缶コーヒーは年中冷たいものを飲む
電話先の声はたどたどしくなった
昼間は腕まくりをするようになった
うどん屋でざる蕎麦を食うようになった
相変わらず私は居眠りしてばかり
飼い犬は
トイレを躾されても
散歩先では自由だ
飼い犬は
公園のトイレが混むのを見て
人間はなんて不自由なんだと
思っている
人間は
言動を躾されても
インターネットは
ト ....
雨に濡れ
突っ立ってる
ひとりで
スニーカーで
交差点で
背後から
クラクションと罵声に
刺されると
笑えてくる?
笑ってないけど
笑顔を作る仕草は
カップラーメンがふやける感触 ....
忘れてしまいたいことと
覚えておきたいことが
どうでもいいことに紛れ込み
記憶という空を駆け回る
いつの日か あなたが作ってくれた
栞を探してみたけれど ....
玄関のチャイムが鳴って出ると
幼馴染みのおばさんが
手作りのプリンを持って立っていた
上がってすぐの急な階段には
いつの間にかサンタのプレゼントが置いてある
すぐ下の弟の部屋からは
サ ....
さくら祭り 1
ソメイヨシノ
はクローンです
と理科の池野先生が言った
そこの桜も
不忍池のも
ポトマック川のほとりのも
同じように咲きます
....
水に嫌われ
水で追われる
隠れることもできず
すぎてゆく日々
飛ばされそうになりながら
どこへ帰るともなく進みゆく
すれちがう花も
すれちがう蝶もわからない
....
君のこころに届く かも知れない雲は
今日も青空を泳いでいます
どれを基準にしても 小さく見える僕だけど
はかりきれないこころと共に
昨日までのことを繰り ....
過ぎゆく日々に花を添えるので
摘みに行こう
初々しい花を摘んだらそれは
罪になるのかな
白いやわらかい花びらと
薄緑の葉っぱがはらりはらり
散らばり散らばる
....
{引用=
この夕暮れ時に、ひとときの安堵と寂しさとのあいだで、わたしの瞳の中を泳ぐ、俎板の
うえのかなしい子魚たち、時のながれをさかのぼるように、わたしの水面を搔きみだす、
台所に立つ萎んだ母の ....
カブトムシは前戯などしない
柔らかい部分が
甲冑の奥深いところにあるからか
ギザギザの不器用な手では
そこに届かないからか
違う違う
単に意味が無いからやらない
生殖したいだけだから ....
恋する君が好きで 喉に刺さったままの思いを
上手く言えない言い訳 にして 君を見守る
僕はいいひと 君にとって 何でも話せて
あのひとのことを何かと聞いてくる
....
春の、ほどけた日溜まりのなかで
そよそよと吹く風の流れを、産毛に感じ
周りから、朝露で蒸れた草木の香りが漂う
ゆらゆらと、揺れる、かげろう
その、見えないところ
沢山の透けて、輪郭の ....
世の中の気に入ったものすべてを集めることはできないが
ときおり巡り合う素敵な情景や言葉を僕の何処かにスケッチしておこう
ときにはロボットが生産ラインで溶接した鉄板でできたちいさな車で風 ....
そこそこイケメンがほんとうのイケメンなのに、女の人たちは信じてくれない
なぜだろ
髪の乱れやすい季節のせいだろか
排卵日なのだろか
そこそこきれいな人をほんとうにきれいだなと思ってるぼくは ....
ここにはもういなくなってしまった
ひとたちが
ときどき浮かんでくる
そのたんびに僕は
夕焼け 夕焼け
って詩を書き始める
いないいないばぁ
....
誘った君が突然「まだ早い」と
引き返して行った 扉は開いたまま
君の言葉の意味を確かめられないまま
日々を重ねた今でも 思い出せるだけ
溢れる涙も 打ち ....
呼ばれ
現われ
戻れなくなったものたちが
一心不乱に花を愛でている
なびくはずのないものがなびき
冬はひとたび その身を隠す
鏡のなかを
動くきざはし
....
野良猫を飼っている
すごく矛盾しているのだけれど事実なので仕方がない
ある日ベランダに出ると
エアコンの室外機のうえに
猫が丸々とおさまっていた
冷蔵庫を漁るもめぼしいものがなく
....
紙屑にはできなくて
飛行機で飛ばそうとして
すでに折れてしまった翼じゃ
真っ直ぐに落ちてゆくだけ
そんな時 いつだって
拾いあげて
広げたら 濡れていて
....
あなたのせいという
急速な風に吹かれて
青葉がつぎつぎと落ちるように
暦が落ちてゆきました
あなたのせいという
見えない伝書鳩が
ひと息いれる暇もなく
夏の星座の下を行き交いまし ....
まもなく二番目の月が終わろうとしているこの星
の如月または衣更着のもう一枚羽織りたいくらい
の夜の気温の東アジアの日本の東京の定温は何度
ですか十八度くらいかなってそれはどこかの月の
平均です ....
かおりちゃんは、まだおねむです
おんもはまだ少し寒いので
あったかいくまさん柄のお布団で
微睡んでいるの
はやく、あったかくなあれ
かおりちゃんは夢をみています
おかあさん ....
インスタントラーメンと目玉焼きぐらいしかつくれなかったが
いつしか肉ジャガが美味しくつくれるようになってしまった
かぼちゃの煮物と筑前煮と筍の土佐煮にきんぴら
変化は世の常ではあるが妻と離別 ....
氷の上の雨
滴の上の紋
霧散 飛散
穿つむらさき
誰も乗っていない列車が
真昼の原を分けてゆく
集まる音
緑と無言
地の午後は昇り
空の午後は去る ....
大勢の人の中にいればいるほど
不出来な部分に痛みが走るけれど
結局は弱音を吐けない
無作為に弱みを見せる意味も見えない
あなたと出会った頃のぼくは
お出か ....
ぽわるとももる
てをつないで
じこくのもんを
くぐった
みじんこの背中の
羽根のすきまで
もんばんは
昼寝してて
きづかなかった
ぽわるとももるは
それにもきづかず
走った
....
静かな朝六時東の空から
水平線から色づいていく
まばらな客乗せた一番列車
誰ひとりこの瞬間を
眺めようとしないで
この美しさも彼らにとっていつものことなのだろう
コ ....
おそく
お酒飲んで酔っ払う
乗り、過ごし
ここはどこだ
駅、空っぽ
歩くか
何飲んだっけ
ウォッカを…
ちっちゃいグラスにレモンとお砂糖乗っけて
ていっとあおったな
知 ....
真夜中が近づいてきて
瞬きするたびに 目はでっかく
早く寝なさいと 怒られては
小遣いで買った 片耳イヤホン
枕元に置いた
録音できるラジオ
今日こそ 最後 ....
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