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林檎の花は雪色 蕾は朝焼け
雪に枝を折られながら
木を裂かれても 根は雪を吸う
発芽し実になる芽の成る術を
同じく過ごし 来年の芽は待つ
芽が実になるのは二年越し
熟成は枝から始ま ....
種は零れる
つゆの光る朝に
手紙を黙読する
ゆき場のない言葉を
ほほに風そう庭のお墓に埋めた
涙に黙礼をする
血筋を経た
自分が今ここにいることを
みつめれば
温 ....
母からの電話
実家の私の部屋を母が掃除していて
「小さな何かの種が机の引き出しに
いっぱい散らばっているけど
捨てていい?」
小さい種?
クレオメだ
「だめだよ。大事な種 ....
幾つも 何度も
四季を 詰め込む
くるくる 後ろを
振り向いて いる内に
廻って行く 自分にも
気づかずに
時は 流れて 行くの
一番 大好きな 季節って
人 ....
たった一つ 部屋に灯る明かりが
窓ににじんで 流れていきます
一緒に座る人を失った 広すぎるソファで
私は消えてしまいそう
雨音の森で 私はいくつもの過去に迷い込み
やがて 記憶にも ....
契る星の名を知らない
右手にだけマニキュア
131227
今朝も断続的に雪が降る
大動脈を絶たれない訓練が
湿り気を帯びた雪を降らすんだ
知ったかぶりを披露する乗客たちを
スコップでいっぺんに運んでゆく
線路脇 ....
薄紅の花びらの真中で
一匹の蚊が死んでいました
その造花の霊廟には
微かに白く埃が積もり
異なる時が流れているのです
知っていましたか
昆虫は外見が骨格なのです
死んだニンゲンが放置 ....
今年も届いた母からの小包
まずは
?AKB48みたいな洋服がほしい?
という娘達のリクエストに応え
母が見つくろってくれた
チェックのワンピースやミニスカート
その下には
ハロ ....
寝室の窓の外で
また今夜も
切れかかった街灯が
青白い点滅を繰り返す
この世に未練があるのか
ただ惚けてしまったのか
それとも
死二ユク前のあがきなのだろうか
今夜も
わたしの静 ....
どんなに騒いでいても
静かに眠っていても
来るものはくるのだ
小川一本の県境
だからといって
天候が
変わるわけでもないのに
天気予報は変わる
水の性質が ....
コロコロ ゴトゴト
コロコロ ゴトゴト
車のドアポケットの小石が
今日も小言を言う
夏休み
娘が海岸で拾った
薄緑色の小石が
車のドアポケットで
今日も小言を言う
アクセ ....
地獄に君がいない
コートの袖に去年がついていたの
で振りほどき
目の前を続けるの
です
名前のない雨が一粒一粒
ざあざあと集団自殺すれば
水槽から濁った冬があふれだす
私は言葉を投げつけたの
に水面には ....
退屈に麻痺
手の平を見つめる
指の間から零れるものは
幸福の粒と
不幸の砂
選ることもなく
一緒に零れ落ちる
頭上から降るものは光
雲に閉ざされた陰も降る
選ることもなく
一緒に降り注ぐ ....
サンタクロースはどこに子供がいて
何を欲しがっているかが分かるし
トナカイのそりに乗って空を飛んだりできるのだから
一種の超能力者と言える
昔からそうしてクリスマスの夜に
プレゼントを配り歩 ....
私たちは
それほどたくさんの
フレーズを奏でられない
私たちは
それほど大きな音を
鳴らせない
けれどもういちど
ネジを巻きましょう
さびついてしまわないように
私た ....
火星剥く
少女の細い細い手首の糸
静脈の清流を
机の上に広がった乾燥しかかった薬品が流れる
かえるさきは循環する心臓の末端
そこはフランスとスイスの国境で
ちょうどこの鐡道の糸の終着点
窓辺には革表 ....
夜店の風鈴のように
蔓棚から垂れて枝にぶら下がり
秋風に吹かれている卵
茶色く毛羽立った上着の中は
半透明なグリーンの輝き
物珍しさと
手間の掛からない栽培が
流行を呼び
夏は陽 ....
冬の肌は
こわれもの
夕餉の火を落とし
手にたっぷりと
クリームを塗る
ひび割れから
そっとしみこむように
日常というものは
重力がある限り
何処に行ったとしても
そう変わ ....
ざらざらの掌で
温められ
擦られ
撫でまわされて
摩耗した挙句
まるく つややかな光を放つ
表面に一点の翳りもない
器が
轆轤の上に
遂に生成し得たとしても
掌の持ち主の
荒れた ....
ゆらゆら路地裏に消えていく猫の尻尾
日曜日の午前9時
空がある
雲はない
宇宙がどのようになっているか いつの日か科学は突きとめるだろう
宇宙が何故在るのか 誰も永遠に分からないだろう
テ ....
とおくからデッサンしていた。いつも。
▽
減ってく音にまもられてた。はいいろにぬりたくったせかい。りょうてとりょうあしを伸ばしたらなにかにあたった。これがぎりぎり。 ....
花呑む空が赤い
「小さく生まれてこないでね
お母さんのおなかの中に
しっかり40週間いるんだよ」
<お母さんたちへ>
おなかの中の赤ちゃんたちは
とても賢い
お母さんの栄養が少ない ....
とある娘に、とある感情をいだき
とある表情に、頬を赤らめる
とある私
サンタは日曜日もクレーンの玉掛けをする
もうすぐクリスマスじゃけん
ガンバラニャ
サンタは祝日もクレーンの玉掛けをする
わしは大黒柱じゃけん
サンタは家族思い
....
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