君と暮らす。
寝起き髪を梳き。
まどろむ10分。

君と暮らす。
欠伸の数を数えて。
駅まで歩く20分。

君と暮らす。
曇るナイフを引いた。
食事する間の30分。

君と暮ら ....
昼夜繰り返される試み
この街が雨で埋め尽くされる頃
呼吸を許されたとき
空っぽの胃
歌う

泣きたい、と
ひっそりのたうつ
こんなにも女(の子)だったかと
雨粒に色を閉じ込める作業
 ....
全部全部ネットの上にあるなんて思うのは大間違いだ
本当に伝えたいことはこんな画面の中にはないのだ
夕暮れの空の色がグラディエーションで変わっていく美しさを
言葉で表現することはどだい無理なのだ
 ....
君がまだ小さい頃
仕事が一段落すると
すこし秋めいた アスファルトを歩いたっけ
まだ うまく喋れない君の
小さな手を引きながら
やっと歩くことのできる君にあわせ
二人で歩いていた
あたり ....
彼氏彼女という言葉を
つい使ってしまう僕らこそ
恋人、という言葉を選びたい

透明な香りのなかに
いかにも誠実な覚悟がある

修飾語が何であれ
その語尾からは
謙虚な羞恥 ....
靴下をはいた雨が
廊下を明るくたどる

つめたいの 爪に隠れる
雨の手

この指で消えてしまうと
笑いこむ 

トタン とたあん

泥つぶ ついた足
で ごめん



 ....
その白い線の上に
立っててね

このへんに
ぼくも立ってるから

ちょっと遠いと
近寄りたくなるし
「やあ!」
と言えば「あ!」と
返してほしくなる

だからその白い線の上に
 ....
夜ごはんは、
コンビニで、ニラ95円を買って、
玉子がふたつあったので、
ニラ玉。
ご飯をたいて。

へやの中は、
いま、
ニラのにおいが充満している。
充満しているなかを、
昨日 ....
赤い感情と青い記憶とを
つむいで
むらさきを織る
夏の恋

ひざまでの深さのつもりで
いつのまにか飲みこまれている
息継ぎに顔をあげるたび
水面にゆれる ほほえみに似た光を
肺にかさ ....
恋慕の奔流に身をまかせるとき
にじみ出していく熱がある

言葉にできないものを
言葉にしなければならないとき
この唇が無力であるとき
胸腔におさまりきらず
とめどない疼き
 ....
朝の浜辺を散歩する 
夏休みの終わりに 
金髪の青年が2人、遊び疲れて 
またを開いてぐっすり寝ていた 

ある意味遊ぶということは 
若人の仕事でもあり 

大人と言われる{ルビ年齢 ....
9月
真夏日
ロックミシンと
直線ミシンに
電気を通わせる
いくつもの
ささくれだった傷を接ぐように
激しくも繊細に
針を打ち込む

壁に拳を壊す
いくつもの
波を立てる
 ....
雲を帽子に四人の巨人が
千住の街に立っている
頚に銀色のネクタイをつけて
黒い服を着ている

ぼくが手をふると
こちらをみおろす
狭い路地に入っても
のぞいてくれる

走る電車の窓 ....
あえる ね

お、 と、
あ ふれる ね


はるか な はる が ね
くる ね のにね の に ね

あ ふれる ね
ほほ ほほ うふふ



ひのな ひの なか ....
 公衆便所に居て男達は
 ずらりと肩を並べながら
 白磁の陶器に降り注がれる小便を眺め
 例えば自分の記憶や感情なんかが
 よくも一緒に流れ出て
 しまわないものだと思う
 溜め息は臭 ....
鏡を見つめるわたしの目の中に、
鏡を見つめるわたしの目が映る。
(ひとみの中で、鏡像が無限に連鎖する。)

鏡の回廊、光線の無限反復。
鏡の回廊、すべてのものを閉じ込める。

瞳のなかで ....
縄が切れた首吊り月のころんころん転がってゆく先の湖

黒猫を振り回している友達と目を合わせないように歩く

容疑者は「月がきれいですね」などと供述しており

日記には月齢を書く欄がある そ ....
ちりちり、ちりん
しゃりしゃらん

秋のはじまりの夜は澄んで
いくつもの水面に映し出される
まるい光を数えて歩きます

ふくらんでいく気持ちが
ぼくの肋骨を、内側から
甘く、うずかせ ....
 
