すべてのおすすめ
わしは実は ふたごだったと聞かされた日
そして わしのふたごの兄貴だった人は生後まもなく死んだのだと聞かされた日
ねぇちゃんと グリコを分けて食べるように わたされた
ねぇちゃんに 言うた
「 ....
内気なセレーネ
は恥ずかしくて急ぎ足
ビーナスとジュピターが
囃し立てるが
菫色の空を
素知らぬ顔で
つれない素振り
ギジムナーは
煙草を吸いすぎて
舌が苦い
夕霞が夜に ....
今日の終わりに
のりしろが佇んでいる
のりづけしなければ
全てがそこで途切れることを
知っているはずなのに
どうしますか? と
のんきに尋ねてくる
点線から先は
のりしろ
白 ....
{引用=薔薇よ薔薇
私の体を養分に美しい花を咲かせておくれ}
あの人は行ってしまった
私の手の届かないところへ
ひとり取り残された私は希望さえ失くしてしまった
絶望という名の牢獄に囚 ....
{画像=120507061533.jpg}
ねぇ 深呼吸したら 風の色が変わったよ
眠っていた サナギが目覚め始めた
わたしを揺り動かす うねるような焦燥感
何か 新しいモノを求め ....
{画像=120506235631.jpg}
きらきら光る
硝子の破片
きらきら光る
小川のせせらぎ
寂しく独りで
光っている
きらきら
きらきら
光っている
....
私の思考が、感覚が
このちっぽけな身体と精神の限界を超えて
膨れて、広がってまるで宇宙と同化したかのような状態に
もう、どれだけの美味い酒を飲んでも
追いつかない、追いつけなくて
も ....
はなちょうちんは
ふしぎだ
うまれてすぐに
はじけてきえる
おかあさんに
みせようとした
そのときに
まだなかった
ことばといしきの
だいしょうのように
....
サンタ(さん?)の存在とか
信じた思い出とか無いジブン
可哀想かな
─どちらが
赤子のまま 父親に抱っこされ
写っている私
胸には「○○をやめろ!」
と書かれたゼッケン
─だか ....
おそろしいことの予兆は楽しいマーチでくるはずだから、きっと大
丈夫。ヒーローアニメの最終回で主人公が悪役にやられても、ハッ
ピーエンドはドタキャンにならない。愛すべき味方が空から飛んで
きて ....
妻の眉間のあたりに
凪いだ海がある
うみねこが飛ぶ
貨物船が渡る
風が吹く
少し波立つ
虹、と
妻が指差す
知ってるよ、
海に映ってた
ああ 俺の態度は冷たかったかもしれない
だけど しかたがないだろ
君の愛が 本物だったなんて 分かるはずもなかった
そこいらじゅうに まがい物の宝石が光ってるんだ
騙されることに 誰もが慣 ....
ダーウィンはロンドン動物園の小さなジェニーがお気に入り
彼女は言葉を理解しおやつをおねだりし公爵夫人に自分の可愛いドレスを
見せびらかしたり本当に人間の子供のようだった
1832年にビーグル ....
風の無い穏やかな夜
仕舞い忘れた鯉のぼりが
だらしなく天を仰いでいる
それでいて
雲はせわしなく月を見え隠れさせて
不安定な上空には入道雲
たしかに今日から夏ですが
少し ....
夜中、近くで唐突に
金槌の連打が始まった
どこかで屋根を叩く
天気予報では
明日は雨と言っていた
大工は屋根を叩く
厚い雲の下、夜闇の中
もの皆眠る屋根の上
一人の大工が屋根を叩く
....
人間も焼けば油が出るわねと腹まわりさする君のしこ名は
妻曰く健診は品質管理の第一歩
ラブレター誤字と誤解は付き物か
懲らしめに柱に吊るした藁人形なれてみればチョット可愛い
五 ....
鳥の囀りが
風に乗り
詩になっていく
花の分身が
風に乗り
詩になっていく
雨の音符が
風に乗り
詩になっていく
ここで
みんなが
風を待つ
わたしの言葉も
風を ....
海への道を進む
枯れ枝の軌跡を追う
その感動的なフレーズが生まれたのは偶然
はるかと名づけられた子供が
遠くを見ている
一生その名に囚われ続ける
その名から出ることはできない
....
耳って鍵穴で
君がするりと入ってくる
なんにも言わずに
直に心にふれるから
こわくて
うれしくて
きっとだから泣くの
声って光りみたいな
音ってつかめない鎖
離れたら
もう思い ....
はがれていく。
ブランコに乗る。
千枚通しの先端が怖い。
パジャマ、
家族の。
さわやかな朝、
という一人きりの先制。
専制君主。
ルイ十四世。
掃除をする。
はがれて ....
彼らは死に慣れてしまった。だが
校庭で炊いた焚火に身体を当て、燃え上がる
湿った潮風が鼻を擽る中で心が揺れた時、死そのものが、
何故生きているのか問い掛けてくる。彼らは死に祈りを捧げた、
....
川の向こうに石を投げ
それが水面に反響するのを静かに見つめている
川の向こうには小学生くらいのちっちゃな女の子がいて
手を振ってやはりこちらを見ている
僕はその子まで届かせようと石を投げ続ける ....
過ぎさった苦しみを
時々 舌の先で転がして
ピリッと刺すような
痛みを味わう
血の味は嫌いじゃないんです
この痛みが
私の静脈を流れていく
悲しみが青い血管に滴る
....
いくつもの
肥え太った想いが
出口に殺到して
立ち往生している
よこしまで
メタボリックな想いが
喉の奥でせめぎ合って
脂汗をかいている
バイパスを回り込んだ
耳障りの良 ....
通う眼差しに灯せない夜はない
瞑り日 損なわれた約束は
名を変えて ほどけつづける
折り返しみつめた指の先も
ひとつひとよ のばして重ねる
掌のまま さしだしても
届かないものに でも ....
心がからっぽになった気がして
あわててひっくりかえしてみた
ぱらぱらこぼれた今日から
太陽の匂いがした
少しすくって空にぬった
明日が生えてきますようにと
おほしさまの間に
しず ....
夕焼けが染み込んで
焼き魚が はためいている
こんがりと 空の匂いを漂わせ
塩のような星粒が いい塩梅に
そんな屋根より高い鯉のぼりや
ベランダにかわいくなびく鯉のぼり
....
二死満塁のピンチだった
ぼくが第一球を投げると
キャッチャーは既に不在だった
家を継ぐために
故郷に帰ったのだ
走者はホームに生還した
その間にバッターは
甲状腺の病気が ....
ぼくたちはことばの国のたびびと
遥かな源流から
ひとひらの花びらが流れてきてそれは
あらたななまえを与えられて言葉となる
ぼくたちは森を抜け荒れ野を辿り
大地から漏れ出た溶岩流に閉じ込め ....
他者の背中を見るように
自分の背中を見ることはできない
他者の背中を見送るように
自分の背中も見送られ
雨あがり
洗濯したばかりの
地球の匂いに包まれる午後
無風、時々背中
....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152