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紙飛行機雨の中飛んでいる
鬼のおめんつけて豆投げ合っている
ぽくぽくした睡眠のあいだに怒りを差し込ん
で、いるので、起きると朝の世界は、わたしに背を向
けているのだ。それで、コカ・コーラを買って、咳止めシロッ
プ、風邪薬、湿布などを買い、ビルをななめ ....
天気予報をみてみると
昨夜は南南西3メートルを
子守唄に眠ったことがわかった
眠っていたのは惜しいかな
窓を開けて風を招いて
お茶でもしたら良かったかも
風の好みはミルクティー
....
ぷらすちっくの小さな筒型の編み機には
五つの突起がついていて
人造絹糸を星のかたちに結わえたら
それが
りりあんの始まり
食べ散らかした夏蜜柑の皮
白黴の生えた白パン
蟻の住処は大洪 ....
130618
すべてと問われて
すべてと答える
催眠療法に飽きた人民を引き連れた
悪運強いタイランとはオマエだと
嫌われて縋り付いた後ろ髪ごとハサミで切断す ....
しげ子には
何ひとつ起こらない
小説や映画の出来事は
重子は
それを不幸と考え
不当に感じている
茂子は
ひとり置き去りにされ
日常に縛られていると
繁子は
ドラマツル ....
小麦色の肌に濡れた瞳 花びらのような唇 流れるような亜麻色の
そんな君は夏の贈りもの
僕の目の前で踊っているのは やわらかな奇跡優しい愛の歌
しなやかな腰のくびれが 眼に残像を焼きつ ....
ビタミンは摂った
リコピンも摂った
新聞はやめた
プロテインも飲んだ
肉も食った
ビールも飲んだ
体重も増えた
体重計はデジタル
保険もかけた
服も靴もある
自転車は2台ある
車 ....
住宅地のおんなの下腹部にもにた
空き地は梅雨の日に
大きな穴が水をたたえ
けしてなみだではない
うるおいをとおざけるように
しせんを移動させていると
えのころぐさ
へくそかずら
どくだ ....
蜘蛛の足が
多すぎるからと言って
面白半分に引きちぎる子供
休みの日が
長すぎるからと言って
魚を釣り上げたあと
血まみれの口から
針を引き抜く釣り人 ....
水の匂いのする
あなたの
指先の和音で
おどりだす
初夏の背表紙は
水溶性の文字たちの
ぽつぽつと吐き出す気泡で綴じられてゆく
垂直に
落ちてくる六月の
浸透してゆく
素直 ....
静まりかえっていました。
薄暗く
とても広い公園の水道で、
その蛇口の上で、
わたしはひとりでいました。
朝六時。
わたしは
人間ではないのかも知れません。
空を飛んだり
虫を食べた ....
ハエと一緒に転送してやろうか
大阪生まれの
お袋は
昔からずっと
歩く放送禁止用語だ
テレビに映る
女性タレントの
顔の欠点を見つけるのが
得意技で
よく使うのに
横に広い顔の人に対して
なべみたいな顔やな
....
好きな人できてん
って、お前がゆうたとき、俺の心臓らへんかなぁ、もう少し下の方か奥の方か、なんやわからんけど、ズンッて、めっちゃ重たいもんが乗っかったっていうか、なんやろ、血の気が引いたって、正にあ ....
灰皿に捨てられた
飴玉のように
灰色に灰色に
笑っていた
青空の下
ひと山いくらのペット
焼き魚のにおい
轢かれた音楽
不親切な
海への道のり
....
笑い死にさせる方向の殺人鬼
ちくわの穴覗いて嫌なものを見た
──わしが死んでも
この時計は捨てんでくれよ
親父はよくそう言っていた
死んでから
それがたったひとつの
遺言らしきものだったと思い当たる
祖父がやっていた
はんこ屋の店先に ....
大輪の薔薇の下で咲く雑草に語りかける者のはいるのか
せいいっばいに花の姿を真似て見ても
日陰に生きる陰湿な風貌にふさわしい飾りからの残酷な香りは隠す事は出来ない
ひと葉 ふた言、言ってく ....
不思議なんて忘れていた頃 ときどき肩をたたかれる 遊ぼうよ あの頃のように
あんたはどうせ枠にはまれないさ だったらいっそ逸脱の限り 尽くしてみたらいかが?
なにも担保にならない 自分さえも ....
花むした天体を
こまかく細断された視点から見る
ノートは
かわいたシンクに置き去りにされていた
最初のページをとばして、つぎから
こどもらへ宛てた物語が月面語で書いて ....
「あいつどこ行ったんだろ」
「ずっとオニやってたもんな」
「怒って帰っちゃったんじゃないの」
「あいつヘンジンだからな」
「もうそろそろ帰ろうか」
「帰ろ」「帰ろ」
「それじゃ」「また ....
*壱*マダナイへの手紙
「あの猫の名前はマダナイっていうんだ」と、教えてくれた人がいた。
ああ うわさは聞いたことがある。
明治の文豪の家に 飼われていたという 噂だった。 ....
何故自ら受難者になる必要があるのか?
四度でも五度でも席を譲ればよいではないか!
そして今日は沢山の人を助けられてよかった、と
胸を張って夕焼けを見ればよいではないか!
満員電車の中
三 ....
いつか在る
火星の木々がそよぐように
火星の川がキラキラ光り流れるよう
今そこいる子どもたちが
我が星にて
笑顔で遊ぶ
火星のブランコ
火星の滑り台
火星のアスレチック
いつか訪れる ....
天国という名の池で
死を釣り上げる人がいる
町の猫たちは真夜中に駈けだし
虹色に輝く死を銜えるために
釣り人の周りに群がっている
僕の猫は平成十四年、夏
朝ごはんを残して
そのまま帰 ....
嘘のない道をあるくと
からだが黒ずんでたまらない
空き缶を選別する女たちに二千円をくれてやる
銀色を左へ曲がると
すぐに目的地だ
つたの洋館も
給水塔も
とうになくなってしまった ....
もっと酸素を寄こしやがれ、俺をないがしろにすることは許さんぞ、ぼんくら共が。これが脳の言い分。
おまえだけの面倒見てんじゃねーんだよ、だいたい、大した役にも立ってねーじゃねーか今、おまえ。これが心臓 ....
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