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 風を眺め
風と語り
 風を伝える

もうすぐ名前がなくなる村の
公民館の屋根のてっぺんで

 風を聴き
風と歌い
 風を奏でる

僕は少し錆びついた時間を
飽きもせずにつ ....
あなたは
とても綺麗に微笑みながら
水のような滑らかさで話をつなぐ

わたしは
そんなあなたに見惚れながら
あなたの綻びを探してしまう

あなたは
笑っていないほうの目でわたしの ....
脳に転移していますね


ある日
余韻の残らない口調で担当医は言った

丁寧に覚悟を積み上げてきたはずなのに
質問をする私の声は上ずっていた
ひとつひとつ言葉を置くように説明する
 ....
蟻だ
物凄い数の蟻だ

僕は
涎を垂らしながら
テレビのニュース映像に
釘付けになっている

パレードだ
角砂糖の数珠繋ぎだ

僕は
指をくわえながら
熱狂と陶酔の蟻の行 ....
忘れ物に気がついて
もと来た道を引き返す

立ち塞がる湿気
項垂れた街路樹
焦げた揚羽蝶
嫌々巻き戻される遊歩道

本当は忘れたままで
良かったのかもしれない

纏いつく濁っ ....
電車の
先頭車両の
運転席の
後ろに陣取って
景色の中に
割り込むように
のびていくレールを
眺めるのが好きだった

クハ モハ クモハ サハ

駅に
着くたびに
一息入 ....
水飛沫だけは一人前の
まるで推進力がないバタ足で
取り付く島を探し回る毎日

学校の水泳授業を
見学してばかりいたツケが
今頃回ってくるとは思わなかった

後輩の回遊魚達には
軽 ....
勝者と敗者の間に
三角定規で線を引く

本物と偽物の間に
フリーハンドで線を引く

好きと嫌いの間に
眉間で線を引く

面白いと面白くないの間に
口角で線を引く

瞬きする ....
<1>

これがなければ
生きることができなかった

これがなくても
たぶん死ねなかったけれど

これがあったほうが
人様に迷惑をかけない
はずだった

これがあったほうが ....
空の一番青い所から
滑り降りてきた木枯らしが
寝惚けたネクタイを
強引にたなびかせ
腫れぼったい意識を
心地好くシュリンクする

秋晴れハレバレ
ハレバレハレルヤ

空の一番柔 ....
青黒い皮膚の下で
躍動する肩甲骨に
未熟なサーファーが乗り上げて
水飛沫を上げて砕け散る

白い泡立ちとなって
打ち寄せる指先は
永遠に砂浜を掴み損ねて
桜貝の汗を置き忘れていく
 ....
ジグソーパズルの
欠けた1ピースが
見つからない

左目をなくした
モナリザが恨めしそうに
見上げている

完全であることに
恋焦がれる病が
再発したらしい

散らかった机 ....
力を信じる人
仲間を信じる人
明日を信じる人

僕達は
大きな葉っぱの上に
偶然落ちてきた
震える水玉

金を信じる人
言葉を信じる人
目に見えないものを信じる人

風が ....
昨日の今頃は
熱帯魚の水槽の底で
揺れていた

赤色と紫色と肌色の
尾びれをひしゃげて
これ見よがしに泳ぎ去る魚達

置き場所に困った
僕の視線は水泡となって
溶けかけた空が浮 ....
頑張ろうと
肩にばかり力を入れても
腰はひけている

仕方がないと
諦め顔で薄笑いを浮かべても
目は出口を探している

雨のような運命を
受け止めるのは
傘ではなくて腹の真ん中 ....
ふるら

ふるり

舞い落ちる
薄紅色の憂鬱に似たもの

らるら

るるり

鼻先で笑う
どちらの岸にも辿りつけないもの

うるら

うるり

降り注ぐ
乳白 ....
再び歩き始めるんだ
膝を抱えてうずくまった場所から
行き先なんて確かめなくていい
立ち止まった自分を責めなくていい

pauseを解除するんだ
内なる声が途切れた位置で
イン ....
ゾロリ
色のない
貧血の頬を
滑るカミソリ

ピリリ
痛みのような
微弱電流

プクリ
鼻の左下
盛り上がる
赤い液体

チッ!
煩わしいだけの
日常茶飯

ゾ ....
いくつめかの丘の上で
目から流れ落ちる汗を拭った
いったい誰のための汗なのか
そんなもので救われようと思ってる
自分がちゃんちゃら可笑しいよ

勾配の緩やかな所を
選んで登ってきたは ....
だきょう
だせい
どんづまり

1366×768ドットの檻の中で
ゆうゆうと座り込んだままの
気障な行分け文章

だみん
だつりょく
できそこない

