茫妄と
夜世界は影を映し出し
          街には至るところ霊の溜まり場所がある

                      ....
なつのよる、満月の路や
夕暮れてゆく公園、回旋塔の下や
線香花火が咲いた、一瞬の光の下で
見つけた
かげぼうろたち
かじってみたら
やさしくほどける
ほおってみたら
ふうわり浮かぶ
 ....
悲しみより澄んだ夜明けの
集配室から発出した文書が
まだ届かない、と
先方から連絡があった

わたしはベンチで
草のための列車を待ちながら
遅れがちの頁をめくり
しおり紐の形を ....
数日前に茹でてタッパーに詰め込んだ、冷たいそうめんをとりだして食す。もうだいぶ硬くなっているほそい面、たいぶ新鮮味のなくなっている細かく刻んだネギ、ふにやふにゃの刻み海苔、氷を入れてかなり味のうすくな .... 女は髪が炎だった
危なくて近寄れやしない
滝行させたら変わるかもしれない
しかし滝があるはずの崖下は
水が枯渇していた

水の仙人を探しに行った
名前を呼ぶと
物陰から声だけがした
 ....
恋を、喪い
寂しさを得た

何も知らなかった
孤独を感じたことなどなかった
ただの動物だったのだろう
やっと
ひととして生まれつつある、私
誰もが
こんなにもひとりなのだろうか

 ....
1.世界の渚まで

思いつくかぎりの雑な言葉を積み上げる
わりとたくさんあるどうでもいいことのひとつ
世界の渚まで

漂流物 反古 書かれた言葉
や書かれなかった言葉たちに波が打 ....
  〇


ぽつぽつ、と、将棋盤が降ってきた。と思う間もなく、将棋盤が激しく降り出した。じゃじゃ降りの将棋盤のなか、道に溜まった将棋盤を一つまたいだ。街中が将棋盤に濡れて、びしょびしょだった ....
夕方になれば涼しいなんて
もうそんな時代じゃないのか
熱風が気力を奪う
たった近所のコンビニまでの道

何もしなかった一日に
さようならをしてる夕日
空に滲んで
僕の心と一緒に泣いてい ....
角砂糖をひとつ
半ズボンのポケットにしのばせて
もし敵がきたらこれを投げつけてやる
ときみは言った
角砂糖が飛び交う戦場では
だれも死なない
蟻が大発生し
甘いみずたまりを泳ぐことだろう ....
『思い出の渚』 ザ、ワイルドワンズ

きみを見つけた この渚に
一人たたずみ  思い出す
小麦色した  可愛いほほ
忘れはしない いつまでも
 水面走る  白い船
  長い黒髪 風に ....
夏を浪費する素足の少女たちよ

居留地の海岸で手を振り
明日 明日 また明日 と
仮借なく絵札を覆してゆく
向こう見ずな天使たち

─── ごきげんよう 波打ち際のマクベス!

と  ....
僕用の戦場でした 右手にはテレビゲームの銃(充電中)

さようなら ガムテでベタベタ補強したビニール傘のわずかな割れ目

雨の夜のビルの光の数百の孤独のためのそれぞれの歌

あの日以来、透 ....
銀座に触れる、と
わたしの戸締りは終わった
暮れていく週刊誌を
めくり続ける侍の姿が
何よりも美しかった
誰かにそのことを
伝えたかったのに
みんなサーカス小屋に
入ってしまっ ....
入道雲は
青蜻蛉がみる白蜻蛉

さっきの雨が焦がしたフィルム

こぼれたひとつのいきを

つまさきまで吸いこんで
いつまでも夏のつもりでいた、
あかるいひるねがとつぜん風船のように射抜かれて、
緩慢な夢からついに目醒める、
夏だった風がとても涼しくなっていて、
その涼しさがそのまま寒さの鋭い刃となっている ....
指輪を脱いだ指は
素の自分に戻って
ちょっとほっとしてる

全然きれいじゃなくても
それでいい
それがいい
しわしわの
手の甲の指の
第二関節にある
眠たそうな沼みたいな目が
笑 ....
鞄の紐が千切れた
それは長財布と数珠を入れたら
もう手一杯になるくらいの
小さな黒い鞄
仕方ないので
それを胸に抱えて歩く

ごめんね
ごめんね
人波に逆らって
死んだ仔猫を胸に抱 ....
{引用=
夏、相変わらず
碌でもない 夏

ことしの夏は
ニューオーリンズで
スノーボードしてる
ゆめをみていた
ことしの夏は
アラスカで
熊狩りをしていた

夏 ことしの夏は ....
 心の跳ねとぶような白に
 目を見張る
 おおよそ神秘な所で
 香り咲いた月下美人
 
 一夜、月の輝きのなかへ
 身をなげだし
 実もつけない花の
 湧きあがる純白は何故
 そんな ....
朝方、目が覚めて
右手に話しかける
右手が最初に
目に入ったから

