暮らしてゆく
かこいの上

眺めると流れがある

土から 
かえるためだけに
乞う 涙ではない

吹きなれた風の足が
ところどころ 無くした
甘いくぼみに にゃーと泣く

逆 ....
詩のなかでは
ほんとうのことを言おう

どうしていつも
口を出ることばは
わたしをうらぎるのだろう
わたしからとおざかるのだろう

つたえようとするきもちから
どんどんどんどん
つ ....
そろそろかなと思い始める十月の終わり
会社が休みの日には 生家の林檎畑へ行く
林檎の収穫は九月から始まっているが
十一月にもなれば 雪が降り始めるので
積もって身動きがとれなくなる ....
こころをそらにすると 
あるがままにうつるようになる 

つくえのうえにちらばった 
えんぴつやほんも 
かっぷやすぷーんも 

きのう
ぼくのむねにぐさりとささった 
だれかのこと ....
あなたに伝えたくて
今日も綴ります
夜の静寂に
零れる想いを

あなたを想うから
今日も開きます
昼間閉まっておいた
わたしのこころを

あなたにそばにいてほしいから
今日も ....
 そっと
 手のなかで砕けてゆくものを
 花、と呼びます



透きとおる風に
聴きそびれた使いを
そのみちを

ためらいながらも、
懐かしむように
かばうように

 ....
春になったら
赤いワンピースを着て
歌うのもいいかも

サンドウィッチと
青空と
君の笑顔があれば
もっといい
お兄ちゃんがまた
女の人に振られてしまったよ
かわいそうに
死んでしまいそうに落ち込んでるよ

幼いころから
おっちょこちょいな人だったよ
がまんしてればよいものを
いつもちょっとかた ....
2ヶ月ぶりに退院したヤツと飲みにいった

とりあえず、おめでとう、と乾杯した
ひさしぶりに元気そうでよかったなと思った



長話。

こないだは、友人たちと鍋をした
男 ....
寝たきりの祖母が一週間の大半を
天井を見て過ごすことがかなしい
私の顔も忘れた瞳が
時にきれぎれの記憶を思い出す
その輝きが
新しく覚えることがらを無くしても
ふと寂しさを宿して見える ....
一円の雪が降った朝
十円のゴミを収集する車が
難しい顔をして通り過ぎる
百二十円のココアを
二千九百円の手袋で包み
三円分のリップクリームを塗った唇に持っていきながら
それを見つめていた
 ....
あなたは届いたり
届かなかったり
する

ふゆのなかでは
わたしはあなたにもぐり込んだり
息をとめたり とめなかったり
する

わたしは海のように
いくつもの約束を
忘れたり
 ....
ときどき
コンビニでおにぎりを買っては
思ってた

おかあさんのおむすび
食べたいな、って。

久しぶりの外泊で
おかあさんのおむすびを食べた

それは
ほんのりあたたかくて
 ....
もし、ね
あのとき 僕が君の手を掴んでいたら
もし、ね
あのとき 僕が君の名前を呼んでいたら
もし、ね
あのとき 僕が君に想いを告げていたら

もし、ね
あのとき 僕が自分より君が大切 ....
呼びさえしなければ
知らずにすんだ苦しみを
あやまることしか思いつかず
ただ 宿っただけの意味を
悲しんでいたのだけれど

あれから十年以上もたち
やっと今 私だけでなく ....
あの夜の夕食を思い出せないまま
今日まで生きてきた
妻が初めてつくってくれた手料理は
少し難しい名前だった気がする
思い出してるうちに
思い出すことさえ忘れてしまって
思い出せないまま
 ....
燃えておりました

街は真っ赤に燃えておりました



ぼくは、ぼんやりとテレビの前で
その光景をながめておりました

電気はつながっていました

すぐ横には、
割れたガラスの ....
雨上がりの
仄白い、広い、ひとつの湿度が
冬の夜の終わりに、ふ、と
灯る


夜明けだ
空はひとつの肺となり
冷たく湿った冬の朝を呼吸する
細やかな鳥の霧を含んで
 ....
うつ、という言葉が好きではありません

その言葉で
ああ、自分は、そううつというヤツなのだ、
と思えば
すこし、居場所をあたえられたような気にもなりますが
なんだか、その言葉ひとつで
自 ....
ペンキの剥げた 
「幸福の青いベンチ」に腰かけ 
いつまでも手の届かぬ恋の花や 
身を粉にしても報われぬ仕事の 
やるせなさを思う 

