4:42AM
きみがてのひらで
目かくしをしてくれる

いいにおいのする
やわらかい暗闇が訪れ
どこかで
列車が動きはじめている

八月の終り
きみがてのひらで
目かくしをし ....
信州の夜が残暑の汗を奪って行く

アース・ウインド&ファイヤー 4番目をリピートして

三つ先の信号機の止まれが次々と青に変わり 自分の番まで来た

この心地よさ


明日も同じだな ....
ヨシキリザメが泳ぐ
ちいさな町の
ちいさな家の二階に
海はひそんでいる。

右手で白い幅広の帽子をおさえ
車椅子にのったおんなが
吹き荒れる海をみつめて
V字に固まった左腕と
尖った ....
重ね合わせた掌に のせる想いは煙り
ろうそくと線香の火に 日常が遮断される

目を閉じ 心の奥に目を落とすと
闇の中にかすかに
小さな子が 手を合わせている
幾人いるかは 暗くてみえない
 ....
筋肉痛に薬をぬりこむと
段々 痛みが薄くなる
不思議だ
そういうものだから買ったのに
神経が感じなくなる痛みに
漠然とした不安がひろがる
しかし 不安より生活だ

とにかく痛まなければ ....
暑い日が続いている
逃げ水がゆらゆらとして近づけない
今年のお盆を迎えた

斜陽が眩しすぎるかのように
家族というものから目を逸らしていた時期がある
自らの病や
家族を形成する人々の ....
おかあさん
おかあさーん


わたしを産んだ日は
晴れていたと聞きました
満開のサクラ
初夏のような西陽のなかで
汗をかきながら
わたしを産み落としたと。
産院の名前を覚えています ....
今年も帰って来ないか。
と、隣り その隣りの家の 墓掃除に来たと言う。

ボトルの水滴を拭き取り
口に含み微笑む

恋しくて
無言のままに 人恋しくて
老いたその指で 草を抜く
何もない
やるべきことが何もない
ぼんやり庭を見ている
小学校入学前で
幼稚園に通っていないぼくは
兄たちが学校に行っていて
遊び相手がいなくて
やるべきことが何もない

ぼんやりし ....
ここに
ひとつの 針金があって
あなたの指は
それを
曲げようとする

針金は うねうねと まがって
あなたの指も うねうねと 曲がる

道を曲がっても
あなたを 見つけること ....
カップヌードルがのびるまで
あなたのこと考えてた
かなしいけどおなかがすくから
ズルズルと

涙がでちゃって
おなかがいっぱいなってこころがすっかすっかになって

日常はなんとなくすぎ ....
きみは
わたしのように怠惰ではないから
ひとりだけ
おとなになってしまった

きみに
あいたくてあいたくてあいたくて
なみだがでるけれど
かりそめに
いきるわたしは
きみの思い出に ....
夏休みが、
明日から休むから
よろしくね!
そういい残して風に乗り
青空の彼方へと飛んでいった

よろしくね!
と言われても
わたくし、天道虫としては
なにをどうすればいいのか
そ ....
患者相談室の看護師さんは
物品を受け取らない
公立病院だからね
規則上も実際もそれは厳しく守られている

けれどあまりにもいつも何でもないことを
どうしようもないことを
よしなしごともあ ....
ぼくの声を
受けとめて
返してくる
きみの息づかいが
ぼくの耳のカタツムリに届き
回転滑り台をおりて
胸にまでくると
安心する

迷うことがあると
きみに電話で話す
話すだけで何 ....
温かい営みの後で
身体が小刻みに震えていて
心を引き離そうとする
宙吊りにされたロマンティックな機械が
風ではない力によって
ゆらゆらと揺れている
もう時間が来たのだと
その時に思う
 ....
ちりとりのゴミを玄関の外に捨てると
蝉が羽化に失敗して 転がっている

