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時計 重なり
燃える 時計
開いては閉じる
空の草の目


声と空蝉
途切れ途切れに廻る世界
光っている
触れるものすべてが光っている


夜を動かそうとす ....
一本の指がしっかりと
屋根のすべてを締め付ける
風のものではない揺れが
屋根から屋根へと歩き去る


雪のかけらが息にからみつき
寒く苦しく
苦しく寒く
径の行方に降 ....
わたしは生まれながらの嘘つき
嘘泣きをしながら生まれ
嘘泣きに囲まれてこの世を去る


わたしの金属
わたしの針
わたしの金属の針
わたし自身


屋上のわた ....
夕焼けの海辺には
この世の終わりを求める人々が集う
だが終わるのは夕焼けのみで
皆とぼとぼと何処かに散ってゆく
蜘蛛に触れたい
蜘蛛に
あなたの脳に棲みたいと言われたら
空けてあげたい


雀に触れたい
雀に
あなたのうなじに棲みたいと言われたら
開けてあげたい

 ....
地図を描こうとすると
夜は止まる
胸も水も
苦しくなる


鏡に映る
さかさまではないもの
最初から最初から
さかさまなもの


夜の皮をつかんで伸ばし
夜で ....
午後を歩き
空を吸う
斜めの鉛芯
やっとひとつの島を巡る


空から落ちる花の軌跡
声はずっと声のまま
水たまりの上を旋回し
宙に桃色の輪を描く


雨の明るさ ....
毎日死んで
毎日生きかえる
どこまでつづくのか
この微細に拡がる
脳という名の血の海は
夜明けに立つけだものが
空を掴んでは離している
虹の足音
虹の足音


月は森に居て
径は光に流され
まぶたは眠り
さらに 昇る


何もない昼の空
 ....
眠りの手からこぼれては
目覚めの音に降りつもる
光むく横顔から生まれ落ち
此処がまだ午後と知る


真上より
少し北に下がる月
うろうろと
川を流れる


空の ....
宝という宝を
隠してまわる
乳とくちびる
紙の拘束具


科学から きらきらと
こぼれ落ちるもの
分度器と海辺
浪あおぐ 風あおぐ


噛みつかれないよう
互いにふわ ....
もうひといきだ
ひともどきまで
もうひといきだ
しかし骨が光になってゆくのは
水たまりが渇くより早いものだ

















 ....
瓶はこちらを向かなくていいのだ
羽をたたみ 地に降り立ち
夜のむこうの夜を見ていればいいのだ
線を踏んで 花の内
爪先立ちの 花の内
花を 花を
他から多へ


掴もうとする手の反対側へ
しずくは落ちて 落ちてゆく
膝を折り 倒れる鏡
映るものは空と地ばか ....
またたき またたき
またたきの音がする
しびれているのは 右か左か
どちらの目なのか
両方なのか



左足を咬まれて
愉快でたまらない
左足の内に 咬んだものが潜 ....
考えても仕方の無いことを
考えても仕方が無いのだが 考えてしまう


考えて書けってなんだ


書くことは常に
考えの外に在るのだ







 ....
廊下に机を並べてもよいか
と 紳士が言う
あわてて廊下に出てみると
既にたくさんの人が着席している
窓の外の雪景色は
常に上下に動いている
階段の照明は 
意図的に消され ....
氷山にあいた窓に
鳥と気球と蝶がいて
空を見たまま飛べないでいる
ひとつ 逆さのアルファベット


雨の隣には雨
その隣にも雨
雨のむこうの雨
雨のふりをした雨
 ....
花が花を追い
光が光を追う
互いが互いであることを忘れ
互いが互いをくりかえす


雨は雨
ほつれた糸
珠つなぐ音
雨と雨


何も無さをついばむ鴉
 ....
砕ける言葉
落ちる言葉
水踏む言葉
青 青


一度かぎりの拳
海を叩き
波を創り
島の背を見る


子の群れが
原を越える
草の失い 円い地に ....
風と水たまり
鉛筆 かくれんぼ
雨と雪の服
画用紙の端から端


暗い明るさ
午後の未来
胸の苦しさ
十月十日


横ならびの虹と径
賢くない鴉が啄ばむもの
 ....
部屋のなかの折れた櫛を
覗き込む鴉
鉄格子 窓
鉄格子 窓


鏡を照らす鏡
夜を囲む夜
目が痛む 息を吐く
雪が止む


夜に切る爪
赤い中指
罪人の樹の ....
こむずかしいことを言う奴は殺す
わからないことを言う奴から殺す
真夜中にひとり 径を歩いているだけなのに
それを咎めるような奴は殺す