TFTカラー液晶の眩い ....
雨が滑り落ちる
雪が零れ落ちる
花が乱れ落ちる
涙が伝い落ちる

決められた方向で
定められた法則で
ただ落ちていく

あらゆるものを
ありのままに
受け止める大地に
突っ ....
終わりたくない昼と
始まりたくない夜が
西の空で見つめ合っているような
そんな色だった

手放したくない光と
受け入れたくない闇が
西の空でせめぎ合っているような
そんな色だった

思いがけない桃色 ....
駅前のメインストリートには
すずかけの木を等間隔にはめ込んだ
ビルディングは高さをそろえて
白色と茶色と灰色に塗りわけた

踏切の遮断機は配線が切れているから
決して開くことはないけれ ....
言葉を
見つけた

探していた
ジグソーパズルの
最後の1ピースのような
言葉を

言葉を
見つけた

欠けていた
色えんぴつの
代わりの1本のような
言葉を

そっと
近づいて

陽だまりと一緒 ....
過去の事ばかり話すのは
もうやめた

未来の事ばかり想うのは
もうやめた

高い空から降って来る
いくつものYESを
招き入れるために
自分を開こう

自分の底に降り積もった ....
平日は
ぎっしりと湿った砂が詰まった頭に
素敵な大人のお面をつけて
行列の最後尾で傾きながら
特別快速の通過を待っている

休日は
いっこうに衰えない逃げ足に
穏やかな家庭人のジャ ....


車は停まり
人は進む

車は停まって
足は歩いて
手はそよいで
目は泳いで
思考は羽根をつける

時計を読み流して
ショーウィンドーを見過ごして
雑踏の中で溺れかけ ....
煩わしさと恋しさの狭間を
書きたかったのに
無骨な指は気がつくと
穢い言葉を叩き出していた

気ままさと淋しさの狭間を
言いたかったのに
愚鈍な唇は気がつくと
哀しい言葉を吐きだしていた

交差点と ....
ゼラチンで固めたはずの
歯ごたえのない決意は
なまくらな陽射しに
もう溶けかけている

サイドブレーキをかけたはずの
座りの悪い忍耐は
他愛ない傾斜に
もう転がり出している

 ....
山奥の針葉樹林で生まれた
朝露のひとしずくは
無数のひとしずくと共に
苔や羊歯の間を縫って
ひたすら傾斜に従う流れになった

渓谷では
無邪気にはしゃいで
いたずらに透き通って
 ....
kauzakさんのnonyaさんおすすめリスト(82)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
風見鶏- nonya自由詩19*13-3-30
ウラ- nonya自由詩30*13-1-26
その日- nonya自由詩28*12-11-16
パレードには行かない- nonya自由詩29*12-8-22
残暑- nonya自由詩21*12-8-16
クハ_モハ_クモハ_サハ- nonya自由詩24*12-6-23
バタ足- nonya自由詩23*12-6-17
線を引く- nonya自由詩28*12-1-21
仮面- nonya自由詩27+*12-1-6
ハレバレ- nonya自由詩20*11-10-26
- nonya自由詩18*11-8-27
死に至らない病- nonya自由詩23*11-7-30
よろめく水玉- nonya自由詩12*11-7-2
とらわれびと- nonya自由詩12*11-6-26
覚悟- nonya自由詩11*11-4-16
ふるら- nonya自由詩15*11-4-9
再出発進行- nonya自由詩8*11-3-19
- nonya自由詩14*11-2-22
丘を越えて- nonya自由詩10*11-2-16
3D- nonya自由詩12*11-1-22
落ちてくるもの- nonya自由詩12*10-12-15
桃色時間- nonya携帯写真+ ...18*10-12-4
箱庭- nonya自由詩9*10-11-20
そっと- nonya携帯写真+ ...16*10-10-24
感度良好- nonya携帯写真+ ...7*10-10-23
アンバランス- nonya自由詩10*10-9-11
信号機(歩行者専用)- nonya自由詩21*10-6-26
尻尾- nonya携帯写真+ ...16*10-6-19
いったりきたり- nonya自由詩6*10-6-12
- nonya自由詩11*10-6-2

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