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兎なら死ねてた
名前が悪かったのかな
居場所がたまたままずかったのかな
いつかみたあの誰かの骨と同じ
友達のなかで一等賞をあげたい人が住む
雪国の冬の色と同じ
白さ特別扱いしてたけど
それは共同住宅ではN ....
空にカーテンを引いたら
みんな 夢を見なくなった
星の明かりも 眩しい朝日も
厚い布地に遮られて 広大な密室の中で
息を詰まらせていく 人々の 心の息付き
飛行機が飛び回り
打ち上 ....
それは 白い、暗い
水のような
(いえ、湖)
奇妙な、安らかな、
欠落で
なめらかに隆起したそれを、
両手でささげ持つようにして、
人びとは
名前をつけた
それが
何だ ....
階段をあがると
すぐ左側に父親の部屋がありました
ドアをあけると
たばことヘアトニックと
何かが混ざった匂いがしました
どうしてこんな匂いに
なるんだろうと思いました
大人の男の ....
2003年 溢れる言葉を
適当に繋ぐだけで僕は詩人になれた
あれから10年
いろんなことがあって
世界も変わって
僕には
恋人が出来て 失って
仕事を得て 逃げて
適当に日 ....
あたたかい飲み物が
親切に感じる朝
みえない壁をよじのぼり
今日をこえる自分を想う
いくしかないよ
今朝咲いた花が羽のようにみえる
ふと足を止めるとき
ふりかえるとき
百日紅が見えるでしょう
そしたら
笑って帰って来なさい
泣いて帰って来なさい
喜んで帰って来なさい
怒って帰って来なさい
花を抱 ....
スダジイの
樹の下眠る麦藁帽子
木漏れ日も
星影も
(幼い僕が初めて命を感じて
泣いた絵 のような)
{引用=即興ゴルコンダより}
ある所に六本指の女がいた
小指の横に不様な枝のよう
けれど女はピアノを愛した
弾けもせぬ楽器を愛した
美しい爪をして
ハープの弦の為にあるような
水晶の爪だった
鳥が飛ぶ
ガラスの ....
ピエロ。
僕はピエロ。
みんなに笑顔をあげるのが仕事。
真面目すぎる心を、隠し通すのが仕事。
とあるミステリにはトリックが必要なように
とあるファンタジーにはドラゴンが必要なように
カ ....
湿る土を体育座りの
月はひとつできみはいない
頬をきる高い緑の草が痛くて
ここはどこだろう
握りしめる切符
大きくて体温のある動物の
おなかでねむってしまいたい
今晩くらいは ....
その崖のほとりに
一輪咲いているはずの花は
どうしても一目見たくて
見ると 手折りたくなって
手折ると持ち帰りたくなり
持ち帰ると
さて どうしても
挿した花瓶から引き抜き
力任せに叩 ....
袋とじを開けて唇が割れる
国民の7割が増税を容認しているという
この国の財政悪化だとか
欧米の高い消費税率を参考に容認しているのだろう
そんなんだから
私たちは民主党を圧勝させたり
自民党を圧勝さ ....
夜明け前の
ビルの間の木々を揺らす
薄暗い雫に濡れた窓を叩き
乗り捨てられた自転車の汚れを洗い
ゴミバケツに溜まる闇を濯ぎ
梢をふるわせ
立ちのぼる
人通りも途絶えた路地裏の ....
あえて、そうしなかったのは
一身上の都合
会えても、分かり合えなかったのは
一身上の都合
君が、いなくなったのは
誰のせいでもないんだ
タイミングが悪かったということにしておこう
な ....
「誰でもない何処にもいない」
何回目の夏を送別したのかは とうに忘れてしまった
火傷するほど熱い砂を踏みながら 水平線と湧き上がる雲の先に
いかなる幻影を見出そうとしていたのか ....
5年前の手帳に いつ正体を明かすか考えるというメモがあった
いったい何の事 疑問以前に笑いしか来なかった
果てし無い自分の浮遊感の頭を撫でる
結界を創っているわりに 網目の粗いザルで環境 ....
雨の匂いが
潜んでいる
濡れた靴下の爪先に
よれたハンカチの糸に
ほつれさせたじーぱんの穴に
更紗の青い染料に
ぱあまねんとがとれかかったおくれ毛に
やすりをかけたかかとに
ポケッ ....
出場種目を決めるホームルーム
男女を問わない千五百メートル走なんて
陸上部の長距離走者でもないかぎり
誰もがいちばんいやがる
手を上げる人なんていないのに
コーナーで ....
この男いいなと思っても
八分待って
性欲が80%まで上昇しなければ
その男とは性交渉を持っては
いけないと言われる
八分以下の気持ちなのに
性交渉を持った場合
ヤリマンと呼ばれ
村中か ....
満ち満ち足りて花は枯れ
棘立つ指で弄った
あれは神秘で現実で
僕は童貞を思い出していた
体は痺れ 呼吸が億劫だ
息は溢れ 肺が窮屈だ
夜と朝の差別を
蔑ろにしてきた偶像化を
....
トマトは好きだけど
トマトジュースは飲めない
っていうのと
豆腐は好きだけど
豆乳は飲めない
っていうのは
同じこと?
と彼女に聞かれたので
どうかなあ、
でも
僕は
牛肉も牛乳 ....
ノートのすみに書きなぐる言葉たち
隙間なく真っ黒になるまで書いてから
ちぎって筆箱に入れていった
ひとに見られないように
ぐちゃぐちゃに丸めて
すぐに筆箱は
切れ端でいっぱいになった
....
そんなに汚れた動機なんていらない そう思って動機を片っ端から捨てていったら 動機は全て消えてしまった そんなに美しい結果なんていらない そう思って結果を片っ端から捨てていったら 結果は全て消えてしまっ ....
摩天楼が{ルビ朱=あけ}に染まる時
黄昏の時間も止まる
ざわめく雑踏もどこか遠くの
出来事のように消えて行く
ビルの窓から見た街も幻
トワイライトイリュージョン
歪んだ時間の狭間の中で
....
眼鏡をはずし
目の前を水中に沈めれば
外灯は滲み
ひとびとは陽炎になって
せかいはちいさくちかく、まるくなると
おもっていたけど
無限のひろがり
おとこもおんなもなく
泳ぐような身 ....
ああ、うん、うん。
うん。うーん。
……え?
…ああ。
うん? は?
あーはいはい。
なるほど。
うん、うん、うん。
え?
うん、うーん。
ああ、へぇ。 ....
130903
ほい!
無防備のままに
投げ出された女の主体を
無自覚に踵で踏んづける
宿命的に対立の朝
鈍い目をした顔だけの男は
足音も立てずに目を背ける
....
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