わたしは生まれながらの嘘つき
嘘泣きをしながら生まれ
嘘泣きに囲まれてこの世を去る


わたしの金属
わたしの針
わたしの金属の針
わたし自身


屋上のわた ....
夕焼けの海辺には
この世の終わりを求める人々が集う
だが終わるのは夕焼けのみで
皆とぼとぼと何処かに散ってゆく
蜘蛛に触れたい
蜘蛛に
あなたの脳に棲みたいと言われたら
空けてあげたい


雀に触れたい
雀に
あなたのうなじに棲みたいと言われたら
開けてあげたい

 ....
地図を描こうとすると
夜は止まる
胸も水も
苦しくなる


鏡に映る
さかさまではないもの
最初から最初から
さかさまなもの


夜の皮をつかんで伸ばし
夜で ....
土煙(つちけむり) 
積乱雲 
四季の狭間、の十字路に立つ
深夜、明け方の少し手前に、このマンホールに飛び込むと
黒々と波打つ日本海へと通じるトンネルになっている、らしい

陸橋の塗装に書 ....
テントウムシ、いのちの星、
尽きることが、もうすでに約束された、
きまぐれな、
昼さがり、
あたたかく、けれども冬にちかい、
秋の太陽が微笑んでいる、
そのえくぼから産み落とされた、
く ....
友よ、と言った君の声をこの耳は聞いた
この耳を大切にしたい
けれども声はすぐに去っていった
彼方へ、とあの人も言った
あの声をそっと眺めていたい
けれどももうここにはなく

日々打ち上げ ....
フォーラムにいらっしゃるみつべえさんからいただいた個人詩誌『卵』11号に、電子詩集作成記があり、私信でおっしゃるには「簡単ですよ」とのことで私も作ってみたくなりました。
文字を電子書籍向けに変換した ....
わたしたちは歩く
可笑しなことはないのに
となりできみが時々ちいさく笑う
(なにか間違っている?)
でも訊くことなんかできない

わたしたちは黙って歩く
おおむねすべてのひとたちは
 ....
宝石のような羊羹にフォークを入れる
思い出の栞に突き当たる
透明だった羊羹が揺らぎ始めた

深夜3時のアスファルト
波打つ海の深い色
リハで使ったスタジオの匂い

あの頃の君は君のまま ....
約束に約5分遅れる
シロップロックアップサイドで会う
こめかみ
みだりに髪
かみしめる一言
会いたかった……

すうーっと楽になる午後だ
この緑色したミントの束で叩けば
色んな音がし ....
とうとう名を知らないままその人はいなくなった
知る機会は色々あったのだが
誰かが呼びかけるのを
耳にしてもすぐ忘れて
次があるしと思っていたが
次はなかった

寡黙なその人は昏い目をして ....
午後を歩き
空を吸う
斜めの鉛芯
やっとひとつの島を巡る


空から落ちる花の軌跡
声はずっと声のまま
水たまりの上を旋回し
宙に桃色の輪を描く


雨の明るさ ....
サーモンピンク
色した指先で
鍵盤を健気に押して音楽
空は明け方のおおらかさ
赤ん坊の鼻息がぷうぷう

一緒に朝食
きゅうりってこんなに薄く切れるんだね
とあなたが感動している
こと ....
子どもだからと置いていかれた
それでもそっと覗いて見ていた
あなたと私
繋がらないまま黙っていた
想像していたよりも良かった
でも と言い淀んで
私とあなた

すぐに来るからねとうなず ....
たまには近道を通ったほうがいいと
私の手を引いて 導く人がいる
私は
どこかへ行こうとしているのか
どこかへ帰ろうとしているのか
その人に 手を握られ 腕を引かれた瞬間
わからなく なって ....
毎日死んで
毎日生きかえる
どこまでつづくのか
この微細に拡がる
脳という名の血の海は
夜のとばりをバリバリとかじり
新しい鳥が生まれる
生まれながらにして重要
で不確かな自由を継承
ピカピカの街の看板に降り立つ
翼で指図する
お前はあっちでお前はあそこ
立っていればそのう ....
鎖がちぎれた
小さな金属の欠片を遺して
白い雲になれたのなら
本望なのだろう

スーパーマーケットになんて
来るんじゃなかった
どのコーナーに行っても
おまえが刺さる
サーモン
チ ....
笑えないのがいけないのか
笑われることがだめなのか
春の夕陽が斜めに校舎を切り取って
ぽかん、とそこだけ取り残されたような
学童保育の真ん中で
君は三角形に座ってぼくのお迎えを待っていた
 ....
かまぼこのカーブはいつまで美しいだろうか

