「どうしようもない」が「どうしようもない」に
くどくどいちゃもんをつける梅雨
も一人の「どうしようもない」は
冷蔵庫とクーラーを両手に従えて
濁流の中へとんでゆく。

「どうしようもないね ....
赤い雲が青空に溶けていく
さなぎの上に 初めて羽をひろげる鬼ヤンマ
透明な四枚の羽と 複眼に陽が射す
洗濯ものを 外に干す

水辺の近くに立つ 銀の洗濯棒が光を集める
風波をかぶる池の石  ....
嫌なことがふりかかると
時計仕掛けの人形のように
鳩尾のあたりに
現れるのは
何だろうか

黒い服を着て
蒼い顔をして
胸の中央に漏斗を置いて
彼は悲しみの液を注ぐ

注がれてぼ ....
今日、ふと気づいた事があります

空の色や雲の色 月の形に
文句をいう人はいないな、と

それは何故かと思考を巡らせてみれば
すぐに答えは見つかりました

長い間一緒にいすぎて
 ....
つまるところ
どこまで飛んでいけるか
それが
この夏の大いなる課題であって
個々人が
どう生きてゆこうが
知ったこっちゃねぇ
ということなのよねぇ、最近は、とくに。

じゃあサ
あ ....
むっくりと太った柴犬がのしのしやってくる
なんかその照りぐあいは
焼きたてのチョココロネのようで
ぎゅっと抱きしめたら
頭からぽろりととれて
チョコクリームがどっさりでてきそうだ

チョ ....
抱えきれない秘密を携えて歩く
頬をなでてゆく風さえ感知できずに

あの夕焼けは何だろう
燃え落ちていく太陽が近くて
僕は崩れ落ちそうだ

愛することと憎むこと
表裏一体だなんて陳腐だっ ....
死に行く体を抱えたまま

どこまで歩き続けるのだろう



青い乳房を抱えたころの私は

遠い昔

何を考えていたのか



励ましの言葉を発したいと思うのだけれど
 ....
わたしがスイカを食べる
それが血液となり
まだ小さい
息子のご飯となる


不思議だ


息子は確かに
わたしのお腹の中にいて
わたしの作った卵から
生物の進化を経て
生まれ ....
ざっそうは
おしえられなくても
はえてくる

パンダのシンシンは
おしえられなくても
じゅにゅうする

ちのみごは
おしえられなくても
ちちをすう

わたしは
おしえられない ....
朽ち果てた体と心をもち
屈伸運動を続けています
 今からいくのです
わたしは裸で川を渡り
いくつもの手にそれを触らせ
堪えきれぬ恐怖を感じつつも
一歩一歩地に沈んでゆくのが  ....
たった
ここからここまでのどこにでも
どこからでも
たった
ここからここまでで
どれだけでも
どこまででも
黒い木陰に巣くう羽根音
砕いた殻墓 添うて鳴く

まみれた草にのけられた
くちばしこもり 膝の上

はばたき とどまり うちふり さえずる
影に塗る 黄緑 黒 音は チチチッ

うま ....
闘いの布石をする
陣地を作るために
白石を置いても
ほころびはでる

黒い石を
囲んだつもりが
逆に囲まれて
陣地が取られそうになる

碁盤の闘いのひとところ
先を読むために重ね ....
紫陽花は泣くのだよ
七色にかわってゆく自分を
雨の中でしか輝けない自分を
泣くのだよ

ももいろに咲くひは
あれど
うすむらさきの想いで
ばかりは
せんなくて
なんだよ
心をば
 ....
車に乗り込むと会社に向かう
いつもの出勤時刻
晴れた朝は 陽ざしがまぶしい
光を避けて 道路を走る

段々と 車列がのびていく
大きな車も小さな車も車間距離は同じ
列のスピードに合わせて ....
狭い二またの路地の
一方を歩く
袋小路だった
道を戻る
時間を無駄にした

往って戻った時間は
本当に無駄だったのだろうか

袋小路の突き当たりで
強い香りに振り返った
箱庭なの ....
暗く
うっそうとした
朝に
あなたの手が
すうっと
のびてくる

顔のまんなかに
みずうみはある
まつげかすかに
風にゆれ

返し忘れた本
窓辺 の 「ね」

つのる 想 ....
知らないよ
そんなもん

夢をもて
なんて
むせきにんなオッサンやオバハンや
センコウや家族はいう

知らないよ
そんなもん

あんたらがいう夢とやらは
化石みたく
とおい、 ....
さくら色の
朝まずめに
わたしは
やたらおおきな
あなたを
釣りあげたわ

あなたを
狙ってたわけじゃないけど
ビギナーズ ラック??

