うすい水の膜を通して
いちにちの過ぎるのを待つ
泳ぐに泳げない、
不器用な蜥蜴の成れの果ては
にんげんに良く似ているらしい


わたしは髪を切る
意地の悪い快感をもって
不運の絡 ....
掛け軸の後ろにあるものは
じっとしている

いらないと仕切られた上に
何がかけられたのだろう

絵は語るのだろう
字は話すのだろう

ただ外と中を区切り
支えるだけでは
満たされ ....
ヘンゼルとグレーテルは
かしこさとかわいらしさで人気だけど
ほんとのところは
名前がよかったんだと思う

ヘンセルとクレーテルだったら
だめだったと思う
魔女にも勝てないし
道にも迷わ ....
うわあちょっとすごいじゃない
もうこんな素敵な風景に
すぐさまさるぐつわをかませ
何もしゃべれなくするんだ

そして静かに、静かに

風景が
あたしの中に
満ちる

まで

 ....
聖なる夜のイブにだって
血は何リットルも流れる

殺人てわけじゃなく
輸血用の血が無駄に捨てられたってことだけど
ニュースで言ってた

それを聞いたからってわけじゃないけど
聖なる夜に ....
うすむらさきの雲の向こうで
夕日がしずむ
水羊羹の表面を
スプーンですくうように
なめらかな冷たさを泳ぐ

信号機が ぱっぽう、と
くりかえし諳んじて
歩道橋はひとの重みにたわむ
み ....
ねぇ、知ってる?
あの空も
この言葉も
本当は何もかもパプリカなのよ
私の創り出した世界

(レプリカ、と言いたい?
な、なに言ってんのよっ
パプリカよ
決まってるぢゃないっ

 ....
人参の切れっぱしは北の窓辺
日に日に伸びていくやわらかな葉は薄明かりの中で
光を もっと強い光を
その葉先で探しながら
窓の外を見つめた

細い白い根を水中に這わせて
オレンジ色は痩せて ....
隣の部屋のカップルは
毎晩遅くまで話をしている
笑い声がわたしのベットまで聞こえていて 眠れない
わたしは耳をすます

彼らがセックスをするとき
わたしは自分の恥部に手を当てて
そこから ....
 ナスがなった
 まだ小さい
 そっと撫でた
 冷たかった
 夏の音
 風が聞こえる
 雨は降る
 土は湿り 葉は大きく広がる

 ナスがなる
 まだ小さい
 重そうに 頭は ....
カラリ カラリ

氷がゆれる朝

アイス珈琲がにがい

曇った静かな火曜日

勤勉な僕ら

連日の触発に

発酵できそうさ



「せめて美化しないように」

でも ....
喧騒のなか
細い雨のメロディ
梢にしがみついて
姿を変えてみる

みんな
どこへ向かうのだろう
遠い、稜線をこえて
あしたも、あさっても
きゅうに
手をつなぎたくなって
あなたの ....
そうかこれからはもう
小さな公園で手をつなぐこともなく
いつまでも手を振って明日また会うことを
誓わなくなるんだ

僕らの道は花
風にゆれておぼつかない
緑に光る茎や葉っぱ
時々は誰か ....
ずん、と重くて
食べづらくて
あーもうめんどくさい

でもでっかくて
うんとあまくて
食べ終わるころには
しあわせ
さしみこんにゃく
さしみこんにゃく
さしみこんにゃく



と3回唱えると

アラ不思議


すこし笑ってしまう
空の低いところ
まる が
貼り付くさま
きれい
薄紫の
ほくろ ぴたりと
空に寄り添って
引き摺られながら
消えた
また地面の下にゆくね
私の知らない裏側に
混ざりにゆくのね
 ....
水槽の底の
薄く撒かれた石床を
胸に抱えたまま
いつまでも
眠りにたどりつけない

硝子の鏡面に映る
瞳の奥、の奥
私は
銀色のマトリョーシカを
組み立てる

+

あなた ....
一里のヒンバがめおととなって
丘を下り始めたとき
二里三里ともおそらく
自らの距離をもう距離とは言えず
巨とか凶ばかりがやたらに目に大きく写り
逃げ出したいのをぐっとこらえるがもう
一里の ....
さといもの葉の上を
するんするんと滑ります
あ、
  (あ、)
水滴、すいてき、てきてきてき、
曇り空の弱いひかりに
あなたの瞳はうるんできらめく
つかみどころのない
あいのことば
 ....
愛も
そこにあるうちに
当たり前になっていく
わかるかい

