たたと ゆゆく
ののねの なくめめ

どのほが さくるの
つるいよわ ひのやや 
ほしりい ふす けた わ

ね ぎちぎち
け せら みっ
あわ わあい 
わた雪が
景色の中で降っていました


それが幻だということは
知っていました


幾重もの

ゆらゆら
ただよい降りて

白く、たどりつく


地の上へ
その音が耳 ....
果てのないような冷たさの
季節にあって
白い六角形の粉末は
人間の傲慢を
目覚めさせてくれるようだ

横に吹き荒れる風を友にして
人の造った灰色の道を
埋めつくし
道と道でない境界線 ....
微笑みがこぼれると
それをよろこぶ
ひとがいます

わたしにはのぞけない手紙が
おそらくそこで広がるのでしょう



愚痴をこぼすときも、
そう

溜め息は
誰かのな ....
「先生、強くなりたいです。」
「そんなに強くなりたいか。」
「はい」
「ならカレーを山ほど食べなさい。」
「何カレーがいいんですか。」
「それは自分で考えなさい。」
自由は詩の中に携え
短い帯に書き記し歌う
川面に映る柳
写真に収め
空を仰げば
梅の散り際
君の文句も空し
高校はへんさちで言うと
中の上のへんで
商店街の本通りが見下ろせる
屋上でいつも
ちよちゃんと並んで
お弁当を食べました

たわいのない話
ゆめや
男子のこと
テレビや
音楽のこ ....
暖まってきた空底をゆきかう
つららとのびた水面の宿り木

てん てん
おちて 

なぞらずに許してくれる
しまい忘れられて
陽に 壊れていく冷たさ

包まれてしみこむ
沈黙の前
 ....
噴水のそばでは
アビリティーが無効になります
仕事の話はやめましょう
大声で電話しながら歩いている人
あなたの内側を掃除したい


 2004年11月23日制作の上記「噴水の話」から、昨 ....
缶コーヒーが
だんだん
冷めていく

ほんとうのことだけ
しゃべってみようって
ガードレールで
決めたけれど

信号機がかわるたび
人は行き交い
高いお買い物と
安いお買い ....
正気を失いながら、それでも
わたしたちは、生まれてしまうのだろう
何度も、何度も、
そしてほんとうは
一度だって、死んだことはなかったのだと
臨終のそのときに、知るのだろう



  ....
君の胸が時を刻む
窓の外の冬空は
白い雲が流れてとどまらない

君がいるのに
哀しみが凍みてくる
静かに待とう
もうすぐやってくる夕暮れに
一瞬でも優しい色に染められるよう
おなかが痛くて
おやすみしたという娘が
しょぼくれた眠い目を
こすりながらくれた
カカオ

バレンレーの日と
君が言ったから
誰がなんと言おうと
今日は
バレンレーの日

あた ....
今すぐ
私たちが震えていることに
気づきなさい





春、春、
夏夏夏、
瞬きの度に私たちは
その色を、その言葉を
飲み込み、黙り、街路樹に
その芯に、 ....
悲しいまま、今夜は眠ろう
痛みが心を離れない
なぞる度
傷が広がるのがわかる

悲しいまま、今夜は眠ろう
知らないふりをして
忘れよう
はじめからなかったと

悲し ....
液晶の画面の中では
愛と恋とが
消費されて擦り減って
それでも笑顔を忘れずに
人間の傍にぴたり、と
まるで一人では生きられない
飼い馴らされた犬みたい


マニュアルなんて
何も知 ....
レクエルド。
砂時計が音もなくなだれを成して舞い墜ちる
夜にあなたは迷いこんできたちいさな銀河を
手のひらでつつむように抱きとめる 葉脈を
透かしてみえる地球の裏側では生れながらに
しろ ....
霧状に浮揚していた
掴みどころのない感情が
白い雪の下に沈殿していく
獣たちの目を避けて

二月の
星々の輝きが溶けていく
冷たい明けの刻
氷の群れが叫んでいる時刻

眠りなさい
 ....
世界が変わった日というならば


あの戦争が終わった日よりも

ビルに飛行機がつっこんで
世界が戦争をはじめた日よりも

あなたがいなくなったその日が
ぼくにとっては
 ....
新しい雪の降り積もった
静かな屋根やねが
水平な朝に焼かれて
私の底辺をもちあげる

増幅する光の波が
うずくまる私の手をとり
青い影を洗う

そうして
裸にされてゆく、わたし
 ....
現代詩フォーラムの
はじめましての投稿欄に
小川 葉さんの投稿があった
同姓同名なんだなあと思いながら
投稿内容を見ると
すべて脈絡のない
アルファベットと記号の羅列で
ウィルスコードの ....
穴の夜に可憐な花を引きちぎる 心の底から憎まれたくて


『やさしさ』という字はとても丸いのでやわらかなものと誤解していた


ワンピースに西のワインがふりかかる とれない染みに焦がれど、 ....
一秒ごとに
とどまる
時間が
抜殻として
輪郭を残し
なだらかに
連なる

呼吸と
思考
いくつかは保たれ
いくつかは置かれたまま

ふりむけば
うすい
半透明の
殻が ....
ゆうろさん料理をしましたか
ええ、しましたよ
左手 お野菜洗ったので冷えてあかい
右手 あついお鍋を見ていたのでももいろ
今日はどこで
小鳥の巣箱よ
小さなやかんに小さなお鍋
風邪ひいた ....
何かを急に言いたくなって 口を開けたとたん
くもりぞらにのみこまれてしまった

たとえば好きな音楽を
反芻してやり過ごす
でも最後が訪れるまで
待ちきれないんだ
盛り上がりがこないから
 ....
車を止めると逃げる猫
ビニールの戸だからね
出入り自由のお客さん
いいけど別にねいない時
でも 何 やってんの?

みー の 車のお帰り
きこえてきたら 飛び出すの?

にゃ ....
仕事帰りのバスに乗り 
すいていたので 
座ったぼくの隣りに 
いつも背負うリュックを置いた 

よけいなことはなにもいわず 
いつもいっしょにいてくれる 
友達のように思え 

あ ....
生まれ変わったら
あなたの家のそばの
電柱の脇
段ボール箱に捨てられた
白い雪のような猫になるの
あなたはすこし困ったような顔で
にゃあとなくあたしを拾い上げるわ

赤いプレゼント箱は ....
文字のとおり
捻りなんて何もない

暗い
冷たい
厳しい
季節
でもその下で
新たにはじまるものがある

暗いからこそ
明るさを
冷たいからこそ
温かさを
厳しいからこそ
 ....
雪のつもった日のバスは 
渋滞でみんな遅刻のはずなのに 
なぜかこころやさしい 

雪化粧の街を窓外に眺める 
人々をぎっしり乗せた
バスのなか 
ネクタイのよれたおじさんが 
あんパ ....
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20080207- 藤野鞠子自由詩308-2-8
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