ラックはアンラックって
そのとき海はい ....
何もない
風だけが 吹いていた
夜の食べ物が
遙か彼方から迫っていた

休みが欲しい
一日中日差しを 浴びたい
とても疲れていた だけど
そう思うのは 何故なんだろう
明けない夜はないが
晴れない朝はある
止まない雨はないが
笑えない昼はある
暮れない一日はないが
つれない人はいる

そして夜
幾つもの夜を耐えて
人は強くなると言うが
ちびち ....
小さい頃ボロボロの毛布をいつも持ち歩いていた

名前はぷーぷーちゃん、と言った

幼稚園に行く時もお出かけする時もいつも一緒だった

小学校に上がる時

「もうおかしいからね? ....
わたしは
ただ
きみと
一緒の
空間にくらしたいだけ

ずっと  そう
ただ きみと 一緒の 空間に暮らしたい だけ

中学二年のころから ひたすら それを 願っている
のです が ....
スピード感を着た〈ち〉 は
ねずみの時間を生きているようだ

暇は肩身が狭い

電脳空間で
ヒマをマヒされられた〈ち〉は
走り続けて
衝突することで終える彗星のように
終わりに向けて
記憶を更新 ....
雨が降っている
傘がない
濡れる

冷たい

ふるえてもいい
のだろうか
僕は

家への帰り道
あと十数分で
辿りつける

冷たい雨

ふるえる前に
拭き取ることがで ....
夜ご飯の支度をしていると
息子が
「今日はなに?」と聞きました
「コロッケだよ、手伝って」
「ああ」

寝そべってゲームをしている息子は
14歳
去年私の身長を抜きました
伸ばした手 ....
森のなかで
きえてゆく向日葵の
吐息が
とても
せつなく感じられるのであれば
きみよ
虹色の風を
もういちど
友にすることだ

光には影があり
影のない光はない
、と
たくさ ....
もう何度も手放したって
笑う
自分の醜さを
あなたに重ねて


無意味な夜を
何度過ごしても
得るものがない
そう思い込んでいた


また季節が過ぎる


星が落ちていく ....
雛は鳴いて 朝露流れる 雲白く
つたのからまる古木 陽が射し
巣穴からのぞく 黄緑の小鳥

アイビーの葉陰をすりぬけ
近くの木にとまる
尾をうちふり チチチッ

おはよう ナギ

 ....
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夏だ!- 草野大悟自由詩2*12-7-15
光る影杖_- 砂木自由詩18*12-7-15
胸の番人- 殿岡秀秋自由詩712-7-15
恋文- 三奈自由詩20*12-7-15
枯れてゆく青空は- 草野大悟自由詩2*12-7-11
チョココロネ犬- 灰泥軽茶自由詩10*12-7-11
風が爽やかな夕刻- kauz ...自由詩13*12-7-10
人生はセンスとリズム感が必要だと思うの- 初代ドリ ...自由詩6*12-7-10
スイカ- 小原あき自由詩13*12-7-10
パンダのシンシン- 小原あき自由詩7*12-7-10
行ってきます- まきしむ自由詩7*12-7-4
鍵盤- 美砂自由詩6*12-7-1
ヒキナギの唄- 砂木自由詩15*12-7-1
白と黒との闘い- 殿岡秀秋自由詩512-7-1
紫陽花のころ- 草野大悟自由詩5*12-6-18
光る車の窓- 砂木自由詩13*12-6-17
袋小路に咲く花- 殿岡秀秋自由詩312-6-15
気配- ふるる自由詩9*12-6-13
夢という劇薬- 草野大悟自由詩2*12-6-8
まずめどき- 草野大悟自由詩1*12-6-6
欲望は味方- 番田 自由詩212-6-6
ルフラン- nonya自由詩25*12-6-5
ぷーぷーちゃん- 永乃ゆち自由詩8+*12-6-4
望み- 草野大悟自由詩2*12-6-4
わずらった〈ち〉- 阿ト理恵自由詩6*12-6-4
冷たい雨にふるえる- kauz ...自由詩6*12-6-3
コロッケ_その2- ふるる自由詩13*12-6-3
虹色のひかり- 草野大悟自由詩5*12-6-3
情熱- さき自由詩512-6-3
ヒキナギ乞う唄- 砂木自由詩22+*12-6-3

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