遠くに霞んでいるトンネルの入り口
小雨が降りはじめ暗い匂いがする 
黒く濡れた何かが静かに入ってくる

そんな車からさっと降りた
姉さんは真っ ....
コインランドリーの特徴的な匂いが彼の持ち味。
君は綺麗だとは言うものの斜め後方から。
日曜日の午後はいつも小雨の降る街で手を繋ぐの。
そんな決まった天候のある街などないと言う常識人。
あの人は ....
秋の雨が窓を打つ
静かな音の中
君の寝顔を間近で見ていた
冬の厳しさがすぐそこにあり
空気は冷たく
一向に縮まらない距離に悩んでいた
近付けば逃げるのに
留まると残念そうな顔なのは何故
 ....
   ※


おだやかな風に吹かれて、
花のように、首を、傾ぐ、
どんな僕でも、
やわら かく、
包みこんで、しまい、そうな、
陽だまりのような、
あなたの、
いちまい、


 ....
随分と明け暮れた
袖が長くなった
言葉は短く
体毛は薄く白く
はかないものに近づいていく

そんな母に高齢の魔女たちが詰め寄り
うらみつらみの思い出話に花は咲かずに散りしきる
というよ ....
肩を抱きたい 肩を抱きたい、
麦わら帽子 夏のワンピース 黒髪
もてあます上唇を
さらにもてあます下唇が支えている
清楚な肉厚の均衡
開かれて不意にホワイトニング 鈴の音のようなホワイトニン ....
夜明けに立つけだものが
空を掴んでは離している
虹の足音
虹の足音


月は森に居て
径は光に流され
まぶたは眠り
さらに 昇る


何もない昼の空
 ....
 一段下がったこの一行目を歩くみちゆき
二行目には何かの展開が来るはずで
三行目ははなから期待してなかったけど
四行目の隣に
       かわいらしい花が咲いている
のを見ていたら六行目に ....
ひとひらの葉を森に隠すように  ひとつぶの砂を海辺に隠すように 

胸の奥に隠した いつかの傷が 
桜の 花びらといっしょに   風に 飛ばされた  

春の  並木通り
夜がやってきて
水槽を満たす

僕らは語りあう
想い出を あるいは
それに似た何かを

僕が君が僕が忘れないように
君が僕が君が忘れないように

水槽の中
青や緑にゆれるもの
 ....
唐草フウさんのおすすめリスト(3967)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
人よ_わたしは(メドレー)- 木立 悟自由詩422-12-1
ノート(終わり)- 木立 悟自由詩522-12-1
ノート(蜘蛛_雀_ヒト_霧)- 木立 悟自由詩322-12-1
水の地をすぎて_Ⅲ- 木立 悟自由詩122-11-21
帰る前に- XIAO自由詩622-11-16
いのちの星より- 本田憲嵩自由詩522-11-3
- ふるる自由詩10*22-10-26
電子詩集を作ってみたよ- ふるる散文(批評 ...322-10-26
羊雲- 自由詩18*22-9-11
羊羹- XIAO自由詩122-9-7
シロップロックアップサイド- ふるる自由詩2*22-9-3
あの人- ふるる自由詩722-8-24
曇間と門前- 木立 悟自由詩222-7-19
音楽- ふるる自由詩322-6-30
水辺- ふるる自由詩9*22-6-18
私たちの近道- りす自由詩1022-4-29
ノート(脳Ⅰ)- 木立 悟自由詩122-3-10
別れのために- ふるる自由詩7*22-2-21
のんちむ- 佐野ごん ...自由詩3*22-1-11
笑える日、笑えない日。- ちぇりこ ...自由詩6*21-12-23
運動_それから- ふるる自由詩1021-12-18
写真- ふるる自由詩4*21-11-30
記憶の部屋- ふるる自由詩9*21-11-22
玉葱- 本田憲嵩自由詩221-11-14
財産- ふるる自由詩5*21-11-13
ワンピース- 本田憲嵩自由詩821-9-23
左目_この世の果て- 木立 悟自由詩921-8-14
みちゆき(ブラウザにより意味不明になりますすみません)- ふるる自由詩6*21-7-20
この春- 末下りょ ...自由詩3*21-7-18
水_槽- 塔野夏子自由詩3*21-6-9

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