次に左手に話しかける
左手は黙って聞いている
右手も隣でじっと聞いている
手には耳が無いから
僕の耳で聞い ....
新横浜駅を降りてから

どうやって そこに辿り着いたやら

彼が教えてくれた家の間取りは

手紙に描かれた図の通り

他愛も無い話は ビールを飲みながら

お互い 何を考えているか ....
ママに抱っこされて

家路へ急ぐ

ママの胸から

暖かい心持ちが

上下に揺れるたびに

私に伝わる

ママのやさしさに

包まれ

夢ごごちに泳ぐ

ママの ....
今宵の月は、
とてもうつくしい、
まるで君の繊細な顎のように、
ぼくにはとても愛おしい、
まるで小鳥を捉えるように、
ついつい捕まえてしまいたいんだ、
  〇


トウモロコシ畑が黄金色にキラキラと輝いている。一粒一粒の実から潜望鏡がのぞいている。死んだ者たちが小人の幽霊となって、一粒一粒の実のなかから潜望鏡でのぞいているのだ。百億と千億の ....
七億をすぎる人の 
文字への想い

親の願いを込めた
自分の名前すら書けずに
字を読むことすらできない、少女は
母からの手紙を読んでもらいました


詩はいつも文字や言葉を媒介す ....
明日はいつも私をどこかへ連れて行く
どこまでも私の手を引いて
毎日近い所や遠い場所まで一緒にいたね
やがて歳をとり身体が動かなくなった
毎日一緒にいた明日はもう来ないみたい
私は何処へ行けば ....
どれほど空が抜けるように青くても
君は優しく微笑んでくれたけど、僕は
いまだ精米されていない人々を見て
階段の上の方
ポケットに手を入れて
にやにや笑っていた
本当はもうどうしようもなく
 ....
シャッター商店街
賑わっていたのはいつの頃だろう
よくかまってくれたおばさんは
今何をしているだろう

丘の上から見る街は
まるでジオラマみたいだな
廃れた景色はなんだかつまらないな
 ....
昨日産まれたばかりの吾子は
わたしの横で寝ている
なんてかわいいのだろう
産毛のような髪の毛
耳も口も鼻も小さいけれど
とても精巧に作られていて魅入ってしまう
閉じられたまぶたの中でどんな ....
唐草フウさんのおすすめリスト(4279)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
霧子の朝に、の覚え書き- 洗貝新自由詩15*25-8-29
かげぼうろ- そらの珊 ...自由詩16*25-8-29
プラスチック- たもつ自由詩6*25-8-28
夏の鮮度- 本田憲嵩自由詩1525-8-27
flame- 自由詩8*25-8-27
ひとつの詩- りつ自由詩6*25-8-27
世界の渚- カワグチ ...自由詩16*25-8-26
LIVING_IN_THE_MATERIAL_WORLD。- 田中宏輔自由詩14*25-8-25
夕日が泣いてる- 自由詩8*25-8-25
角砂糖- そらの珊 ...自由詩14*25-8-24
「思い出の渚」の冒頭歌詞を検証してみる「作詞家岩谷時子の発言 ...- 洗貝新散文(批評 ...8+*25-8-24
曳航- 藤原 実自由詩8*25-8-23
ハイパーショット- しろいろ短歌525-8-23
フルーツサンド- たもつ自由詩16*25-8-23
蜻蛉- wc自由詩16*25-8-23
無常戦争- 本田憲嵩自由詩1225-8-23
- そらの珊 ...自由詩13*25-8-22
- そらの珊 ...自由詩20*25-8-21
- ryinx自由詩11*25-8-21
This_Night_- リリー自由詩22*25-8-20
夏休み- たもつ自由詩9*25-8-20
横浜へ- 花野誉自由詩13+*25-8-19
ママに抱っ子- 多賀良ヒ ...自由詩325-8-19
三日月顎- 本田憲嵩自由詩1125-8-18
COME_TOGETHER。- 田中宏輔自由詩14*25-8-18
_詩論_- 月乃 猫自由詩15*25-8-17
明日も一緒に- リィ自由詩4*25-8-17
季節はサンドイッチのように- トビラ自由詩5*25-8-17
私が育った街- 自由詩12*25-8-17
ト或ル朝- そらの珊 ...自由詩12*25-8-17

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