毒(あるいは懐古
カマキリ







いつまでもしびれがとれない

この道程だけが正しかったはずなのに

錆びた看板を見るたびにきしむのは

割れたこころがざわつくのは



きっとこれは毒で

慣れてはいけないけれど

忘れるほどにしまいこんでもいけないのだろう



目障りであたたかくてわたしにしか見えないもの

鋭くてやわらかくて手にすると重いもの

きっとこれは毒で



いつまでもしびれがとれない






自由詩 毒(あるいは懐古 Copyright カマキリ 2020-02-01 00:21:52縦
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