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長い間
体は魂を入れる器だと思っていた
時には大切に出来なかった
だけど
こんなにも長い間
私の意思を全うしてくれる
体をロボットだと考えると
その並々ならぬ献身に
なんだか泣けてきた ....
炬燵に
父がいないことに
やっと慣れた
十年かかった
もっと前に
いなくなった白い猫は
今でもたまに
コンビニ袋になって風に舞っている
スーパーに行って
ドッグフードの棚の横を通ると ....
後ろで手を組んで
足をそろえて
ちょこんと立つ女の子のように
春が遠くで見ている
少し
体を傾けて
小さく笑いながら
晴天だけど
風が冷たい日
心の中が
いい混ざり具合で
少しウェット
生きていくことが
不意に空しくなる瞬間と
空の青さに
ぽっかり無心になるハザマ