わたし、さかな

あなたの前では息もできない
それは言いすぎかもしれない

だけど夜になると
淋しさを呼吸するわたしは
誰でもない一匹のさかなになって

どこまでも
きっと、どこま ....
今日はすきなことをしましたすきな子にはすきな子がいてすきなことばかりしているのであたしのすきな子もすきなことがすきですようにと祈りましたすきな子にはすきな子がいましたすきな子はすきな子がだいすきでした .... ラムネのビー玉を
半分あげるの、と鳥かごに入れて
じっと様子をうかがっている
握り締めたもうひとつには
何が映っているの

+

冷蔵庫の隅に
食べちゃだめ
と念を押されたりんご飴 ....
夜はさみしさをたたえる水面
しずかに腕をひたして
あてどない動きにさらされていた

夜がひそかに身体をゆすると
いつしか私もゆれていて
抱きしめあった記憶が
手のひらからあふれた

 ....
それは
細く透明な糸に操られた
いっぺんの羽である
淡いひかりに温められた石のうえに
ふわり、着地しそうにみえて
寸前で自由に浮上する

どこかへ帰着しようなどという
よこしまな結び目 ....
髪からはずした指で頬杖をつく
汽車の窓をみつめて
腕組みしながら眠るあなたに
微笑んでみる

間違いといわれて問わずにいられない
どんな女が好みでしたっけ

もうすぐだよ おきて
少 ....
年号は覚えやすいねにせんはち年におこった(できごと)ならば



蛙の降る梅雨も終わって空蝉の降る夏の瀬も埋葬されて



上階に行けば行くほど高くなるベランダに立つ柵の高さは

 ....
魂ヶ崎 


たましいがさきで会いましょう 

希望の岬で会いましょう 


あなたが飲んだ、その泥までも
あなたが裂いた、その腹までも 

すべてを洗い流した場所へ
 ....
国道を南下すると
海がひらける
それは
わかっているつもりだった
潮の香りがしている
目を細めて見つめている

+

波打ち際で
砂をかく
砂をかくと
掘り起こされてしまう
 ....
食事を始めた 
一口目に 
山盛りポテトフライの皿の 
隅っこにのせられた 
パセリを食べる 


噛み切れない小さい葉達が、苦かった。 


今日も世界の
あちらこちらの食卓で ....
コンクリートの隙間へ
手をひたすとき、

かなしい人魚の
ほほえみが
過ぎる

その、
行方を追いかけやめた目の
放ってみせる空には
青のにじみが
よく似合う



 ....
コンタクトレンズを
眼球に沿わせて
違和感のない時間が
つづいています

味方の夏がよく見える
快音の空の
むこうは見えないけれども
手術の日から
三回目の
誕生日を
祝おう。

ぼくの
誕生日プレゼントのひとつは
きみの
じゆうが
羽ばたける
新築の家

おめでとう
みち

一時間の
外出許可を取り ....
鎖骨の
においが
こぼれ落ちたら、

さかなのゆめに朝がくる



ことば未満の愛を交わして、
ゆっくりとたしかめる
てあしの記憶

水の
においの
シーツを背中に
 ....
そっと
腰を下ろし
いつものひとりに戻るとき
うるおいじみた
乾きがあふれ

ぼくは
あわてて
目をとじた


思い出はいつも
胸に痛い

握れるものの少なさが
はっ ....
空の高さに
かなうはずもないぼくは
ちいさな背中を
恥じらって

その、
重みに沈みこむ



けれど、きみは

願いごとを
ていねいに隠してみせるから

ぼくは ....
じゃ
行くね

と、病室を
出かかると

いっTe・・て・・らっしゃい

せいいっぱいの
太陽の声が
きこえるんだ


なみだを
飲み込みながら
おれは

うん、
 ....
お父さんは
となりにいるよ


夜、仕事を終えた次女が
君の病室に行くと
ほとんどの場合
君は眠っているんだけれど


次女が
病室に入ったとたん
なぜか
ぱっちりと
瞳を ....
目を追った先の、
飛行機雲が描いた、
初恋の計算式
イコールが、ひとりぼっち
 
わたしは駆ける
みずいろの自転車に
またがり
草風がその前輪に巻きつき
死んでゆくのだけれど、
だ ....
本屋へ行った帰り道
公園に入った

ぐるっと公園を囲んだ木が
濃い影を作っていて
意外に温度が低い
真夏の午後二時で
誰もいない
セミがやかましい

水飲み場のあたりは水びたしで
 ....
