーブルに きいちのぬりえ を開き
サクラクレパスで塗って行く
夏が来るたびに
心が剥がれて行った
何ひとつ帰り来ぬ家の 何ひとつ得られぬ部屋で
....
バスで海沿いを旅していたら
財布をどこかになくしてしまった
海に財布を探していたら
ひととはぐれてしまった
海の底にはレールが見えた
おおきな白鳥が海面から飛びあがって
....
生活をしていると
すべてが透明になってゆく
それが良いことであるのか
それとも悪いことであるのか
そんなことにかかわりなく
すべては透き通って
その存在感を緩やかにする
今日も洗濯をして ....
向き合った途端、一瞬たじろいでしまった
あまりにも真っ直ぐに見つめられて
ファインダー越しに覗いた
淡いピンクの大輪
千重咲きの奥に守られている花芯は
何か語りた気に
唇をうすくほ ....
「「 牛丼の並、コールスロー付で・・・
「「 はい、A定 一つはいります
時はしらずに 十四年をかさね
昔とすこしも変わらぬ オレンジの看板
丸いスツールにすわり
空 ....
小川のような楽譜を背泳ぎして
フルートを手にする君
瞳を閉じた音色は
君の夢をまさぐって青い湖に案内する
歌詞はそこで一隻のボート
僕は向かう方向に背を向けて
ひたすら歌いながら漕ぐ
....
命の限り生きる
時、ああ
青く冴えて
終わりつづけるの
大空の縁で。にこり
笑みを零す
引力である
今日は(拝礼)。
それはそうと、障子は
白く透けて参りまし ....
俺は莫迦話をしたい
とても大変な時期に莫迦話をしたい
とにかく莫迦話をしたい
切迫感の中で莫迦話をしたい
どんなに偉そうなことを言っても自分のことしか話せない人と莫迦話をしたい
他人のこ ....
雨の糸
紡いで布を織る
星の子
風邪を引かぬように
七夕
願い事を書いた短冊
白紙の未来
ペン先がじっとみつめている
願い事
人の数だけあるのだろうけど
根っこのと ....
「怒」
怒れ
とりあえず怒れ
開けろ
風穴を開けろ
亀裂でもいい
そこから侵入しろ
浸透でもいい
じっとり考えながら浸透しろ
正義ではない
生活だ
....
黒い木陰に巣くう羽根音
砕いた殻墓 添うて鳴く
まみれた草にのけられた
くちばしこもり 膝の上
はばたき とどまり うちふり さえずる
影に塗る 黄緑 黒 音は チチチッ
うま ....
雨いくつか
ふりそそぐなかで
思いだしている
傘をさすのをあきらめて
抱きあった
抱きあえば
しんまで濡れて
雨ふるふる
あきらめる
いまごろどこかで
かわいて ....
毎日はどこまでも続く微熱のテンション。きのうのじぶんを殺しながらめざめた。散文の日々。ネジを閉める穴が空いていた。見せびらかすように、太陽で暖まる前のコンクリの上を急いだ。
....
市民プールに雪が降る
ハムを食べ過ぎたと言って
嘔吐しているうちに
友達の一人は
立派な大人になった
紙のような声で鳴く鳥が
夜明けのある方へと飛ぶ
その頃になると
すべては塩辛く ....
ところどころ淀んでいる、日々のあわいに
用意された長椅子に座ると、
世界が淘汰されていく
眼前には池があり、蓮が眠っている
見たことのない男が隣に座り、
見たことのない水母の話を続け ....
窓を開け放ち
空気を入れかえる
朝の訪れを遮ってだらりと垂れ下がる
色褪せた思想を派手に揺らし
この胸を蝕み患わせている
積もりに積もった誇りや死っけを吹き飛ばし
....
月の雫が星の子なら
ひかっているのがわかります
蛍が真似て
ほんのりひかる
あたしとあなたの
心のなかも
てんてんと
ひかればいい
この闇のなか
ケント紙の家の中で
リンゴを煮ていると
蟻が集まってきて
椅子の傾きを直してくれる
サーカスのあった夜
話もないのに
冷蔵庫を開けた
‬
カノープス
君は古びた飛行船 がたがたと鈍い音を立てて
かみなり雲の中を いつまでも飛び続けている
流れ星が追い抜いて飛んでった 遥か遠くへと
選ばれた誰かの名前を その輝く尻尾に宿して
....
昨日の〆サバがあたったのか
朝起きると吐き戻しお腹も刺すような痛み
背中がかゆくてたまらず
爪を立てるとなんだかツルツル滑る
鏡に背中を向けて首をひねると
なんとも綺麗な ....
夏の盛りの
透明な記憶の破片
縁側のよしずの陰の
幼すぎた沈黙
君のちっちゃい手が
大人びた仕草で
泡立つコップを
気まずさの真ん中に
ふたつ置いた
言葉の結び目が
....
小さな花が
音も無く咲くとき
小さいなりの輝きがあるだろう
太陽は
惜しみなく笑顔を贈るだろう
私たちは
知っている
どんな花も魂をゆさぶると
小さい花は
小さいことを
....
きみの口から
高速道路が伸びていた
ビュンビュンと車が行き交う
粘液のような真夏の夜に
赤い光を撒き散らして
そこには、一台だけ
逆走してい ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152