またか
この時期 たまに見る
壁によじ登っては 落ちる 蝉 とんぼ

ぐちゃぐちゃに柔らかくて 体に触れない
死 ....
宵の静けさが
夏のためだけに
風鈴を鳴らすので


ひとり
耳を澄まし
感性を横書きする
画用紙いっぱいに水を塗り
そしてその水の乾かぬうちに

空を描き
雲を描き
僕を描く

風を描き
花を描き
君を描く

すべてのものの輪郭が
水に滲んで溶けあって

 ....
知恵の輪は2つでひとつお互いの隙をかさねて溶け合ってゆく


陽を透かし夢幻の彩を紡ぎだす色無き二重はカゲロウの翅


夢にむかう列車を乗せた二本線つかぬはなれぬ轍のこころ

 ....
時計は午前1時
もう駄目かも知れなかった
この仕事は 僕を
苦しめるだけ


遠くに稼働する
工場の光
この生き方を選んだ
僕がいた
石ころひとつ置いてきた
あなたの庭に

あなたがいないあいだに
そっと

昨日もひとつ置いてきた

一昨日もひとつ置いてきた

その前の日も置いてきた

どこにでもある ....
何も知らない 僕 と
何も知らない 君 を
乗せた船 は 深夜
港を出る

世界は丸い とは
限らないので

行き着く先は
誰も
知らない
ピアノ弾くあなたの指を
私はじっと見つめている

ときに優しくときに激しく
流れるように囁くように
指は{ルビ水面=みなも}を
夜の水面をはじいて動く

私のためにだけ{ルビ一夜中 ....
歩いていました

水平線は見えません

とても見たかった水平線は
霧に隠れて 今日は いません

知っていました 本当は

ここは霧の浅瀬
いつもいつもけむっています

 ....
とある宗教に誘われて断りました。
それで なんとなく宗教について考えています。
うちは 神棚と仏壇があり 毎朝 御水と御茶 ご飯などを
お供えして先祖を拝みます。実家も同じです。
嫁にきてから ....
 おれの才能はただひとつ
 きみをほんとうに好き、と
 死んじまってからでも言えること。

玄関の横の向日葵の鉢植えの横で
腹筋しながら光っているのはホタル。
奴が男でも女でもどうでもいい ....
今日も海に出かけた
遠くに 見ているものが
遠のいていくような風景の中で
一人 目を閉じていると
魚が跳ねた音がする
ぼくの才能は
ただ
ひとつ
きみを
ずっと
ほんとうに
好き

言えることだ
玄関の横の向日葵の鉢植えの横で
腹筋運動をしている奴がいる
奴が男なのか女なのかは分からない
(ホタルは、男が光るんだけどな)
分からないそいつは
無意味ともおもえる腹筋運動を続けている
 ....
唐草フウさんのおすすめリスト(3621)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
目かくし- はるな自由詩712-8-30
アクセル- ぎへいじ自由詩3*12-8-29
くじら帽子のおんな- 草野大悟自由詩4*12-8-26
うたかた- 砂木自由詩17*12-8-26
かもね- 砂木自由詩6*12-8-24
家族でありたくて- かんな自由詩9*12-8-15
祈り_〜八月生まれの母へ〜- 銀猫自由詩13*12-8-15
盆花- ぎへいじ自由詩5*12-8-15
何もないのに- 殿岡秀秋自由詩412-8-15
針金- いてゆう自由詩112-8-14
かがみよかがみ、あたしは元気です- じじ自由詩20*12-8-12
そっと- 竹節一二 ...自由詩112-8-5
夏休みの「なつやすみ」- 草野大悟自由詩2*12-8-5
ポケットの中に- 小池房枝自由詩10*12-8-2
メールより電話がいい- 殿岡秀秋自由詩412-8-1
即興情熱- rabbitfighte ...自由詩312-7-30
どんでんがえ_し!- 砂木自由詩19*12-7-29
夏(ひとり)- かんな自由詩6*12-7-29
水絵- ルナク自由詩412-7-28
二重星- ルナク短歌812-7-28
シャツ- 番田 自由詩312-7-28
石ころ- ルナク自由詩1012-7-27
船出- ルナク自由詩312-7-27
小夜曲- ルナク自由詩612-7-26
霧の浅瀬- ルナク自由詩512-7-26
宗教_みたいな?- 砂木散文(批評 ...13+*12-7-22
ホタル、きみはもう真っ裸じゃないか- 草野大悟自由詩6*12-7-18
レインボーブリッジの下で- 番田 自由詩212-7-17
才能- 草野大悟自由詩2*12-7-16
骨折ホタル- 草野大悟自由詩3*12-7-16

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