スプーンで
粉っぽいくせに
白いお砂糖と
むりやり
無理矢理だよ
ぐるぐるってさ
なんとなく
計算なしに
ぐるぐるってさ
ねえ
私たちに似てるかも
なんてこと
なかったのにさ
....
線路にそって
坂道を歩いていると
葉のみどりに雨粒が
そしてどうしてってかんがえる
どうして
葉はみどりなの?
どうして
雨は水なの?
どうして
花はきれいなの?
どうして
....
コンペイトウの 角を数えてみたけれど
よくわかんなくなっちゃった
だからコンペイトウの 角をおったの
まるいコンペイトウ
少しあまくて
角のぶんだけ
いとおしい
単純な味 ....
怒りがきみの総てをひたすとき
きみは一つなぎの皮膚だ
つま先から脳天まで体を奪われ
きみはただのペットボトルだ
わけもなく心が震え
泣くことさえで ....
ほどけてしまいそうな
女の子のからだから
春をとり出してならべる
つみぶかい瞳が
まだそこにおよいでいる
名前の知らない五月の旗
活字から顔をあげて
だれをみる
外をみた
窓 ....
東京のさかなは
全然ダメです
死後
七日目ですかって
そんなことを思ってしまう
電車から眺めると
無数の家だ
孤独
の意味を私は思う
ヘッド・フォンで武装して
右側をガ ....
・
眼を閉じるとそこは
金木犀の香る秋のベンチで
横には
もう何度も思い出しているから
びりびりの紙のようになってしまった
いつかの君が
黙って座って煙草をすっている
周囲がいやに ....
またもや不意打ちに
なげこまれたアクシデント
水面がざわざわ騒ぎだす
バリケードをはりめぐらせたつもりが
いつもほんの一瞬のスキをついて
とびこんでくる
ズン と重く腹にしずん ....
昨日きみとすれ違ったので
掌サイズのレモンをしぼった
種がとび出して地面を弾いた
今日うっかりきみに
話しかけてしまったので
直径一メートルのレモンに乗った
種がごろんと落ちて地面に寝 ....
いいですか
すべてのニワトリは
自分で殻を割って
生まれてきたんですよ
と叱られた思い出
いまなら言える
僕はニワトリじゃない
*
あまりの暇にたえかねて ....
かなしいことなんか
ないよ
と
雨の日にであった
女の子がいった
かなしいことなんか
ないよ
チョコレートバーの
包装を
ひりひりはがして
そこから
むぐむぐ食べていた
わたし ....
最近のボクはこんばんわを忘れてしまった
常に出る言葉はおはようございますとおやすみなさいだけだし
愛してる、なんてもう久しく言っていない
昔、杯を交わしたおまえとは何でも話せたような気が ....
なにも書くことは ないだろ?
そのノートに
立て膝なんかついて つらいんじゃない
そのガタイじゃ いくら 鍛えてるからって
膝は一度ヤッチャッタら 一生のオツキアイだぜ
まあ 立ちなって ....
ふらふらと
京都から帰ってきた
またウイスキーを一瓶、
一気に飲み干して
そうだな
俺は俺を殺したいのだと思う
今はそんな夜
また見たいな ....
ちょっと時間がかかりますよ と言われて
会社の休みの日を 指定した歯医者
歯を抜くなんて 何年ぶりだろう
朝から麻酔注射の痛みを思い出した
テレビでは オリンピックの火が来るため
商店街 ....
{引用=
静かの、川が
逆流する
しなやかな動きの連続で
えたいの/知れないものたちが
反射するから
少女は、もう一度
夜を怖がらなくてはならない
そういうものなの
と、 ....
五月のわたしのルール
肉は肉屋さんで買う
魚は魚屋さんで買う
コロッケはあげたてを
おでんは味のよくしみた
やきとりはけむりで見えないくらいの
とてもシンプルなこと
この ....
鍵の開く音がして
夜空に取り残される留守番の少女
今日からきみも
誰かの探し物になってしまうんだね
小さなポケットつきの
コートを羽織っていこうとすると
また
ちゃりん、という音で
鍵 ....
人差し指と親指で輪っかをつくって
なにに見える?
かね?
おっけー?
そうだね
そんなもんにも見える
そいつを俺は
親指の角度をすこしずつ手のひらへ
ずらしていって
満月から
半月 ....
赤信号になったので
立ち止まり
振り返って戻った壁に
額をあてる
腐った蜜柑になっていた
昨日の自分の嘆きを
冷えた壁は吸いこんで
振り向くと
信号は青になり ....
いい音は
まいにち変わる
天気で変わる
時間で変わる
気分で変わる
いい音は
うるさくない音
いい音は
静かな音
いい音は
こころにしみる音
いい音は
こころをうごかす ....
お外のお花見は 楽しかったですか
散らかしたままの お部屋の
どのこのハンカチなのか
綺麗にアイロンがけして
小さく折りたたんであるのに
あめ玉でもつめて
ポッケにいれるの忘れたのかな ....
書いては消し、
書いては、
消し、
夜 、
に書いた手紙は朝にもういちど読みかえしてみよといいます、
雪は残らずとけてしまった、私は雑 ....
雨の落ちていく時
私の足音と同じ
ぱしゃりとつながるのが
みえそうな気がして
喜びというものに
出会えたらいいと
信号が車を止めるという
決まりきった約束だけに
心のすべてを捧げていた ....
仕事の帰り道
遅くなって借りた傘をさすと
すこし前を地下鉄のとおい駅まで
歩いて行くふたりは
みんなにこそこそかげぐちを言われてる
おんなのひとのほうはついこないだ
離婚した
おとこ ....
寝ている隙にブーツの中のにおいを嗅いだ
気が遠くなるという言葉の意味を知った
君を好きな気持ちに変わりは無い
寝ている隙に鼻毛を抜いてみた
殺すぞゴラァと胸ぐらをつかまれた
君を好きな気 ....
昔 父さんが庭の木に作ってくれたブランコに
僕たち兄弟が並んで
そうやって
毎日 そうやって暮れるまで
永遠に思えるような時間を過ごした
季節が変わるたびに
短くなっていくのだ ....
俺は相変わらず墓標を背負いながら歩きながら歩いている
お前らにとっては久しぶりだろうが
俺にとってはまあ昨日の今日みたいなもんだ
で、気がついたら
いつも俺の詩みたいな文章みたいなもの ....
さよならは言わない
青葉芽吹く春に
さよならは言えない
銀杏の赤ん坊が指を
くるくると丸めて
いくつも幾筋も
重なり合って
曇り空に緊張感を
旅立つならば
後ろは振り返らない
....
ひつじ こひつじ
1、2、3、4
5、6、7、8
かぞえても かぞえても
こひつじ
いくらでも どこまでも
こひつじ
そんなところで
ねてくらしたい。
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