崖の途中にぶら下がる屍体
月と陽 ....
涙を拭いた紙で酒を拭く
鳥か四ツ足か分からぬものが覗き込む
切りつづけ 喰いつづけ
泣きつづけ 呑みつづける


鳥の羽を持つ虫が
命の行方の地図を照らし
在るはずの無 ....
乾くことのない水滴に
静かに静かに築かれる墳墓
月の動きを
見つめている


後ろに手を組んだ花
折れた櫛の先
人々は憤り
道に夜が来る


霧の雪
鳥居 ....
こぼすものなく
こぼすものなく
またひとつになる
雪の花が
雪の手に廻る



遅いまたたきが
音の背を見る
幾重にも連なる
虹の輪を見る


熱くて
触 ....
羽が水が糸くずが
身体の外を巡りつづける
拍手は砕け
曇空を覆う


枯れ葉の手が
枯れ葉を掴む
夜の階段をゆく
ひとしずく


青空のけだもの
降り ....
揺れている時には揺れず
揺れていない時に揺れている
空箱の重なりのなかの本
再び飛び立つ時は来るのか
幼いハリネズミの背に
指を乗せると
ハリネズミが言った
あなたの針は
おかしい
ひとくちの水ほしさに
幽霊は夜に立っていた
眠りと死の違いを
未だわからぬまま


あらゆる終わりに優しさは無く
ただ悲しみばかりが晴れわたる
舟漕ぎ人夫の
沈みゆく ....
唐草フウさんの木立 悟さんおすすめリスト(134)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
白く漂う- 木立 悟自由詩624-8-17
天地天地天地- 木立 悟自由詩724-8-10
人よ_わたしは(メドレー)- 木立 悟自由詩522-12-1
ノート(終わり)- 木立 悟自由詩622-12-1
ノート(蜘蛛_雀_ヒト_霧)- 木立 悟自由詩422-12-1
水の地をすぎて_Ⅲ- 木立 悟自由詩222-11-21
曇間と門前- 木立 悟自由詩222-7-19
ノート(脳Ⅰ)- 木立 悟自由詩122-3-10
左目_この世の果て- 木立 悟自由詩921-8-14
終わりは_居る- 木立 悟自由詩421-4-13
雨無白音- 木立 悟自由詩320-12-14
ノート(骨)- 木立 悟自由詩120-9-16
ノート(瓶)- 木立 悟自由詩320-9-16
夜と歩いて- 木立 悟自由詩220-9-5
ノート(またたき)- 木立 悟自由詩320-8-14
ノート(考え)- 木立 悟自由詩520-8-14
ノート(57Y.6・3)- 木立 悟自由詩220-6-17
水光片- 木立 悟自由詩620-5-22
風_煙_灰- 木立 悟自由詩320-5-9
青_青- 木立 悟自由詩420-4-26
白へ_白へ- 木立 悟自由詩320-3-18
冬とまばたき- 木立 悟自由詩220-1-10
ノート(56Y.11・26)- 木立 悟自由詩519-12-13
火原_けだもの- 木立 悟自由詩319-5-11
ひかり_冬の手- 木立 悟自由詩219-2-17
ひかり_放す手- 木立 悟自由詩219-2-5
ひかり_けだもの- 木立 悟自由詩219-1-22
ノート(本)- 木立 悟自由詩218-12-14
ノート(はり)- 木立 悟自由詩218-11-7
ひとり_ぬかるみ- 木立 悟自由詩618-10-27

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