蜂の巣が近いらしい
家の裏山の方へ行くと
飛んでいる蜂と ぶつかりそうになり
私も蜂もあわててよける

洗濯棒の近くの花の中で
仕事中の蜂も時折いるけれど
そっと ぱたぱた 洗濯物をかけ ....
ら ら ら という文字が 
いつのまに薄れゆく 
都会の空です 

と ほ ほ という文字が 
滲んだ墨汁の雨雲となり 
黒いにわか雨の降りそそぐ 
21世紀のTokyoです 

黒 ....
今夜の献立

・夕焼けと向日葵の背中の煮物

・虹のフライ

・蝉と夏休みの子供の声の和え物

・打水のおつゆ




ごちそうさまでした、と
流しに綺麗な皿が
水に浸さ ....
流れるプール
もう何周目かわからない

浮き輪に乗っかって
ぷかぷかスイスイ
ゆらゆらぐるぐる

上を見れば
塗っちゃったみたいにはじからはじまで青い
自分の流れていくのと逆に雲が流 ....
       余 熱


       そこは
       しろい花が咲いていて
       緑も若やいで うつくしい
       空気は
       いつまでも清澄であり
  ....
              080731




なんか単純なのだと
咲いたばかりの花が
赤色の理由を述べる

単純な色なのだと
信じる者は救われるが
足を掬われて
転ぶことも ....
風に吹かれ髪がひるがえる
ただ、風を受け入れる

きらめく波頭が目を奪う
ただ、光を受け入れる

潮騒と木々のざわめきが耳に届く
ただ、音を受け入れる

僕はいまここにいる
ただ、 ....
もうだいぶ短くなった青鉛筆を
今日も必死に削っている
先を細く細く尖らせなければ
気がすまないんだ
そのくせ
極度の尖端恐怖症なものだから
どれほど尖っているのか
目で見て確かめることも ....
1.

すき
きらい
どちらでもない

ひとひらの

花びらを海辺にすてに行く
指先が君を呼びかけていて、長袖を捲ることが
できない
もう知ってるんだ

この先で
海辺の声 ....
マーブルチョコの飛び石で家まで誘おう
ホワイトチョコを塗ったウエハースの綺麗な外壁
屋根はチョコクッキー
煙突にはコロンを使おう
支える柱はなんと言ってもポッキーだね
時々プリッツやトッポな ....
唐草フウさんのおすすめリスト(3355)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
わたし、さかな- タマムシ自由詩27*08-8-22
すきなことすきなこと- アサリナ自由詩4*08-8-20
夏の残り火- 佐野権太自由詩18*08-8-19
ラグーン- ふるる自由詩10*08-8-18
朝のイマージュ- 佐野権太自由詩8*08-8-15
ザ・ブーンンン- 砂木自由詩5*08-8-15
第三次短歌大戦- ピッピ短歌808-8-14
たましいがさき- わら自由詩20*08-8-14
海のアルバム- 佐野権太自由詩17*08-8-13
パセリ達_- 服部 剛自由詩1708-8-12
水の扉- 千波 一 ...自由詩7*08-8-12
ありがとう- 木葉 揺自由詩3*08-8-12
ボン・シャンス- 草野大悟自由詩3*08-8-11
プロミネンス- 千波 一 ...自由詩24*08-8-11
微炭酸- 千波 一 ...自由詩4*08-8-9
きみをのせて- 千波 一 ...自由詩5*08-8-9
いってらっしゃい- 草野大悟自由詩5*08-8-7
となりにいるよ- 草野大悟自由詩4*08-8-5
新天地のうた- ゆうさく自由詩4*08-8-5
公園- ふるる自由詩9*08-8-4
誰でもよかった- 砂木自由詩26*08-8-3
「_ら_ら_ら_の人々_」- 服部 剛自由詩4*08-8-3
夏のゆうげ- 小原あき自由詩30*08-8-1
プール- ふるる自由詩9*08-8-1
余熱- るか自由詩24*08-8-1
簡単な男- あおば自由詩7*08-7-31
海へ_(ただ受け入れる)- kauz ...自由詩8*08-7-30
「削る」- ルナク自由詩43*08-7-28
海辺の理由- 二瀬自由詩35*08-7-28
スウィートヒルズ- 桜 葉一自由詩508-7-25

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