勇猛な
ペリカンの後ろ 少し離れて
ぞろぞろ歩く人の群れ
小魚が
落ちていればいただきます

世界は
どこまでプラス ....
この世にひょい、と
生まれたわたしを
どう思おうと
わたしの自由

どう思われても
わたしは自由

つまりは
すべて、予定のとおり

未定という名が
いついつまでも
 ....
空の背中に
茜色の翼が生えて
夜が終わる
オーケストラの余韻のように
薄れゆく星たち

ああおはよう
今朝のミルクはいつもより冷えて
そんなことが
秋へと読み進むセンテンス

明 ....
 むかしむかしと言っても、きのうのきのうくらいカマキリ一家が仲よく草むらの中でくらしていました。今日も父さんカマキリがかりにでかけていきます。「いってらっしゃい。」と母さんカマキリ「いってらっちゃーい .... さざんかの咲いている道を下っていました
私は光るペーパーナイフをたずさえて
ナイフはとてもよく切れるのです
手紙の封
白い手紙の封をサクリと

その手紙には何が書いてあったのか
今忘れる ....
父の死んだかたわらで
妹をあやす姉


こどもを亡くした朝に
家族のためにあくせく働く母


ぼくたちの町


生活が
続くところまで続いていき


夜の暗い背中を
 ....
花束をもらったのは
もう随分前のことだ
大きくて赤い
松明のような花そのあかりが
次第に痩せて暗くなっていくのが
寂しかった

怪我をして入院中
病室まで訪ねて
炎のような花束をくれ ....
萌え、

奴らには判らない
のだ。

ホストを囲んでドンペリが最高だと信じている
煌くシャンパンタワーを前にした
派手やかに着飾った色カノ、
そして何を隠そう・・・・この俺だって
 ....
紙面に置いた言葉をアラヨッと摘み
ゴミ箱へぽいと捨てるのが仕事で
きまぐれに雄たけびを上げる「静」もあれば
偽ったままひっそりと横たわる「暴」もある。

いつのまにやら
言葉よりも映像が好 ....
道路わきに
手足の長い虫
細い翅を斜め上にひらき
まさに離陸の準備

あの流れ行く白い雲へも
あのぽわぽわした仔猫の耳の上へも
行けるんだよね
いやいや恋人と
あの素敵な青葉の陰で
 ....
言葉を書いている
何を書くかなんて決まっていない

昔のことを思い出している
何を考えていたかなんて覚えていない

人のことを考えている
それは誰を思い出そうか考えていた

僕は
 ....
唐草フウさんのおすすめリスト(3355)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
とかげ- 銀猫自由詩13*09-6-22
家、巣- 砂木自由詩6*09-6-22
ヘンゼルとグレーテル- ふるる自由詩3*09-6-19
素敵な風景- ふるる自由詩3*09-6-19
カプセルトイ- ふるる自由詩209-6-19
はるか- ことこ自由詩4*09-6-19
ぱぷりか/ぱぷりこ- 佐野権太自由詩12*09-6-19
水栽培- 照留 セ ...自由詩209-6-19
夜のベランダ、マスターベーション- とんぼ自由詩409-6-18
- doon自由詩11*09-6-18
やさしいトリッキー- 蝶澤自由詩5*09-6-17
さよなら、鳩- 佐野権太自由詩17*09-6-17
ワンピースがゆれる時- ふるる自由詩8*09-6-17
恋はあげパン- はちはち ...自由詩6*09-6-17
蒲団の中で考えたこと- shu自由詩509-6-16
太陽浴- 佐藤真夏自由詩9*09-6-16
窓辺に眠るさかな- 佐野権太自由詩19*09-6-16
一里のヒンバ- ふるる自由詩4*09-6-15
さといもの葉の上を- ことこ自由詩6*09-6-14
ペリカン・ボード- umineko自由詩7*09-6-14
不時着- 千波 一 ...自由詩4*09-6-14
耐性- ふるる自由詩8*09-6-12
(子どもが書いたお話です。題名はないそうです。)- ふるる散文(批評 ...4*09-6-12
ペーパーナイフ- ふるる自由詩2*09-6-11
水のない空/生きた旅人- 石田 圭 ...自由詩1309-6-11
赤い花束- ふるる自由詩14*09-6-11
クリュッグVSドンペリニョン_☆- atsuchan69自由詩15*09-6-10
タブロイド- pur/cran自由詩2*09-6-7
- ふるる自由詩6*09-6-5
書いている。- プル式自由詩4*09-6-2

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