あき
おひさまのまどべで
ひるねしました
ぽかぽかして
あたたかくて
きみがいるようで
ぼくはとけて

きがついたら
かわいてしまって
かたまって
わらうことも なくことも
で ....
黒板の粉が
午後の日差しの中で踊ってた
あたしもその消された文字の一粒で
キラキラと笑っていたんだ

ブラウスの隙間から
風がこぼれないように
37℃の痛みを飾って
眼鏡越しに見える世 ....
書いておかないといけないのかな
十一月の林檎もぎをする足元に咲く
たんぽぽと

実った林檎をもぎ取る同じ時期に
今年は 林檎の花が咲いている
全部ではないけれど 全部だったら破滅だけど
 ....
ねぇ

ぼくたちは、
もっと、笑っていてもいいと思うんだ

もっと、はにかんでいたっていいと思うんだ



むずかしいこととかじゃなくて
かなしいくらいの澄んだ青空を見上げていて、 ....
崩れた崖にしか
射せない陽射しがある

とがった石くれが こぼれ
風に拾われた 影を埋めた

朝焼けを浴びて 土の奥が泡立つ
浮かばなかった あの想いが

花のように上を向いて
踏 ....
猫のながぐつ、なっちゃんは
アヒルのくちびるで
せんべいをコリリ
よくきたね
あくしゅ、あっしゅ


星のくつした、さくらんぼ
唄いながらお絵かき
なっちゃんは、ようせい
(たんぷ ....
メロウ おまえ ちい先生を見たか
庭の大きな老木に しあわせにしがみついて
羽化をする せむしの 背から
ギラギラとした 出てくるんだ
真っ昼間から 羽化だぜ
メロウ おい メロウ おまえ
 ....
視界に入った 
地面の上の
{ルビ蟷螂=かまきり}に 
思わず急ブレーキを握り 
ペダルを止める 

足元に 
身じろぎもせず
老兵のように 
土色に身を溶かした 
秋の蟷螂 
 ....
柔らかく重なる
雲の色彩は
思う
あなたの
帆走する
今を、未来を

かすかに拓かれる
澄んだみずいろは
呼吸
わたしの
アクアリウム
泡よ、せつなよ

いつのまにか、ふた ....
昨日のゴミ置き場で 
幸せそうに日向ぼっこしていた 
白い便器の蓋が 
今日は無い 

腰を痛めて十日間 
介護の仕事を休んでいたら 

先月の誕生会で 
目尻の皺を下げていた 
 ....
{ルビ雀=すずめ}の親子が列になり 
1・2・3・・・ 
路上のひなたに
小さい影が跳ねている 
現実はいつも
残酷な音をたてるからね


いまだに
感情をふりきれないこの男は

情けない、と

つぶやくコトバ以外を思い浮かべられなかった


あてもなく
わらい顔をつくっ ....
優しい国のふもとでは、
テレビのなかで、パソコンのなかで、
夥しいテントが並べられている。
積み木のような高層ビルの森の透き間を埋めて、
資本家の設計した本土総力戦を生きた、
こころに赤い傷 ....
誰もぼくを知らないところへ行きたい
優しい人も
厳しい人も
生意気なやつもみんな棄てて
誰もぼくを知らないのなら
ぼくが知っている人たちのところだって構わない
ぼくに関する記憶を消しさって ....
爪痕がなんだというのだ 紅い染みがなんだというのだ 滅びゆく我


我を手厚く葬られたし 国道に擦りつけらるる畜生なれど


愛されたし 海の寝床をうしなって引き離さるる二日目の親子

 ....
交差点 黄色信号 傘持たぬ二人に細い秋雨の降る

自己判断でゆけと告げている点滅の赤その向こう側

助手席で君の視線の動きにさえ見惚れてしまう我は盲目

怖いと言いながら本当は何も恐れてい ....
墓に酒を傾ける
世間の片隅でありつづけた君に
酒で石が黒くひかる


夜明けに
しらじら壁を見上げた
死ぬとはどういうこと



墓に酒を傾ける
羽虫がいっとき酩酊している
 ....
しーっぃぃ 静かに
静かに

耳を澄ます

耳を澄ますほどにやって来る
夜があるではないか

届こうとする

届こうとする夜が
やって来るではないか


いくつかの笑顔と空 ....
子宮から産道を通って思いっきり息を吐いたら
絶望が打ち寄せてきた
だけどまだ、母の温もりを知らないので
知るまでは死なないでおこうと思った


