鯨の枕
カマキリ







破かれていくカーテンの
あの優しい日当たりが好きで
部屋の真ん中で目を閉じている

深い深い水の中
うっすらと張り付くように
白い目をしたばけものの声が
レースの間から漏れている

水たまりに石を投げて
その波紋を楽しむように
口が開かなくなったぼくらは
頼りない膜を貼りながら
呼吸をする夢を見続けている








自由詩 鯨の枕 Copyright カマキリ 2019-09-27 01:08:52縦
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