誰の手もふれられない 
こころのうつむきに 
寄 ....
(きみは近く
 足元から古い崖が、伸び悩み

 きみはすぐ下のことが分かる)

 ひどく、近く
 じっとしている
 長いこと
 息を奪われて、呑みこんだ夜
 ふさわしい音はながれ ....
 さらさらと

お前は何しに来た

 こんこんと

お前は何を話しにきた

 しんしんと

お前は何を聴きにきた


 さらさらと

また人々の掌に舞い降りてきた
 ....
一、たらちね

ふるさとの町は
訪れるたびに輪郭を変えてゆく
けれど
夕暮れどきに帰りつけば
あいも変わらぬ暖かさで
湯気の向うから微笑みをくれる
あの人のおかえり

ただいま、と ....
 
わたし、
だからうまれたの
 
 
きゅうたいのいのちに
いくどとなく
はもんがつたうとき
わたしは
すいてきになる
そのあと、
またいのちになる
 
からめるいとは
 ....
小鳥を逃がした事がある
さみしい時に啼いてくれたのに
鳥籠にいる姿がかなしくて
僕の目の届かない世界まで遠くへやって
今もふとすると胸うちで啼いている
傷ついたその折れた翼で


   ....
17時35分発のスーパービュー踊り子号新宿行き
銀行でお金を下ろし忘れ
財布の中に、三千円しか入っていない私のために
お母さんが買ってくれた切符

グリーン車はちょっと広すぎるよ
大きな大 ....
指をとりなさい
昔から着せられてた時間
粒を飲んだら海に帰るよ
青しまい終えた夜空のまつ毛に
つつまれたまあるい出窓
しゅっとひとふきで曇るガラスも
つやつやのくうくう
うぶな瞳
 詩を読むときにね、詩人 じゃなくて 人 と思うほうがいいかなと
この頃思います。
「詩人」なんていなくてね。
「人」がいる。
鼓動を知っている
急激に階段を上がり
寝床に入ると
生きている苦しみと共に
息切れと共に
脳を覆う

熱を合わせると
寝床が海に変わり
大海原を旅する船になる




鼓動 ....
元旦の空は
いつも真っ白い
何故だろうと見上げていると
西の方から
青い鳥が群れを成してやって来て
ばたばたばたっ
と次々空に貼りついた
瞬く間に青空が出来上がった

鳥たちはかちか ....
唐草フウさんのおすすめリスト(3355)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
かえる_ほとり- 砂木自由詩8*08-2-3
ほんとうのことを- ふぁんバ ...自由詩8*08-1-31
心が行く- 砂木自由詩8*08-1-27
「_灯_」- 服部 剛自由詩708-1-25
今夜も- 乱太郎自由詩14*08-1-25
水の蕾- 千波 一 ...自由詩10*08-1-25
smile- ユメミ  ...自由詩2*08-1-25
お兄ちゃんへ- ふぁんバ ...自由詩9*08-1-24
死んだアイツのことなんて、どうでもいいと思っていた- わら自由詩29*08-1-24
かなしみ- soft_machine自由詩14*08-1-23
一円の雪- 小原あき自由詩19*08-1-23
ふゆのこと_2008(推敲)- tonpekep自由詩10*08-1-21
おかあさんのおむすび- 風音自由詩8*08-1-21
If,- 具壱言自由詩2*08-1-20
祈りと呼ぶ- 砂木自由詩7*08-1-20
手料理- 小川 葉自由詩708-1-17
今日、神戸の街にも雪が舞いました- わら自由詩15*08-1-17
呼吸器系の季節- A道化自由詩908-1-17
そして、光- わら自由詩20*08-1-14
Tao_- 服部 剛自由詩208-1-11
心臓をたもつ為の、遺された- 石田 圭 ...自由詩2008-1-9
- 乱太郎自由詩20*08-1-7
春へ- 佐野権太自由詩13*08-1-7
ふぉんでゅ- 山中 烏 ...自由詩12*08-1-7
Loneliness- 石瀬琳々自由詩22*08-1-7
明日から仕事だ- 壺内モモ ...自由詩3*08-1-6
投げやりに辛口- 砂木自由詩6*08-1-6
「人」がいる- リーフレ ...散文(批評 ...508-1-5
鼓動- 小原あき自由詩20*08-1-5
元日に思ったこと- 吉田ぐん ...自由詩2108-1-5

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