 
カマキリ会社のカマキリ社長は
用件が済むと電話を切る
鎌で電話のコードを切る
以下、カマキリ専務、カマキリ部長、
カマキリ課長、カマキリ平社員
みんな電話のコードを切る
だから ....
菜の花畑
咲きさかり
やまぶき色とみどり色
そよ風と土のかおり
織りあわされる

やわらかな茎の
なかほどで
てんとう虫は
僅かのあいだ
同朋の仔を
確かに見守る

てんとう ....
それはいつもとおなじ散歩道
いつもとおなじ日曜日の
気だるい午後に
わたしは、
歩いているわたしの背中を
見つけてしまった

(あれはもうひとりのわたし?
それともいつもの白昼夢?
 ....
夏が去ったあとのがらんどうに
いつしか白く大きな九月階段が出現していて
そして僕らはその段々の上に
蒔かれたように腰かけていた
ただそこで空を見あげていたり
何かを読んでいたり
歌をうたっ ....
暗くなる前から隠れる所を捜した
冷たい風を避けて 二人は草の茂みに潜んだ
ざああ ざああ 荒れ気味の風が林檎畑を走る

強い風に羽があおられて もっと草の奥へと
二人は入り込んだ
夜空 ....
誰もいない
そこに何もなくなったのかもしれないと思う
何故だろう
言葉は無力だ


詩はどこにある
詩は どこに
だけどこうしていることに意味は何もない
そして 詩は書かれる
 ....
湿度にとらわれた熱量が
肌にまとわりついている

エアコンは嫌いだ
あの冷やりとした
微かにカビ臭い風は
地下の駐車場を思い出す
軟らかにしなだれる
段ボールを思い出す

寝苦しさ ....
妊娠悪阻ということで、
一週間ぶりに病院へ行くと、
点滴は、24時間で、
4本取り替えるらしい。
彼女は、ほとんど、口も聞けないほど衰弱している。


「なんか話して」と言うので、
 ....
ぼく、
透明な夜をみあげます
半透明のたましいを宿して
伸びていく木になります

ほしかったものが、なかなか
みたされないから
ほしくないって嘘をつく
あんなもの、いらない  ....

彼女は晴れの日でも傘を差している
雨を異様に怖がっているのだ
酸性雨を浴びると体が跡形もなく溶けてしまう
という話を子供のころに聞いて以来
ずっと信じているらしい
雨が降り出してから差 ....
陽も暮れきった午後六時
買い物メモを持って靴を履く
切れているのは醤油
それから時計に入れる乾電池
八時には夫が帰宅するので
急がないといけない
台所にはやりかけのパズルが広げてある
電 ....
自転車で
スローダウンして
見上げた初秋の青空に
アオスジアゲハ
自然にまかせて舞おうとする
あなたのようだと思う

今朝気がついた秋は
褐色の落ち葉
乾いて道端に身を寄せ合って ....
唐草フウさんのおすすめリスト(3969)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
『君と暮らす』- 東雲 李 ...自由詩3*11-9-29
試み- たちばな ...自由詩1111-9-24
時間旅行- umineko自由詩13*11-9-24
エノコログサの思い出- 山人自由詩18*11-9-22
恋人- 佐野権太携帯写真+ ...8*11-9-22
影に_ほのか- 砂木自由詩9*11-9-21
性のために- みぞるる自由詩311-9-21
ニラのにおい- はだいろ自由詩511-9-20
なつ、むらさき- あまね自由詩14*11-9-18
夏の終わり、焦がれる- あまね自由詩811-9-18
青春遠望_- 服部 剛自由詩711-9-16
9月/真夏日_針仕事- たちばな ...自由詩17*11-9-16
お化け煙突- 殿岡秀秋自由詩911-9-15
ほほえみ_くすり- 千波 一 ...自由詩3*11-9-14
公衆便所に居て- 田村大介自由詩411-9-14
無限回廊- あまね自由詩6*11-9-13
月世界にて- 春日線香短歌2+11-9-13
明月によせる- あまね自由詩811-9-12
カマキリ会社の皆さん- たもつ自由詩1011-9-12
菜の花畑- あまね自由詩12*11-9-11
二重歩行- あまね自由詩9*11-9-11
九月階段- 塔野夏子自由詩22*11-9-11
銀河の下で- 砂木自由詩13*11-9-11
雨のどこかで- 番田 自由詩211-9-11
月の夜、幻の空(未詩・独白)- プル式自由詩11*11-9-10
ピンクのハートマーク- はだいろ自由詩1511-9-10
秋の夜はいつわりを許さない- あまね自由詩1211-9-10
彼女らはいずれも澄み切った声をしていた- 吉田ぐん ...自由詩2611-9-10
船に乗る- 吉田ぐん ...自由詩2511-9-9
アオスジアゲハへの手紙- たちばな ...自由詩17*11-9-7

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