階段を登ろうとしたら
絶望が打ち寄せてきた ....
母は言う
あなたは本当に優しい子だから

母は言う
それから大事なことだからよく聞きなさい

僕はそのあとを思い出せない


あれから
僕は随分と大きくなったけれど

特に優し ....
  僕らという生物
        は
        さみしいシステムで動いている
  あまり言うと何だから言わないよ

{引用=
  雨はアスファルトを打ち続け ....
鼻をかもうと 
男便所の扉を開けたら 
トイレットペーパーは 
三角に折られていた 

便器を囲む壁に取り付けられた
ベビー用の小椅子には 
説明シールの絵が貼られ 
腰を丸めておじぎ ....
初夏〜秋



初夏よりも光る男が耳に触れそっと私のピアスで遊ぶ

瑞々し背中に並ぶ脊椎を一つ一つ数えて眠る

マスカラをしない瞳が好きだというそれは誰の瞳の話?


背中から ....
黒い道路を
雨が流れて
激しい雨が
夜を始めて
光が映って
楕円に歪で


激しい
雨が
降って


鍵盤を

両手で

駄目な

両手で

ちぎれ

 ....
救急病院

年配の女性

無理な笑顔で処置室を出てきたそのひとと

隣り合ったレストランで
偶然向かいの席でまた会った

女性はコーヒーを頼んだあと
ハンカチを取り出して

目 ....
俺、ザムザ
丸くなって寝ていたら
海老になっていた
エビちゃんになってしまったから
もう
仕事には行かなくていいのだ
底に沈んで
苔の類をついばんでいればいーのだ

下半身をゆるゆる ....
「親父はがんもどきだね」 
「お前は豆だよ」 

「母ちゃんはさといもだね」
「いいやじゃがいもだ」 

「婆ちゃんはもはや梅干」 
「それはそうだな」 

ぱりっとした衣に
じゅ ....
冷たい井戸の水を汲んだら
とたんに雨が降ってきた
開け放した口に次々と
重たい雨粒が入ったり砕けたりした

久しぶりに自由に飲める水だけど
濡れて帰ればまたぶたれる
痣は青い花のように
 ....
子供たちは
キティちゃんのホークで
なぽりたんを召し上がる

何千キロという海の大きさも
何十万ガロンという容積も
その喫水の深さも
まるで想像できない
きっと、大切なことなのだろう
 ....
先日詩人の夫婦に会い 
日々寝不足の夫の目に
{ルビ隈=くま}ができていたので 
妻に「大丈夫?」とメールした 

妻の名前で受信した 
返事の中味の文字からは 
「大丈夫だよ」と
夫 ....
唐草フウさんのおすすめリスト(3355)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
おひさまのまどべで- 日朗歩野携帯写真+ ...507-11-11
透明だけど、在る- ku-mi自由詩11*07-11-11
ゼロの星- 砂木自由詩11*07-11-10
ねぇ- わら自由詩26*07-11-10
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小詩集- 嘉村奈緒自由詩1407-11-8
秋の蟷螂_- 服部 剛自由詩3*07-11-8
ガラス球の少女- 佐野権太自由詩15*07-11-8
「_無_」- 服部 剛自由詩32*07-11-6
親子の影_- 服部 剛自由詩3*07-11-6
ぽぽろん- わら自由詩10*07-11-5
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誰もぼくを知らないところ- soft_machine自由詩10*07-11-1
肉体を- 石畑由紀 ...短歌11*07-10-31
signal- さくらほ短歌11*07-10-31
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ときどき- 松本 涼自由詩407-10-30
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そのひとは泣いていた- 風音自由詩3*07-10-26
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「_卵_」_- 服部 剛自由詩407-10-23

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