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スコップの目覚まし時計

雪が情熱で溶けるのは冬
つける薬を 欲しがるのは春

わびる氷 くびれ揺れる水のフレア
に 後ろ手で そくっと映し見る

白く なだけはなれなかった
夜 ....
エンジンを切り 翼を風にのせた
吸気口を閉じて
機体を上昇気流に入れる

サンドウィッチを
縦に食べるような奴だった
トマトを抜いて・・

昔よくこうして飛んだよな と
風防が揺れる ....
 
 
椅子に座ると
海が見える
水平線の向こうでは
犬が笑っている
知らない異国の言葉で

信号が変わり
スクランブル交差点が
背丈の違う人々で
溢れかえる
皆、舗装を痛めな ....
1

視線の先では
青天を浴びた午後の花
掠れたホワイトピンクが 風を聴きながら
真珠のように黙り込んでいた

ノートを片手に 煙草を吸って
通り過ぎる景色を文字にする
開けっ放しの ....
風邪を引いて捻挫をした翌日の日差し
その暖かさは嫌味でとても意地悪
連日の雨が洗車した白い車を見下ろし
溜まった白いシャツを干していく
屈むたびに上がる右足は振り子で
意外とバランスは保てて ....
電線がそよぎ、枯木[こぼく]が揺らぐ。
片田舎の旧道に、どこからか舞い込んできた桜の花は、
はらほろと。誇張もなく、執念もなく、かといって無残でも無常でもなく。
昼下がりの淡い亜麻色の中、ただ静 ....
不器用なのだ

皆と一緒に
綺麗に泳げないから
海底の泥の中で
ぶつぶつと独り言を
溜め込んでいる

腹が減ると
ぬめったアンテナを
おずおずと立てて
雑魚をおびき寄せては
 ....
大人になって
出来なくなった

逆上がり

夕暮れのポストに
転送されてきた

手紙

差出人は
さかさまになった

世界

天をけりあげて
ポケットから落ちた

 ....
異星人の女
ぼくより背が高い
コトバをしゃべる
ぼくを見て笑顔を作る
食事にさそう
女はよく食べる
ベッドに行く
ちゃんと乳房がある
触ると反応する
「チキュウジンニ
ニテイルワネ ....
アクセルを踏んでスピードをあげる
普段は開けない車の窓を開けると
夕凪の匂いがふわりと香った

あぁ、なんて心地よい

名前は過去に置いてきた
積み上げてきたものは全部
トランクの ....
仕事から帰って
まあとにかく 手に取ってみる

テレキャスターのネックを掴んで
壁に背中を預けて 床に腰を下ろし
腿の上に ギターを抱いてみる

まずは 調律する
そして 手癖のように ....
きのうの夕暮れ
この町の小さな駅の
ラッシュ・アワア時
飛び込みがあった、若い人の

その事
脳裡よぎりもしないまま
線路したの
花咲く春の道を
今日の真昼
走り抜けていたわけ ....
わたしはいつか

に、なりたいと
おもっていた

こどものころ

に、なりたいと
おもわなければならなかった

いまも
おもわなければ
ならないのだろう

に、 ....
まちは固すぎるので
気をぬくとぶつかって死ぬ

あらゆるものが
手に入れやすくなり
あふれ出すようになると
昨日がどんどん遠ざかり死ぬ

やさしさが
一山いくらの値札をつけて
 ....
  不思議
  きみがふれた
  いびつな石ころが今朝、
  柔らかいパンへと変わった
  春の陽を白く吸って



  不思議
  きみがくれた幾つかの
  言葉は辞書に ....
 
 
砂漠にさくらが咲いた
砂漠中の魚が集まってきて
あたり一面、銀色に輝いている

わたしが目を閉じると
さくらは散り
砂は空へと帰っていく

そして魚たちはみな
記憶の届か ....
{画像=120414154847.jpg}


春に向う

眠りから覚めるがよい。
若者よ目を開けよ。
口を少しく開けたそのけだるい表情こそ
生得の感覚。
風を感じるがよい。
足の ....
アマゾンという
喫茶店の水槽で泳いでいる
あの魚はピラニアだと
まことしやかに
客の間では
ささやかれていた

根拠といえば
そこに
張り紙がしてあった
「指を入れないでください」 ....
私はあなたの味方なんだから
と言う人の
手のひらがかえっても

信じるのはあたしの自由だね

さくらさくら
おまえの裏側を
みているよ

きれいだね

さくらさくら
今をいき ....
この頃は本は読まない
特別の主義や信念があってのはなしではなくて
ただソノキニナラナイ
ただそれだけ
それだけのはなし

残ったものは少しのエッセンス
と その他は全部ナンセンス

 ....
湯船に沈んで
樋から流れ落ちる
雨の音を聴いている
植物石鹸の楕円と
豊潤な湿度

*

砂時計の沈み込む
流砂を視ている
ぼくたちは砂漠のなかの
バンドウイルカ
疲れたら、休 ....
 「二月」

貪欲がこの街の草を食み
鳩は広場の雪に足跡を付ける
紺碧には忘却のゴンドラ





 「三月」

悲しみを折り畳んで春の子守唄
緩やかなカーブを横切って
風 ....
眠りながら埃が泳ぐ
浮かぶ壁面の色と
光芒揺らぐ夜通しの

手折られ可哀想な奴ら
寄り添う姿はひんやりとしている

部屋には目に見えぬ焦りが
夕映えに焦がされた往時のまま
浮かんでい ....
この川を もすこし下ったところにあるのが 静物園
果物や骸骨が 額に収まっている花のように静かな生き物の館
ガラス張りの館の角は どこも ゆるやかに丸く
おたまじゃくしの卵のように静謐
 ....
いくつもの
さみしい
たましいが
夜のツバメさながらに
ひらひら
とびまわる

生きている
人間は
なぜに
あんなにも
桜、桜と騒ぐのだろうと思い
やってきて
白いはなびらの ....
ひとよりさきに
さくひんがある

げいじゅつも
いきざまも
いのちも

このさくひんは
だれかが
つくるはずだった

というような
さくひんを
つくった
わたし ....
冷たい雨が降ってきた
おれは黒々と木のようで
 心臓だけがガス灯
何を照らすでもなく ぼんやりと立っていた


小さな春は震えていた
おれの心臓に寄り添い 冷え切ったからだを温めた
 ....
百円で買った文庫本

アメリカのとある古い短編小説

マウンテンパーカーの前ポケに

ちょうどだからと出かけるときに文庫本

雨がぱらぱら

結局ざぁざぁ

一日降って傘をさし ....
花びらたちが役目を終えてきみへと流れ出す
きみから涙は出ないのに
あしもとには戻らないため息の砂塵がしみ込んで
希望が小さい竜巻のよう わたげのよう
くるりくるりのてーま 

空けた球体の ....
嫉妬という言葉を 
あなたは教えてくれた 
無防備に眠る 
あなたが憎らしい 
そっと首に 
両手をかける 
胸の奥で 
ちろちろと燃える炎 
このまま力をいれたら 
あなた ....
壮佑さんの自由詩おすすめリスト(4542)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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